バックナンバー: 2006年 3月 1日
● トップ: 投資の波で活気づくハワイの商業市場

  バブル時と異なった日本投資家たちも次々に...
  * オフィス、小売りスペースの空室率は10%以下
  * 自社資産としてオフィスコンドの存在
  * ジョイントベンチャーや投資ファンドの投資が増加
  * 独自のコンセプトを持って進出している日本企業
  * 「日本とハワイ、双方のビジネスの相乗効果をあげたい」と鈴木一馬氏
● ハワイは今
 * 次期新学期は7月28日開始 --- 全島公立高で統一日程採用
 * 英字紙が海外使節団の献金リスト公表 --- 大口献金五社のみ
 * ワイマナロ埋立地2008年閉鎖決める --- 市長は物理的にムリと拒否権?
 * ホノルル警官の勤務 --- 元の1日8時間、5日制へ
 * ホノルル空港の大広告板を撤去、移動
 * 州下院がガス・キャップ法廃止案を提出 --- 州上院は修正案成立へ
 * 交通違反者の罰金を50 %引き上げ? --- 州下院で自治体援助金調達案提出
 * ハワイアン・テレコム8月からテレビ事業へ進出 --- オーシャニックにライバル出現
 * オアフ島のバス・ストップ削減プラン --- 4月1日からカピオラニ通りは 3分の1カットへ
● 大下治心の世相やぶにらみ
 * ゴミ埋立地の2年後閉鎖案成立 --- 市長は物理的に無理と反論
 * デイモン財団の解体
バックナンバー: 2006年 3月 1日
● トップ: 投資の波で活気づくハワイの商業市場
売買軒数が多くても価格が上昇しない事には不動産ブームが 来たと言わないそうだが、そういう意味
で昨年は物件在庫数 減少から価格は急上昇しハワイの住宅不動産市場はブームの年と言える。 好
景気が背景にあるのだが、経済が好調なおかげで商業不動産市場も活発な年であった。 この傾向は
今年も 継続すると見られている。
 
商業用の高層ビルの新しいプロジェクトは見られないが、ワイキキではビーチウォーク再開発、ロイヤル
ハワイアンショ ッピングセンター、カピオラニ通りではノードストームなど 大きな商業プロジェクトの開発
が進んでおり、完成、または建設中の高級コンドミニアム内にもハイエンドの店舗、レス トランが入る
予定だ。 ホノルルの商業市場は活発に動いてい る。
 
日本からの投資はバブル時代の時のような大型投資は完全に過去の出来事になったが、ハワイに関心
を持つ投資家の数は増えている。 不動産投資が圧倒的に多いが、レストラン、小売業、観光関連業
など業種も様々。 ここ数年、日本からのレストラン開業が活発だ。また小売業界にも日本からの投資
も徐々に増えてきている。 商業不動産の動きと小売り業に進出 した日本人ビジネスマンの投資体験
を聞いてみた。
  * オフィス、小売りスペースの空室率は10%以下
好調な建設、不動産、観光業を背景にハワイ経済は快調な動きを見せている。 基幹産業である観光
業の二〇〇五年の観光 客数は七百四十五万七千二百九十七人で前年の六百九十九万 千九百
二十七人を大幅に上回った。 そして、今年は七百六十 六万人の来布が予想されている。
 
この観光客増加は当然ホテル業に反映され、昨年のハワイ州 のホテル客室収入は三十億ドルに達し
前年の二十七億三千万 ドルを抜いた。 州平均客室占有率は八一・二〇%、州平均客 室単価は
百六十六・八六ドル。 ニューヨーク市に次いでアメ リカの二十五の主要都市の第二位となった。 
今年は昨年のような急激な進展はないが、好景気は継続すると見られている。
 
特にテロ事件や大型天災に見舞われた後、気候や自然の魅力、エキゾチックな雰囲気といった要素に
安全な旅行先という魅力が加わりハワイの人気は増している。 この動きに投資家の 食指が動くのはい
うまでもない。 昨年の州小売り業の空室率は前年の七・六%から六・四%。
 
