バックナンバー: 2006年 5月 1日
● トップ: 「皇位継承資格を女性・女系に広げれば天皇制度は安定します。」
     皇室典範に関する有識者会議の座長代理を務めた 園部逸夫氏
  * 男性皇族不足で深刻となった皇位継承
● ハワイは今
 * 交通渋滞対策に高架道(有料)建設案浮上
 * ボトル法のリサイクル回収率 73%へ
 * ワイキキで下水管破裂、今後も起こりうると報告
 * アラモアナ公園、夜間立ち入り禁止令延長 --- 市長は恒久化希望、逆行する州議会?
 * 水道代も値上げ? 10〜15%の値上げを考慮中
バックナンバー: 2006年 5月 1日
● トップ: 「皇位継承資格を女性・女系に広げれば天皇制度は安定します。」
     皇室典範に関する有識者会議の座長代理を務めた 園部逸夫氏
  * 男性皇族不足で深刻となった皇位継承
日本のように一つの王朝(皇室)が二千年もの間、続いているのは世界の王室を歴史を見ても珍しいケースと言
われる。 ところが今、皇室は皇位継承者の減少という危機に直面している。皇室典範では、皇位継承の有資
格者を「皇統に属する男系の男子」と限定している からだ。 現在、一番若い男子皇族は秋篠宮殿下(四十才)
で、それより若い男子皇族がひとりもいないため、皇室の将来が憂慮されるようになった。
 
そこで、小泉首相の諮問機関として、二〇〇四年末に「皇室典範に関する有識者会議」が設けられた。 有識
者十人により二十回の会合を重ね検討された結果、「皇位の安定的な継承を維持するためには女性天皇・女
系天皇への道を開くことが不可欠」という答申が提出 された。今国会に皇室典範改正案が提出される動きの
中、二月に秋篠宮妃、紀子様のご懐妊が発表され、日本中が喜びに沸き上がった。それに伴い、改正案は先
送りという形となった。
 
日本国の象徴である天皇の皇位継承への関心の高さは海外に住む日本人とて同様である。 こんな折り、「皇
室典範に関する有識者会議」 で、座長代理を務めた園部逸夫・元最高裁判所判事による講演「女性天皇・
皇位継承の現在と未来」が、三月二十五日にハワイ日本文化セ ンターにおいて開催された。 講演スポンサー
はプライス・オカモト・ ヒメノ&ラム弁護士事務所。同社のパートナーであるケネス岡本弁護 士が園部先生と旧
知の間柄である事からハワイでの講演が実現した。
 
「皇室典範に関する有識者会議」による報告書が発表されたのち、賛成と反対の議論が激化しつつある折り、
内容は報告書の紹介が主旨となった。 講演の後、園部先生から小紙に向けて「皇室典範の改正は必要か」と
題した次のような寄稿を頂いた。
 
私は、昨年、首相の私的諮問機関である「皇室典範に関する有識者会 議」の座長代理を務めました。 同
会議は昨年十一月二十四日に首相に報告書を提出しました。 昨年、皇位継承のあり方を検討することに
なった理由は、昨年の段階では、皇室は過去四十年間男子のご誕生がな く、皇位継承者を男系男子に限
定している現行皇室典範では皇位継承が途絶えるおそれがあったからです。憲法の定める世襲により安定的
に皇位を継承するには、皇位継承資格を女性・女系皇族に拡大するかどうかについても論議しなければなりま
せん。
 
現行典範では、女性は結婚されれば皇族の身分を離れます。 又十五歳 以上の内親王、女王は、その意思
に基づき、皇室会議の議により皇族の身分を離れます。 王も同様です。 愛子内親王殿下が学齢に近づきつ
つあり、他の七人の内親王、女王が十代、二十代であることを考えれば、皇位継承のあり方は、今のうちに検
討すべき課題とされました。
  
報告書の基本的な考えは次のとおりです。
皇位継承の資格と順位は国家の基本に関わる重要な事項であるというという認識に立った上で、幅広い国民
の理解と支持を得られること、皇室古来の伝統と象徴天皇制の下で形成された伝統の双方を考慮したもので
あること、さらに十分な皇位継承資格者が居られる中長期の将来を築くための安定した制度になることを目指
すこと。 初めから結論を想定したわけではなく、議論を重ねるうちに報告書の結論に集約されました。
 
