バックナンバー: 2006年 5月 15日
● トップ: ハワイ歯科事情と最新技術

  佐藤医師(ホノルル歯科)に聞く

 * アメリカでは厳しい歯科医師への道
 * 歯科治療の日米の違い
 * 歯科医師の心がけ
 * 保険及び歯科治療費について
 * その他の日米の違い
● ハワイは今
 * 州政府がホームレスに空倉庫を提供
 * 3月の観光客数4.6%ダウン
 * ハワイ州が製薬44社を訴える
 * マクドナルド創設者がコミュニティー・センターをプレゼント
 * メディケアの負担額11%増の98ドル20セントに
 * ガス・キャップ法は実質廃案、修正法の発動は可能性なし
バックナンバー: 2006年 5月 15日
● トップ: ハワイ歯科事情と最新技術
    佐藤医師(ホノルル歯科)に聞く
誰でも一度はお世話になる歯医者。日本人はどうも治療をお任せにして しまう節があるが、歯の健康は大切な
もの。 歯科医師の日常や歯科治療 の最前線について、知識を持っておくのは損ではない。
 
先日、木曜午餐会でホノルル歯科医院の佐藤理一郎医師による〈楽園ハワイの歯科事情〉という講演が行わ
れた。 今回は講演内容をもとに、アメリカと日本の歯科治療についての考え方の違いなどをインタビューでまとめ
てみた。
 
  * アメリカでは厳しい歯科医師への道
歯医者というと虫歯を治すだけというイメージがありますが、いかに歯医 者が大変かということを是非知ってもらい
たいと思います。 ハワイはご存知の通り、歯学部がありません。ですからハワイにいる歯医者さんは、全てメインラ
ンドか私のように外国で歯科教育を受けたことになります。
 
まず免許を取るまでの過程をお話します。高校を卒業した後、大学の教養 部に四年通い、その後歯学部に入り
ます。その時点で八年かかります。 歯学部を卒業する時点で、大体二十六歳ぐらいになります。 日本の場合は
、大学は六年間ですが高校を卒業してすぐに歯学部に入るので、二年ほど短 いです。
 
アメリカでは歯学部の二年生のときに、国家試験の一次があります。この時は、病理・組織・解剖などの試験です。
八〇%以上正解しないと、合格 にはなりません。 日本では国家試験は一度きりで、それも六〇%以上で合格と
なります。 アメリカの場合は国家試験が二つあり、どちらも合格は八〇%以上と厳しくなっています。
 
アメリカと日本の違いは他にもあります。 日本の場合は、九州の歯学部を卒業して北海道でも開業できます。 アメ
リカの場合は、国家試験の他に州の試験があり、これをパスしないとその州で仕事をすることはできません。 この試
験がとても難しいといわれています。 また州の試験は国家試験を通ってから、五年以内に合格しないといけないとい
う規定もあります。 ですからハワイで生まれ育って、メインランドで歯科大学を出て、ハワイに戻ってこようと思っても、
この国家試験後の五年以内に州の試験に合格することができず、ハワイで仕事ができなかった人もいます。 ちなみ
にハワイ 州とネバダ州の競争率が高く、合格率も四〇数%でした。
 
私の場合は、外国で歯学部を出たので、こうした人達用の実務試験も別にありました。 外国で勉強した場合は、
実技試験、模型で実際に歯を削ったり、詰め物をしたりして合格した後、州の試験で八〇%以上にならなければ
なりません。
 
実際の試験は、まず筆記試験で病理やX線について答えます。 次に入れ歯 の歯を排列したりする症例試験。 そ
の次に実習試験。 最後に臨床試験を行 います。 臨床試験は、実際の患者さん二人に、白い詰め物をします。 こ
れが大変なことです。 なぜなら理想の患者さんを見つけてこなければなりません。 あまり大きな虫歯では、神経の治
療になってしまいます。 ちょうどいい虫歯の患者を二人見つけてきて、二種類の詰め物をしなくてはなりません。 虫歯
の人は沢山いるけれど、ちょうどいい虫歯を探すことがすごく 大変なのです。
 