過去二年間でカラカウア大通り中心の1/3マイルの短い距離の交通量は二〇%増えている。 ワイキ
キの歩行者が集中する地域はロイヤルハワイアンショッピングセンター、2100 カラカウア、DFSギャラ
リア周辺で、周辺には改装中の ロイヤルハワイアンショッピングセンター、旧ワイキキシアター、ビーチ
ウォークプロジェクトが進んでいる。
 
来年から二〇一〇年までにこれらのプロジェクトが完成すれば、洗練されたアップスケールの小売り、レ
ストラン、サー ビス業などのスペース五十万平方フィートが加わる事になる。 オアフ島だけでなく隣島の
経済も活発だが、特にオアフ島の動きを、アメリカ商業不動産会社の最大手のCBリチャード エリス・ハ
ワイオフィスのフランシス岡崎(同社代表取締役 会長)、ディレクターのケビン・アウチェロ、シニアアソシ
 エイトの三木正治朗の各氏に聞いた。
 
CBリチャードエリスは、ワイキキでは2100 カラカウア、以前京樽があった2160 カラカウア等の店舗物
件以外にワイキキギャラリアオフィスタワーやワイキキトレードセンタ ー等の主要物件の賃貸と管理を担当
しているが、前者のギャ ラリアタワーは空室は殆どないという賃貸状況。 また後者のワイキキトレードセン
ターも、ワイキキの優良オフィスビルとしてこれから新オーナーおよびマネージャーの下で明るい見通しを持
っている。
 
「昨年は大型物件の数多くの売却のお手伝いをさせて頂き、弊社ハワイオフィス創始以来の最高の実績
をあげました。 十年前と比較すると、まだまだ低金利と言えますので、この景 気は継続すると見ています。 
ハワイの建設業や住宅不動産業、観光業の動きに伴い、商業市場もこの数年は好調に動いてい ます。
オフィス賃貸市場の需要は高いです。 経済のファンダメンタルが良いと設備投資に伴い、工業関連の不
動産が動きだします。 また、現在のオフィススペースでは足らなくなり拡張します。 消費者の購買力が増
すと現在のハワイのように店舗、ショッピングセンターが好調になります。
 
それぞれのセクターでレントが伸びると商業物件の新規開発が行われますが、ただ、少なくても現在ま
で住宅市場が好調なので、商業市場まで手が回らないという建築業界の人手不足の現状があります。
建築許可等が予定通りに下りない上に、建築費の高騰も事業主には頭が痛いです。 米本土のハリケ
ーンからの復興需要および中国の建築ラッシュから工事費の建 材の値上げもあり、今まで例えば、一平
方フィートが百五十 ドルでできたものが、今は二百五十ドルはかかる話をよく聞きます。
 
需要が高くなり、空室率が下がれば経済の原理からレントの値上げが起りますが、最近のレントの値上
げは、保険料、固定資産税、また石油高騰でユティリティなど諸経費の値上げ がレントに響いてきてい
ます。 空室率の推移を見る上で無視できない先導要因としてパーキング等の需要がありますが、例えば
現在、ダウンタウンの多くのクラスAオフィスのテナントはパーキングの確保に頭を痛めています。
 
それでは郊外に空きが多いかと言うとこちらのほうも需要が高いです。例をあげるとカイムキプラザも3660
ワイアラ エも占有率は高く家賃も、ダウンタウンより安いとは言えません。 ダウンタウンの空室率が高かっ
たのは九〇年代前半です。 バブル崩壊で景気が低迷したこともありますが、いくつかの新築オフィスビル
が完成しオフィススペースが増えたという理由も原因でした。
 
しかし、九〇年後半以降は新しいオフィスビルは建てられていませんから、景気が戻るに連れ空室率が低
くなってきました。 空室率が高い時にクラスAのオフィスビルに入っていた 人が、今は家賃が高くなり、クラ
スBへ一段落とさないと借りれないという状況も現れてきています。 そしてクラスBがクラスCへ落とすという
事でクラスCのビルにおいても占有 率が高くなっています」
 
