| ホノルル点描 |
| 第 20 回 : かつての「オアフ鉄道の始発ターミナル」 |
|
画: 西川幸夫 |
|
|
|
ホノルル・ダウンタウンの一角、アアラ公園の海手側にスペイン寺院風の二階建ての建物がある。
ここはその昔、オアフ鉄道 のターミナルで、オアフ郡部への玄関口であり終着駅であった。 |
|
ここから列車は、エワ、ワイアナエ、カエナ岬を経てハレイワ・ホテル前までの五
十六マイルを片道二時間で結んでいた。 前方 の一両か二両が客車で、その後にサト ウキビ貨車が途中で繋がれることもあった。 プランテーションで働く人や自作農の日系 人たちが、移民宿への諸手続き、医師への検診、農工具などの買い物、送金のための銀行通いなどの所用の他、活動写 真を楽しみに、美味しいものを食べに、また、この近くにあったイヴィレイの紅灯街に繰り込む者などで終日活気に満ちていた。 このアアラ公園周辺には、小林旅館、九州屋、西海屋、山城屋、尾道屋、中村屋など の宿及び県人事務所があり、また 映画館なども数多く並ぶ、日系人の一大拠点であっ た。 |
|
列車の乗り心地について、「日本と比べると粗末な運輸機関だった。
鉄道線路の幅も日本より狭く、機関車も客車も小さく、 ぞんざいな作り方で、田舎を走っている軽便鉄道より見劣りする汽車であった。 石炭ではなく重油を燃料に使っていたので 速力は のろくて、乗り合い馬車に乗っている感じがした」と、ハワイタイムスの記者だった津島十吉氏は「ハワイ移民の子」(自 著)に書いている。 戦争中には海軍基地への足 として軍人、徴用の学生たちも利用していたが、一九四八年に廃線となった。 現在は 州の所有物で、カリヒ・パラマ地区の社会福祉オフィスとなっている。 |
| 文:永井 雄治 |
| <<- ホノルル点描 の目次に戻る |