ここまで狭き門を合格して、やっとハワイの歯科医師免許がもらえるわけです。 大学受験のときから考えると、十回
ほどの試験を受けることになり ます。 そしてそれからも大変です。 日本の場合は、一度医師免許を取ってしまえば
、一生使えますが、アメリカの場合は毎年数十時間、学会などに出席しなければなりません。 他には救急蘇生法
などの訓練も毎年する必要があります。 特にハワイやネバダ州は歯学部がないので、州は最新の治 療を行っても
らいたいという意図があり、医者は大変です。
 
* 歯科治療の日米の違い
私の診療所は、アラモアナビルの七階にあります。 このビルには七十八人 の歯医者が入っています。 これは日本
では考えられないことです。 大体日 本では開業医は一軒家で行っています。 でもアメリカの場合は殆どビルの中
に入っています。 アラモアナビルを見て見ますと、矯正科八名・歯周科 四名・親知らずを抜いたりする口腔外科四
名、神経の治療をする保存科三 名、小児歯科一名、入れ歯やブリッジなどを行う補綴科(ほてつか)一名、一般
歯科五十七名です。
 
私がアメリカに来た理由の一つに、日本では歯医者は質より数を重視しているからということが挙げられます。 その
原因は、日本には国民健康保険があり、その点数が歯医者にとってとても低く不利だからです。 日本の歯医者は、
スタッフが三人ぐらいいると、一日に四十人ぐらい診なければ赤字になります。 ですからよく歯科医師同士の話の中
で、一日に何人診るかという話題が出るのですが、多ければ多いほどよいということになります。
 
アメリカの場合はまったく逆です。 一日に四十人診ているとすれば、「どういう治療をしているのか」と、言われてしま
います。 アメリカの場合は、多ければいいという事はありません。 日本は四十人診なければならないといいました。
四十人ということは、一人十分を切る計算です。 例えば、根の治療をする場合でも時間がかかりますから、その分
何回も通わなくては なりません。 アメリカの場合は、同じ治療が一回か二回で大体終わります。 その代わり五十分
ほど口を開けていなければなりませんが。
 
現在のハワイのデータでは、八五%が一般開業医です。 全米では、八〇% が一般開業医で、時代はメディカルと
同じスペシャリストへの時代と移っています。 一人の患者さんでも、親知らずについてはA先生、インプラン トについ
てはB先生という具合です。 四〜五人の先生に診てもらうという ことも考えられます。患者さんにとって面倒くさいと
いう点はありますが、これは大切なことです。
 
例えば胸が苦しい時、最初は内科の先生の所にいくと思います。 心臓に原 因があれば心臓内科の先生、そして
手術が必要なら心臓外科の先生の所に行きます。歯科治療も同じです。どんどん高度な治療が確立されていき
ますから、専門性が出てくることは自然の流れです。 一本の歯でも、奥は深いのです。 時間もたっぷりとり、丁寧
に治療するべきです。
 
日本も技術は高いのですが、一日に四十人を診なければなりませんから、相談する時間がありません。 また日本
の良い点でもあり、悪い点でもあるのですが、診療室に入ったら先生にお任せという感じになります。 でも私個人の
考えですが、医者は教育者でもあるべきです。 今どのような治療が行われているのかを、正しく説明するべきだと思
います。 逆に患者さんから、「歯にただかぶせ物をしている」と思われたら心外です。もっと大変なことなのです。
 
自分の身体は、いつもはなんとも思いませんが、病気になって初めて健康の大切さを感じます。 歯も失って初めて、
大切さを実感します。 ですから日頃のケアも大切ですし、何の治療をどのように行っているかを知ること は大切です
。 患者さんと医師の比率は、日本もアメリカも大体同じです。 二千人に対して一人という数字です。 ハワイで見ます
と、モロカイは大体三千人に一人。 マウイは二千百人に対して一人。 ハワイ島は二千人を切っています。 オアフ島
は九百三十四人に対して一人です。 ある意味ではオアフ島はかなりの激戦地になっています。
 