  * 自社資産としてオフィスコンドの存在
こうした賃貸料の値上がりがあったせいか、賃貸より所有したいという需要が出てくる。 住宅用コンドと同
様、オフィス コンドでもフロア、またはユニットごとに売買されている。 センチュリーセンター、センチュリー
スクエア、1214サウスキング、イートンスクエアなどはオフィスコンドであるが、数は多くない。
 
CBリチャードエリスは二〇〇四年にクラスAオフィスコン ドとして売り出した「アラケアコーポレイトタワー」
の主任売買アドバイザーを務め、売り出した時のタイミングも幸い し大成功を収めた。 これ以前に、同社
は、ベセル街とニミッツハイウエイの角の「クイーンズコート」を完売させた。
 
「オフィスコンドの需要は高いので価格も値上がっています が、低金利であれば家賃高騰リスク解除策と
して購入を選択する事業主が近年増えてきたのです。 ただ、ホテルのコンド 転用とまったく別物です。 
管理費やパーキング数のことや、一ユニットのサイズが重要です。大きすぎると売却しにくいです。 例えば
ダウンタウンにあるアリプレイスは各階一万五 千から二万平方フィートの広さです。 これを各階で売却する
と何百万ドルにもなる計算で、大多数のオーナーユーザーには大きすぎるでしょう。 自社所有不動産が肝
心の事業に対し大き過ぎ事業資産が膨らみ過ぎると問題です。 その点、アラケアは平均五千平方フィート
ぐらいですから、購入しやすかったということになります。
 
オフィスビルを改造してコンドで売るビルは、これからも出てくるでしょうが、それに適した条件を備えたビルは
ダウンタウンにそう多くありません。 また、工場、倉庫物件でも空室率の極度の減少から郊外のインダストリ
アルパークでは賃貸でなく土地やオフィスを購入する事業主が増えてきていますから、低金利が続く限り自
社不動産を資産として持つ企業は今後も存在すると思います」
 
ハワイの経済は州外からの資金流入に頼っている。 現在のハワイのホテルや商業物件は投資家にとって
魅力のある投資先のようだ。 「古い小さなホテルはコンドミニアムに転用して コンドホテルに生まれ変わっ
ていますから、ワイキキには今後は純然たるホテル客室数は減少していくでしょう。 大きな ホテルでも新し
いオーナーはキャッシュフローが期待できるホテルコンドに転用しています。アラモアナホテルは所有権だ
からホテルコンドとして売ることができたのですが、ワイキキにある高級ホテルは借地権の物件が多いので、
こちらは純然たるホテル運営のまま残る場合が多いです。
 
今の市場はバブル崩壊後と大きく異なっています。 米本土からの大型投資グループがハワイの良い物件、
特にオーシャンフロントの優良ホテルに目をつけていますから、新しいバブルが生まれている感じがします。
今はとても良い価格で売却ができるマーケットでしょう。 物件を市場に出す環境において現在の市場の基
盤は、バブル後よりしっかりしています」 と、ホテルおよびゴルフコースの売買アドバイザーのケビン・アウ
チェロ氏は指摘する。
 
「全体的に見ると、日本からの投資はバブル時代のように大きな投資はありませんが、関心がないというの
ではありません。 ただ以前のような派手なアプローチをしないで、用心深く動いています。 衝動買いをする
こともありませんし、よく勉強しています。 日本で成功しているビジネスマンがハワイ にきて良い物件を物色
しています。 それにバブル時と異なり、今は米本土からのバイヤーが増えているので、買う方で競争になっ
ています。
 
ただ、投資はよりいっそうグローバル化が進んでいますので、資金の出所がジャパンマネー、どこどこの国の
投資とはっきり明記できないケースが増えてくるでしょう。投資家も単独で投資するのではなく国際間で
ジョイントベンチャーを組んだり、投資家グループで投資するケースが増えてきていますから、今までのような
区分けが難しくなっています。
 