男系男子の伝統を転換し、女性・女系天皇を認めたのは、皇室の現状に照らし、皇位継承の伝統のどの部
分を次代に引き継ぐかを検討した結果です。 憲法は、世襲による継承のみを定めており、男系男子に限って
いるわけではありません。 皇位継承資格を女性・女系に広げれば、制度は安定します。 アンケート調査で、
女性・女系天皇はいずれも、多数が賛成しています。 こうした国民の世論も参考にし、まず、女性天皇を認め
る結論を導きました。
 
歴史上、女性天皇の継承者すなわち女系天皇は存在しません。 しかし、 女系天皇を認めないということは、
女性天皇の子孫が皇位を継承できないということで、安定した継承は望めません。 世襲という最も基本的な
伝統を守るには、男系男子による継承という伝統を変える方向で考えなければならないという議論になりました。
 
次に、女性・女系の継承を認める場合、「長子優先」は出生順に皇位継承順位が決まることから、制度とし
て分かりやすく、また、国民の期待や養育の方針も早期に定まるという点で、優れていると考えました。 戦後、
皇籍離脱した旧宮家を復帰させ、男系男子の伝統を残すべきだという意見があります。 しかし、旧皇族は、
既に一般国民として六十年間も過ごしておられます。 又今上陛下と共通の祖先は六百年近 く前の室町時
代までさかのぼる遠い血筋です。 皇族として親しまれていることが重要な意味を持つ象徴天皇制のもとで、
このような旧皇族を国民が天皇として受け入れることが制度として可能かという問題があります。
 
神武天皇以来、百二十五代続いているとされる天皇制度ですが、国民の見方、距離感は時代により異な
ります。 天皇が立憲君主として行動する姿を国民が目の当たりにしたのは明治天皇からでしょう。そう考える
と歴史も大切ですが、憲法上、国民統合の象徴である天皇との関係を国民が見つめ、今の天皇制度をい
かに確固としたものにするかも重要です。
  
秋篠宮同妃両殿下の第三子が男女どちらであっても本質的な問題は変 りません。中長期的に見た場合、
皇位継承資格者を男系男子に限ってしまえば、皇族女子の皇籍離脱により皇室の規模が縮小します。 た
だ、報告書の結論が唯一最高の考え方だと思っているわけではなく、いずれ国会で十分に意見を交わして
頂ければと思います。 皇室典範は天皇や皇族の身分に関する事項を定めており、政治的に争うのは好ま
しくありません。 慎重な審議の結果、多数の賛同を得て決まることが望ま しいのです。
 
編集部 註: 
小紙は講演前日、A氏の紹介でに園部氏インタビューが実現した。その内容はよく解説されて興味深いも
のだったが、原稿チェックの最終段階で次のような返事が来た。
 
「原稿拝見しましたが、問題があります。現在皇室典範の改正案作成と内閣による国会提出の手続は停
止された状態にあり、そのため報告書に対する賛成と反対の議論が激化しつつあります。 その中で、私がア
メリカで講演することは時期尚早となり遠慮しようかと思ったのですが、以前からの約束であり、報告書の中
身の紹介ということで実現 したわけです。いつかは裏話として、出てくることではありますが、 今の段階で私が
お話したということになりますと反対派からの批判を 受け物議を醸すことになります。 貴紙のためにもよくありま
せん。 次の適当な機会を待つことにし、この度は今日お送りする原稿を掲載してください。」
 
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● ハワイは今
    * 交通渋滞対策に高架道(有料)建設案浮上
    * ボトル法のリサイクル回収率 73%へ
    * ワイキキで下水管破裂、今後も起こりうると報告
    * アラモアナ公園、夜間立ち入り禁止令延長 --- 市長は恒久化希望、逆行する州議会?
    * 水道代も値上げ? 10〜15%の値上げを考慮中
交通渋滞対策に高架道(有料)建設案浮上
ホノルル市の郊外から市内への朝夕の交通渋滞の緩和策として、ホノルル市は鉄道大衆輸送機関の導入
を検討しているが、このほど緩和策の一案としてH1、H2合流地点から現行道の上に高架高速道(二車線)
建設案が代替策として浮上して来た。
 
この案は、パールハーバー近くのH1、H2合流地点からカメハメハ ・ハイウェーの上に高架道を建設するもの
で、ニミッツ・ハイウェーからダウンタウン入口のイヴィレイ・ロードまで朝は東方向、午後は二車線共、逆の西方
向の一方通行とする。 二人以上(カープール)の自家用車やバスは無料で利用出来るが、一人だけの場合
は有料となる。 二十八億ドルの軽鉄道導入案に比べ十分の一ですむ代替案を、あるグループが発表した。
 