* 歯科医師の心がけ
医者は勿論歯の治療を一番に考えていますが、他に三つのことを心がけて います。
一、感染予防対策と廃棄物処理法についての対策
二、患者さんの知識と要求レベル
三、歯科保険制度
です。
 
当たり前のことなのですが、是非皆さんにも知っていただきたいと思います。 一、に関しては、OSHA(従業員を感染
から守るための全国共通の法律)があります。 もう一つはCDC(患者さんを守るためのルール)です。 これは州単位
のガイドラインなので、必ずしもハワイ州とカリフォルニア州が一緒という わけではありません。
 
それぞれに監査人、つまり診療室を調べに来る人たちがいます。 その人たちは急にやってきて、どこを違反しているか
を見ます。 チェックは治療前・治療中 ・治療後の三つの注意事項に分かれます。 例えば、治療前のハンドウォッシ
ュ。 手を洗って蛇口を締めるとそこで感染してしまいます。 それを予防するために レーザーで感知するもの、フットペ
ダルのものなどがあるかどうか。なければ罰金となります。皆さんが歯医者にかかる場合も、そうした点を知っていると
別の見方ができるのではないでしょうか。勿論二番、三番についても心がけが必要なことは言うまでもありません。
 
その他の器具や設備もご紹介しましょう。 アシスタントや先生のウェアについ ては、手袋やガードのあるマスクをしま
す。 そしてアシスタントの人たちは、 実際のガウンの上から紙製の使い捨てエプロンを着ます。日本の人から見ると、
ガウンを着て外に出歩いて不衛生に感じるかもしれませんが、実際はその上からもう一枚着ているので大丈夫です。
こうした使い捨てのないところでは、専門のクリーニング業者にガウン洗浄を任せます。
 
他に必要なものの一つに、患者さんの口の中を見るループがあります。肉眼で 見ていると細かい所が分からないこ
とがあります。 私の場合は四十倍のループを使っています。ループにはライトもついていますから、レストランでメニュ
ーを見るときも、ついループが欲しくなります(笑)。
 
アメリカと日本の設備の違いもお話しましょう。 アメリカの場合は、バキュー ムやなど使用設備が、椅子の前に何も
ありません。 日本の場合は、患者さんの前に、ライトや歯科器具を置く台があります。 ですから日本人の方は、
リカ式の部屋を見ると「何だか落ち着かない」と言いますね。
 
また日本人をはじめ東洋人は口をよくゆすぎたがります。 日本の歯医者さんで治療をすると、よく「口をゆすいでくだ
さい」と言われます。でもアメリカの歯医者さんには、椅子の横にうがいをするコップは置いていません。 うがいを す
るときには、立ってシンクのところまで行く場合が多いです。 実はうがいを するあの部分は、掃除をするのがとても
大変です。 また治療をするときに、時 間のロスになってしまいます。
 
歯を削ったりする場合、水が出てきます。 日本では水道水を使っていますが、アメリカではここ十年前から蒸留水を
使っています。 当時のNBCのレポートで、歯医者のあの水の出る機械のばい菌の量は、レストルームにある水より
もっと汚いというものがありました。 新しい機械を導入し使っていても、五日後には一ミリの水の中に二十万個のば
い菌がはびこってしまうそうです。 その対策として、毎日の洗浄は水道水に代えて蒸留水を使うようになりました。
 
最近の歯医者の傾向として、レントゲンはデジタルを使っている医者が、増えています。デジタルの利点は、放射線
を通常のものに比べて十分の一ほどしか浴びずにすむという点です。 画像も大きく出ますので、説明もしやすくなっ
ています。 誰でも「白い歯」に憧れ、ブリーチングをする人が増えていますが、注意が必要です。 ブリーチングは誰
にでも合うというものではなく、人によっては歯茎を傷めてしまいますので、気をつけたいものです。
 