またREITなど投資ファンドが買っている物件も多いです。 これだってもしかしたら、あなたのお金が入ってい
るかもしれません。 これは本来の投資家ではありませんが、カカアコに出来るバイオテクノロジーの施設に日
本企業が入るということも聞きました。ターゲットは日本や中国などのアジアです。 ハワイはアジア市場への
進出のリサーチ、準備をするのに良い土地です。これからカカアコもビル全部を買う、買わないは別として注
目される地域になると見ています」と、岡崎会長は予測する。
 
  * ジョイントベンチャーや投資ファンドの投資が増加
昨年はアウトリガーグループが、三井リースの現地法人が所有するワイキキビーチコマーホテルを買収。 ビー
チウォーク 再開発で五百室を失ったアウトリガーグループの客室減を補っている。 日本投資(カハラローヤル
投資会社)が六〇%、マンダリンオリエンタルホテルが四〇%を所有していたカハラマンダリンホテルは、昨年、
マンダリンが権益をカハラローヤル社に売却、その後、地元の投資グループ・トリニティグループが購入し新オー
ナーとなった。
 
そのトリニティグループの一〇%を、昨年末に、日本国内で ホテル開発を行っているケン・コーポ社(昨年レ
イクタホにあるエンバシースイーツを購入)と、日本のハイエンド家具店の最大手の一つ、サラ・アザブ社の二
社が取得した。 現在、同ホテルはマンダリンの名前から離れ「ザ・カハラ」として再出発している。
 
ホテル買収では、二〇〇四年九月にワイキキ・クヒオ通りの入り口にあるワイキキ・ゲイトウェイホテル(二百
客室)を全国保証株式会社(浅川忠俊社長/本社・東京千代田区)が日本企業から購入した。 買い手
のエージェントだったのがフォガティ不動産会社のジニー・フォガティ社長だが、同社長は、昨年再び、日
本人投資家の物件購入の仲介をした。 辰巳興業グループ(四宮孝郎社長/本社・大阪市)が、昨年十二
月、カラカウア通りとファーン街の角の更地(カラカウア通 り1700)を購入。辰巳興業グループは日本各地、
カリフォルニア、及びニューヨークに数々の不動産物件を所有、管理をしており、ハワイでの初投資となる。
 
購入した更地に、中級クラスの実用的なコンドミニアム建設を計画しており、所有権付きの十七階建て、百
二十戸(スタ ジオ九十六戸、一ベッドルーム二十四戸)のコンドミニアム ができる。 建設開始は二〇〇六
年夏、完成は二〇〇七年夏以 降を計画している。 二〇〇六年四月頃から販売が開始される予定。 また
大型買収としては日本で急成長したディスカウントストア、ドンキホーテのダイエー買収も大きなニュースで
あった。 買収した企業が日本企業と言うことで、扱う品物に大きな変化がないことを願っているダイエーの
顧客が多いのではないだろうか。
 
  * 独自のコンセプトを持って進出している日本企業
昨年一月一日号でここ数年に日本から進出した企業を列挙した。 今までなかったタイプの業種としては「高陽
USA」 (本社岐阜県羽島市)のコナ海洋深層水。 ハワイ州自然エネルギー研究所から供給される海洋深
層水から飲料水製造とボ トリングをし日本向けに輸出。 今ではハワイの輸出品ナンバーワンとなった。
 
昨年十一月にはワイキキショッピングプラザにショールームをオープンし、ハワイでの販売を開始した。 海洋深
層水は健康志向層に愛飲されているが、化粧品の世界でもスキンケアに重点を置いたヴァーナル化粧品とドク
ター・シーラボの化粧品メーカー二社が進出し成功している。 昨今の健康志向をバックにスパ、エステ、ネイル
サロンなど美容関連の日本人経営の店もワイキキやアラモアナに次々とオープン。 日本人ならではの確かな
技術力、細やかなセンスで、安定した市場を築いている。
 
いつの時代も投資となるとまず第一に飲食業を考える人が多いが、浮き沈みが激しく何十年も盛業を続けて
いる店という のは、開業した店の数よりずうっと少ない。 ここ数年も日本からのレストラン開業も枚挙にいとま
がない。
 