市の軽鉄道計画に疑問を抱き、〇・五%の消費増税に反対するHHUA(ハワイ高速利用者連盟)は四月
十七日、全国主要都市から交通専門家を招いてパネル・ディスカッションを催した。 パネルには鉄道を導入し
たコロラド州ボルダー市の交通課のジム・チャーリアー課長、バス路線拡充案を採択したモンタナ州キャンザス
市のサウンドラ・マ クファーデン・ウィーバー交通課長、鉄道導入案を止め高架高速道を建設したフロリダ州タ
ンパ市のマーティー・ストーン交通課長が各々の計画案の導入理由を述べた。 各都市は各々の都市事情に
合わせて最終結論を引き出し、結果には満足していると述べた。
 
これらのパネラーの証言を得て、HHUAの幹部は、「鉄道導入には 莫大な資金が投入される。 問題はその
投資に見合う渋滞緩和が期待されるかとなるとコンセンサスが出ていない。 となれば代替案を真剣に検討し
、市当局に提言したい」と情報収集に力を注いでいる。 リーワ ード地区選出のトッド・アポ市議(交通委員会
委員長)も、「金の情報が十分に集められ、どの選択肢がホノルル市に適切かの最終結論はまだ得られてい
ない。 代替案があれば提示してくれと柔軟な姿勢で成 り行きを見守っている状態なので、高架高速道路の
十分な情報の提示を期待している」と語り、ホノルル市議会に与えられた十一月までの期限には十分な期間
が残っていると述べている。
 
* ボトル法のリサイクル回収率 73%へ
使用済みのビン、空き缶のリサイクル回収率が、今年の一月、二月は七三%平均となり、州衛生局では回収
率向上を喜んでいる。 同局統計課によると二〇〇四年十月にビン、空き缶の回収を始め(五セントの払い戻
しは二〇〇五年一月から)たが、今年二月まで市販された飲料水は十一億四千万本(缶)。 支払われた回
収税は三千三百三十万ドル。リサイクル用に回収された容器は六億六千五百万本(缶)で五八%。
 
消費者に返却された額は千万ドル余り。 残額、二千三百万ドルは特別基金に眠っている。 同容器の回収は
当初、回収センターの不備や方法の厳しさから、回収率は低迷した。消費者からも規制整備の声が上がり、
州議会はあわてて緩和した。 回収センターも増え、営業時間も延長され、政府が当初予定していた七〇%の
回収率も今年になってやっと到達した。
 
「オレゴン州では八〇%の回収率を達成しているが、観光地のハワイでは八〇%回収は困難だろう。 当面は
七〇%を維持していきたい」と担当者は喜んでいる。 特別基金に眠っている二千三百万ドルも今後増える一
方。 同資金の使用途も次期州議会の課題になるだろう。
 
* ワイキキで下水管破裂、今後も起こりうると報告
三月のオアフ島集中豪雨は、全島の下水施設に被害をもたらした。三月下旬のワイキキの四十二インチの下
水主要管(圧力式)の破裂事故は、四千八百万ガロンの未処理下水がアラワイ運河に放流された。
 
同管は一九六四年にワイキキの下水処理主要管として、全長六千五百 五十四フィートの四十二インチの圧
力式下水管として整備された。 一日千万ガロンの未処理下水をサンドアイランドの下水処理場に送り込んで
来た。 同管の修理計画は一九九九年に始まったが、何もされず、二〇〇四年には主要管七か所と一か所が
破裂寸前と報告されていた。 このリポートはその他、カネオヘ、カメハメハ、ワイマル、カハラ、 カイルア、アルア
レイの六か所の主要管を危険配管として指定してい る。現段階ではいずれも修理程度の工事しか予定されて
いない。
 
どうして配管の取り替え作業が行われないのか。市技術課では次のように説明する。 「下水施設の整備工事
は最低五年の手続きが必要です。 予算確保も当然、大きな手順としてある訳ですが、最低数千万ドルから億
単位の予算確保は時間がかかります。 現段階でホノルル市は次期会計年度で二億三千万ドルを計上、ホノ
ルル市議会が審議を加えてい る。 しかし、その三億ドルはサンドアイランド処理場だけの予算で、その他、全処
理場の施設を整備(連邦政府基準に遵守する)費用は含まれていないという。
 