白くしたいという場合、現在では八種類の方法があります。 その内の四つがレジンというプラスチック系、他の四つ
はセラミック系に分かれます。 昔のプラ スチックは壊れやすい、色が変わりやすいという欠点がありましたが、だい
ぶ良くなってきました。 プラスチックの利点は、セラミックより安い・修理しやすいなどです。 歯が欠けてもプラスチッ
クの場合はその場で修理できます。 またプラスチックとセラミックの中間の素材も出てきました。
 
新製品ではありませんが、バルプラスト(Valplast)という入れ歯があります。 普通部分入れ歯は針金があります。 こ
のバルプラストは、針金の代わりに歯茎と同じピンクのプラスチックがついています。 すごく硬いけれども弾力性かあ
ります。 見た目がとても自然です。
 
* 保険及び歯科治療費について
アメリカの場合は、約四一%の人が保険に入っていません。 日本の場合は、誰でも何かの保険に入っています。 
ハワイの場合は、メインはHDSとHMSAの二つのプライベートの会社です。 パブリックでは、メディケアとメディケイド
ですね。 ある程度はカバーしてくれますが、上限が決まっているので、入れ歯やブリッジになると殆ど自費で払う必
要が出てきます。 実際には、入れ歯の治療費がないので来年に回すという事情の時もあるでしょうが、歯は身体
の健康にとって大切な ものですので、早めに作ったほうがいいと思います。
 
ハワイの歯科治療費用について、皆さんは「ハワイは歯科治療費が高い」と思っているかもしれませんが、面白い
データがあります。 物価が高い州は歯科治療費も高くなっています。 物価が高いベストスリーは、「ニューヨーク、
カリフォル ニア、ハワイ」となっています。歯科治療費のベストスリーは、これで行くと同 じになるはずなのですが、
「ニューヨーク、カリフォルニア、ニュージャージー」 となり、ハワイは何と四十九番目の州なのです。 ですからハワ
イ州は、歯科治療費は高くはありません。
 
この理由はHMSA、HDSという保険会社がコストをコントロールしているからです。 高い高いといっても、歯が悪くな
ったらハワイで治療したほうがいいですよ。 日本とアメリカを比べた場合、根の治療などはアメリカのほうが断然高
いです。 ハワイなら一本千ドル前後、日本は健康保険を使えば、大体数百円です。でもアメ リカの場合は、一・
二回で終わりますが、日本の場合は数回行く必要があります。 何か月も治療にかかる場合もあります。 親知らず、
インプラントなど大半のものがアメリカのほうが高いです。 ただ矯正治療とセラミックだけは、アメリカのほうが安くなっ
ています。 矯正は日本では百三十万円ぐらいしますが、アメリカでは四千ドル程度です。
 
* その他の日米の違い
日本とアメリカでは、使う器具・材料など色々な分野で違いがあります。 根の治療の場合、日本は手動で行い
ますので、何度も通う必要があります。 アメリカの場合は、機械で行います。 かぶせるものの材料も違います。 
私は両方を経験していますが、一般論として手先は日本人のほうが器用です。
 
麻酔の仕方一つとっても違います。 こちらでは表面麻酔をしてから、歯茎に注射をしますが、日本では最初から
歯茎にブスッと針を刺す場合が多いですね。 こち らでは麻酔にも色々な種類があり工夫をしています。 口腔外
科なら、静脈内注射などもあります。
 
入れ歯を作る場合でも、同じ材料を与えられたら日本人のほうがうまい入れ歯を作れると思います。 ただ材料
の選択などはアメリカのほうが多いので、針金が見えないようにするなどの点で、アメリカのほうが上だと思います。
 
アメリカでは「いい治療をするならば値段も高いという考え方」です。 冷たいか もしれませんが、アメリカの医師は
値段で治療を左右するような患者は診たくないと考える方も多いです。 まずはベストの治療を考えたいという方
針です。 日本の先生は、治療計画や予算が先に来て、治療を始めます。 患者さんが余りお金の余裕がない
ように見えたら、それに合わせた治療を考えます。 でもアメリカの場 合は、保険の治療計画や予算の治療計画
を優先したら、それは患者さんにとってベストではないので、皆平等にベストの治療を優先するべきだという考え方
です。
 