二〇〇二年頃からの日本投資のレストラン開業を見ると、「 炭火焼肉レストラン牛角」、「しゃぶしゃぶハウス」、
「ハングリーライオン」、「元気寿司アラモアナ店」、「銀座木村屋東京」、「お好みクジーン・カイ」、「ラーメンの大
勝軒」、「MOMOMO ももも」、「餃子の王将」、「食堂」、 「炭火焼肉トラジ」、「ごえもん」、「あきのの」、「稲
葉」、 「八景」、「炉端グループ・つくね家」などが挙げられる。 (注:記載もれがあればお許し下さい)
 
今までアラモアナセンターにはテイクアウトを除いて本格的な和食レストランがなかったが、和食ダイニングの
「六角」、シ ロキヤ上階の「築地市場」が予定されている。 レストランでは ないが、日本でシュークリーム専門
で成功しシロキヤの実演販売で人気を博している「ビアードパパ」(本社・大阪)も昨年 八月から二店のフード
ランドスーパーマーケットにフランチャイズ店として営業開始。 アウトリガーエンタープライズが進めるワイキキビ
ーチウォークが完成すれば、店舗を出す事が決まっている。
 
カフェでは新築の超高級コンド、ホクアに東京から「ペーパー ムーン」が開店予定。 小売業ではカピオラニ大通り
とシェリダン街角に自社ビルを建設し五月の開業を待つSteP社。 大阪 に本社を置くスポーツ用品、スニーカー
ショップの最大手で大阪を中心に六十一店舗を展開する。 ハワイではワードウエアハ ウスに「ランナーズルート」
を経営している。 カピオラニ大通りのビルの一階は四千平方フィートの売り場を持つ大型店にな る。 二階はオフ
ィスに利用する予定。
 
また、今後はペット向けのビジネスも見のがせない。 犬のハン ドラー、グルーマーの第一人者、井上耕盛夫妻が
カハラに「カハラ・スーパー・グルーミング」を三月に開店する。 メガネ店 は既に有名店がハワイで根を下ろしてい
るが、ディスカウントメガネをターゲットにしたワードウエアハウスの「インスペクス/INSPECS」が進出している。
二〇〇〇年以降の日本からの進出は、独自性を持った専門業種、差別化を目指すビジネスが、ハワイの小売
業や飲食業に参入しているのに注目したい。
 
 * 「日本とハワイ、双方のビジネスの相乗効果をあげたい」と鈴木一馬氏
二〇〇〇年以降の投資家の一人である鈴木一馬氏の体験談を紹介しよう。 鈴木氏は二〇〇一年に家庭
電化製品のパーツ販売業「アプライアンス・パーツ」を買収、翌年、ワードウエアハウスでディス カウントメガネ店
「インスペクス」を開き、近くパールリッジショッピングセンターに二号店を開く。
 
元々は東京で貸しビル業を営んでいたが、家主の仕事ではもの足り ない。東京で二〇〇一年に起業したの
がディスカウントメガネチェーンの会社。 店名は「メガネバスター」。 直営店は東京都内に八店舗、フランチャイズ
を十六店舗を擁している。 アメリカやハワイに は若い頃から来ていたこともありバブルの後の投資を考えた。
最初 はコンドミニアムを購入したが、大家さん業は日本同様もの足りな い。また日本で所有していたビルを処分
したことで資金もあることから、既成のビジネスを買収することにした。
 
「ホテルやレストランを所有するのは、かっこいいけれど、私は地元に根付いている評判の良いビジネスはないも
のだろうかと以前からお世話になっている経営コンサルタントに相談し紹介されたのが 「アプライアンス・パーツ」
なんです。 四十年以上やっている独占企業のような会社で業務内容も安定している。 ワイピオとカリヒの二店
舗を偵察に行くと、店員さんはスマイルでむかえてくれ感じがいい。 とても雰囲気のいい店でした。 お客さんの
は七割はリペアマンやハンディマンが多く、堅実なビジネスなのが気に入りました。
 