それに老朽化が進む下水管の整備費を含む数字までは公表されていな いという。「気が遠くなるような数字で
しょうね。 地方自治体の悪癖は全体像を公表しないことです。 どんな公共事業でも必要な事業はやらなけれ
ばならないのです。 それが何百億ドルかかろうが対処しないといけないのです。
 
十年かかろうが五十年かかろうがやらなければいけない事は下水、ゴミ処理、電気、電話、公衆衛生、教育、
公道整備とたくさんあります。 どこから先に手がけるかはもちろん、行政当局の判断ですが、これらの費用は
税金で賄われるのですから、一般市民は知る権利をもっていることを忘れないで欲しいですね。 全貌が全く解
らないでは行政当局の怠慢としか言いようがないですね」と語るある関係者。
 
* アラモアナ公園、夜間立ち入り禁止令延長 --- 市長は恒久化希望、逆行する州議会?
アラモアナ公園の夜間立ち入り禁止令が六月下旬まで延長された。 ムヒ・ハネマン市長は去る三月二十七日、
公園整備作業の後、同公園を三週 間の夜間立ち入り禁止令を発令した。 同公園に夜、寝泊まりをしていた
約二百人のホームレスは同期間、排除された。 ホームレスの不在で快適な公園を取り戻した同公園をそのま
まキープしたいと同市長は同禁止令の延長を発表した。
 
アラモアナ公園という寝所を失ったホームレスは市内のセントラル・ユニオン教会やカワイハオ教会に寝所を求め
移動した。 教会側は一時的措置として、移動してきたホームレスに寝所の他、食事も無料で提供して来た。 
三週間の禁止令が延長されたことで教会側も急遽、対応を協議し、無料食事は五月末までと発表。
 
ホームレスの対応には市も州も苦慮しているが抜本的な対策は見つかっ ていない。 今州議会で立ち入り禁止
区域を侵した者には、三十日の入牢 刑か、千ドルの罰金を課す。 軽犯罪とする現行法を公園等の公の場所
で は適応しないという法案が審議されている。 もし同法案が成立すれば、ハネマン市長が一部市民の後押し
で夜間立ち入り禁止令を恒久化すると言うのは意味がなくなる。
 
ホームレスがアラモアナ公園を寝所にする事に猛反対する市民グループ は、「公園で寝泊まりするこれらの人
は一般市民と対立する機会が多く、もめ事も多発している。 同じ公園でもサンド・アイランドの公園なら、一般
市民との接触も少ない。 そう言った公園を指定すれば解決するのではないだろうか」と提案している。 ホーム
レス用の宿舎を用意してもホームレスは対応を拒否する者が多く、問題解決には至っていない。
 
* 水道代も値上げ? 10〜15%の値上げを考慮中
ガソリン価格が毎週の様に十数セント上がり、消費者を苦しませている が、今度は水道料金が十年ぶりに
上がる方向で審議されている。 ホノルル水道局は七人の理事会で経営管理されている半独立財団である。
同理事会は水道料金だけで運営され、赤字が出ると心配された時に料金の引き上げをして来た。 十年前の
値上げ以降、水道局は健全経営が続き、余剰資金も底をついてきた。
 
水道局のスー・シン・スポークスウーマンは、「料金の引き上げは慎重に協議し、過去十年間は不要と判断し
てきた。 十年間にすべてのコストが上昇し、九九年から年間三千万ドルの経費増は料金引き上げで賄うしか
ない」と説明している。
 
五月十五日に開かれる公聴会までには上昇率をつめるとしているが、現 段階では一〇%から一五%アップ
を検討中という。 水道料金は比較的に 安く、平均すると月額二十五ドルぐらいの負担となっている。 検討中
の引き上げ額が二ドル五十セントから三ドル七十セント。 健全経営にいくら必要なのか、その詰めも急いでい
る。 シン氏によると水道局の年間収入は一億ドルから一億千万ドルと安定しているが経費の方が十年間で
次のように上昇した。
 ■ 人件費が五百万ドル増で三千百万ドル
 ■ 電気料金が三四%増で千三百六十万ドル
 ■ 車両コストは九四%増
 ■ 配管工事費(緊急)は九倍の二百八十万ドル
 
水道局理事会が引き上げ率を決定すると七月一日から有効となる。
 
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