アメリカでは患者さんの健康のためのベスト、日本では経済的な面や要求を含めた中でのベストとなります。 考え
方が違います。 その代わりアメリカには、医師のほかにマネージャー役の人がいます。 予算がない場合、どうする
ことがベストかを相談する人です。 その人は歯科の知識だけでなく、保健の知識が必要になります。 ローンプログ
ラムも説明しなければなりません。 でも日本では話す機会が余りありません。
 
ハワイについて言うと、水道水の中にフッ素が入っていません。フッ素は予防にとても重要なのですが…。 ハワイ
ではまだ、「やたらに水の中にケミカルを入れるな」という考えが強いです。 また食べ物もやわらかいですし、食べる
量が違います。 また気候もいいので、ソーダなどを飲む機会も多くなります。ですから虫歯になる要素はとてもあ
ると思います。
 
基本は食べ終わって四分以内に磨くことです。歯ブラシで全てのごみが取れるという考え方も大間違いです。 「歯
ブラシ、デンタルフロスなどの歯間ブラシ、マウスウォッシュ」とやれば、一番でしょう。 日本では患者さんとの会話が
ないので、歯についての情報を知らない方が多いです。 例えば入れ歯にしても、入れたまま寝ている人が多いです
。 私は日本の患者さんには「靴と入れ歯は同じ原理です。靴を履いたまま寝ますか」と言います。 入れたままにし
ておくと、血液の循環が悪くなってしまうのです。
 
皆さんも歯医者に行ったら、是非先生に色々聞いてください。そしてご自分の歯 を守る知識を持つことが大切だと
思います。
 
ホノルル歯科医院  佐藤理一郎 歯学博士
アラモアナビル772号室
日本語専用ライン 947-6608
 
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● ハワイは今
    * 州政府がホームレスに空倉庫を提供
    * 3月の観光客数4.6%ダウン
    * ハワイ州が製薬44社を訴える
    * マクドナルド創設者がコミュニティー・センターをプレゼント
    * メディケアの負担額11%増の98ドル20セントに
    * ガス・キャップ法は実質廃案、修正法の発動は可能性なし
州政府がホームレスに空倉庫を提供
アラモアナ公園の夜間立ち入り禁止令(ホノルル市)が六月下旬まで延長され、追い出されたホームレス・ピー
プルの仮寝所として州政府のHHCD(州住宅・コミュニティ公園)がカカアコの空倉庫を提供、関係者を喜ばせ
ている。
 
アラモアナ公園の整備のため、ホノルル市郡政府公園娯楽課は三月二十七日から同公園の夜間(午後十時
〜午前四時)立ち入り禁止令を発令した。 同公園には約二百人のホームレス・ピープルが寝泊まりして いたが
、同発令で寝所を失うことになった。
 
そこで市内のカワイハオ教会とセントラル・ユニオン教会が仮寝所を教会内に特設し、二食のミールも提供して
きた。市当局は同公園整備 を拡大し、広い地域の整備を手掛けるとして、当初数日の閉鎖を六月下旬まで
延長を決めた。一方、同教会側の仮寝所提供を五月一日に中止すると発表した。
 
寝所を失ったホームレス・ピープルが他の公園などに散乱し一般市民と衝突するような事が起きたら社会問題
になるとしてリングル州知事は、HHCDが所有するカカアコの第一桟橋近くにある空倉庫を急遽、短期の仮寝
所として提供すると発表した。合せて、州議会もホームレス・ピープルの恒久的施設の整備検討しており、年内
には用意できるとしている。 なお、空倉庫は午後五時から午前八時半まで利用できる。昼間は立ち入り禁止。
収容人数も二百人はOKと云う。
 
* 3月の観光客数4.6%ダウン
去る三月のハワイ観光客数が十一か月ぶりに前年比で減少した。 三月の 観光客数は国内客が四十五万人
を割り、前年同月比で六・三%減。 日本人を含む国際客が十八万三千人で〇・二%減。合計で六十三万
三千人で四・六%減となった。
 
三月は異常な集中豪雨のため、米本土客の予約取り消しが相次いで国内客の減少が目立ったが、今年の第
一四半期の客層数は百二十八万人を越 え、第一4半期の記録を更新した。 観光客の消費額の指数として
大切な滞在延日数は客足減にかかわらず、〇・四%増とプラスになっている。 一日の一人当たりの消費額
平均も百七十ドルと前年同月の百六十一ドルを上回った。
 
エコノミストは、去年の客数(七百五十万人)が使った金(消費額百十五億ドル)を、今年は更に三・五%伸び
ると予想してきたが、天候異常の三月の数字で通年では予想を下方修正することになるだろうとみているが、
「三月は特別な条件が重なった。 客足にどの程度影響するかは四月、五月を見てから...」と述べている。 なお
、日本人客は第一4半期で七・五%減少している。
 
* ハワイ州が製薬44社を訴える
処方箋を必要とする医薬品の高騰が社会問題となっている昨今、ハワイ州 検事総長事務所は四月二十八日、
国内の製薬会社四十四社を相手に州政府が補助するメディケイド加入者が不当な処方箋代を払わされた、と
払い戻しを請求する訴訟を起こした。 同様提訴はすでに他の州が起こしている。
 
マーク・ベネット検事総長は、「製薬会社の処方箋料金はデタラメでメディケイド加入者は不当な薬代を支払わさ
れてきた。 製薬会社はその暴利を速やかに被害者に払い戻すべきだ」と、市販されている処方箋薬を製造して
いる四十四社を訴えた。 同訴状によると、製薬会社の処方箋薬品がどのように価格が構成されているか全く不
透明で、ある胃潰瘍の薬の原価は二十七ドル七十セントだが、メディケアには千四百八十ドルの請求書がきた。
アテノロール(心臓病薬品)は原価は一ドル六十セントのはずが、七十四ドルも請求してきたとしている。
 
製薬会社は自社製品の売り込みに中間の病院、医者、医療保険会社に莫大なバック・リベイトを約束し、自社
薬品の使用を働きかける。 中間業者はリベイトの大きい方を使い、薬の効力は無視して患者に適用していると
、指摘している。 州政府のメディケイド補助額は二〇〇四年で一億千七百万ドルに上る。 一九九九年には四
千五百万ドルしか負担していない。 その間メディケイド加入者は三万六千人から四万三千人に二〇%増加した
だけ。 それが金額では一・六倍に増えたことは製薬会社が不当に儲けていたからだとしている。
 
* マクドナルド創設者がコミュニティー・センターをプレゼント
世界にファーストフード・チェーン店を展開するマクドナルドの創設者レイ ・クロック氏とジョーン夫人を記念して設
立されたレイ&ジョーン・クロック財団が、十六億ドルの予算で国内五十州にコミュニティ・センターの建設を発表
したが、ハワイでは、ホノルル市の第二郡市カポレイが指定された。
 
この発表に同席したリンダ・リングル州知事は、「こんな素晴らしいギフトを感謝します。リワード地区の若者達二
万八千人の日常生活がコミュニティー・センター設立により、好転するのは間違いない」と挨拶した。 同計画は、
レイ&ジョーン・クロック・コミュニティーと呼ばれ、カポレイ・ビレッジのファーリントン街とノース・サウスキング街の三
角地、十エーカーに建設される。 同地はキャンベル財団から一年十ドルのリース料で借りる。
 
同計画は財団からの八千万ドルの寄付金を基に、四千万ドルは建設工事費、残りの四千万ドルは同センター
維持管理費となる。 同センターは二〇〇八年着工、二〇一〇年完工予定で、次のような設備を整備する。
◎ 多目的ホール
    客席、千席を有し、プレイからコンサート、卒業式、バンケットに利用
◎ 会議室
    教育、コミュニティー会議、プリ・スクール施設、多目的会議室
◎ アクアティック・セン ター
    二十五メートルの公式プールの他、子供用プール、エアロビクス教室
◎ 体操施設
    高校、大学生用のジムネシウム(一万平方フィート)に重量挙げ、エアロ ビック・ダンス・スタジオ。 
    高さ六十フィートの岩登り
◎ 屋外パビリオン
    フラダンス用、カヌー造り作業場
◎ 百二十五人の幼児が集客できるプリ・スクール施設
◎ 残り六エーカーに野球ダイアモンド他、野外バーベキュー施設
 
* メディケアの負担額11%増の98ドル20セントに
二〇〇七年一月からのメディケア掛け金が九十八ドル二十セントに上がる。一挙に九ドル七十セント、11%の
上昇である。 社会保障年金受給者は通常、医療保険としてメディケアに加入している。 医者の診断費用をカ
バーするパートBプランの掛け金等は月々の社会保障年金から自動的に引き落とされている場合が多い。 今
回もそのパートBプランの掛け金が現行の八十八ドル五十セントから来年一月から九十八ドル二十セント引か
れるというもの。
 
社会保障年金支給学は生活物価指数に伴い上昇すると決っているが、メディケアの掛け金は毎年開かれる年
金、メディケア理事会が決定する。 二〇一八年には枯渇すると予想されているメディケア基金。 二〇〇四年に
は基金の減少が始まると予測されてきた。 理事会は基金減少はさけたいとして、二〇〇五年に一七%、〇六
年には一三%と本人負担額(月極掛金)を増額してきた。 基金減少は辛うじて防いできたが、基金の蓄積には
至っていない。 〇七年からの負担額を増額したが、基金枯渇年の二〇一八年は延びていない。 負担額は六
年前には四十五ドル五十セントだった。
 
理事の一人は、「医療の高騰の他にベビー・ブーマーの加入で今後は更に厳しい状態になるだろう」と警告して
いる。 ある専門機関の資産によると、「現在、年間三万五千ドルの年収のカップルがメディケアおよび関連費用
の負担は二〇%だが、後二十五年するとその負担額は四〇%になる」そうだ。 本人負担増は死ぬまで続くと云
う。
 
* ガス・キャップ法は実質廃案、修正法の発動は可能性なし
今年の州議会は五月四日、六十日の開期を終え閉幕した。今議会は二年毎の予算を審議する議会として注
目されたが、可もなく不可もなく、予算関連法案は九十六億ドルの大枠予算を通過して平穏に終わった。
 
今議会の目玉法案は昨年九月施行したガス・キャップ法の成り行きだった。 米本土より高いガソリン価格を統
制して安いガソリン価格を維持しようと卸売価格を米本土の卸売り三市場の平均にスライドさせた。 同法は結
果的に安いガソリン価格の誘導にはほど遠い、高い小売価格となって消費者に大きな負担を与えた。
 
特に議会終盤の五月に入って統制価格は一ガロン、一ドル四十セントを越え、同法の草案者、ロン・メノウ州上
議は、持論を見直すと発言するまで追いつめ られた。 廃案を求める州下院と、修正案件で統制を維持しようと
したメノウ上議は最後まで対立した。
 
議会最終日の前日、上下両院合同議会はメノウ上議の、「卸売市場をインドネシア市場を加え四か所に増やし、
価格の安い三市場の平均で卸売価格を統制する」と修正案を認め、施行権限は州知事に委託するとゲタをあ
ずけた。 リングル州知事は市場の価格統制には反対していることから、リングル州知事が同法 発令を行う可能
性は極めて少ない。 発動期間は三十日と短いことから同修正案 が発動されることはないだろうと議会筋ではみ
ている。 ハワイのガソリン価格統制は一年以内に終りそうだ。
 
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