商品のパーツは何十万点とある。商品知識やリペアの技術など現場のノウハウは持っていませんが、私はア
メリカや日本のビジネスを知っています。 アメリカのビジネスで優れたものもあるし足らないものもある。  その足
らない部分で日本のビジネスの良い点を取り入れようと思ったのです。 例えば最近、行ったプロモーションです
が、商品の額に関わらず買ってくれたお客さんにスパムを一個一ドルで 販売したのです。 僕はここで損をしても
リペアマンだけでなく一般の人のお客さんにきてもらうため間口を広げるためのPR、日本でスーパーが卵をただ
のような価格に出してお客さんの勧誘するエッ グ商法です。 来られた方は卵だけではすまないでしょ。 他の商
品も買いますよね。
 
しかし、アメリカは損をしてまでモノを売るという考えがないため、幹部から反対を受けました。 損して得をとれと
いう意識は彼等は持っていません。 しかし、このプロモーションは店のPRに大いに役 立ち、一般のお客さんも
増えてきています。また、僕は従業員全員がもらえるボーナスシステムを取り入れたため、みんなが一生懸命
やる。ところが僕が日本に行っていない間に儲かっていないからという理由でやめてしまう。 売上が減った時こそ
志気を高める必要があると僕は思うのです。
 
歴史があるしパーツを専門にしているため今までは殿様商売だった。 ハワイは米本土から離れているからのん
びりしていてやっていけば いいというのではなく、競争に打ち勝とうという社員の意識改革を行っています。 従
来はパーツの販売屋ですから、リペアビジネスには参入しないというというポリシーでしたが、シアーズがリペア
で 伸びてきた。シエアを伸ばしていっている。 それに対抗するために は、リペアサービスにも参入しないといけ
ないと思い、今年の二月からパーツを売るだけでなくリペアもするサービス部門も始めました。 台所用家電の
完成品も置いたり、時代のニーズに合ったパーツ 屋を目指しています」と、老舗の企業に新風を送っている。
 
現在、ワードウエアハウスにある「インスペクス」は、日本で鈴木氏が始めた「メガネバスター」のハワイ版だ。 処
方せんレンズとフ レーム付きで三十九ドル九〇セントから売っているから確かに安い。  「日本で何のビジネスを
始めようかと思案しました。原価は安いが高く売れるものは何があるか考えました。 位牌もどう考えても原価は
安いのに高く売れる。でもこれは一生に一度しか使わないので市場が狭い(笑)。 メガネをふと考えました。 日
本人で半分ぐらいメ ガネをかけていますから、視点をかえて使い捨てライター同様、薄 利多売でやれば利益は
あがるのではないかと考えて始めたのが安売りメガネ店です。 「メガネバスター」、めがねをぶっ壊す。従来の
めがねシステムをぶっ壊すという意味をこめて名付けました。
 
直営店とフランチャイズ店がありますが、今はもうフランチャイズ 店を募集していません。 安易に増やしレベルが
落ちると、最初は儲かっても長い目で見ると店のレベルダウンになります。 メガネはや はり健康商品ですから安
かろう、悪かろうでは困ります。 ところで、メガネバスターの幹部の半数以上が日本人じゃないです。 日本では
まだ人種差別があるので僕は逆に利用した。 僕の所は中小企業です から、優秀な人がなかなか集まらない。
中国からの留学生で優秀な 大学や大学院を卒業して日本で働きたいがなかなか職がない。 そう いう人に門
戸を開けています。 日本人と同じ、逆にそれ以上の待遇を示せばものすごく働く。 働くだろうと思う人間に払う
というのはアメリカのビジネス。実力主義でやっている。それは僕はアメリカ で学びました。
 
パールリッジショッピングセンターに二店目を開けますが、開店祝いにスパムをあげる。 トイレットペーパーとか日
常のものをあげる事を考えています。ジョークです。 笑い話になると人は忘れない。 トイレットペーパーが話題に
なって、次にメガネが三十九ドル九〇セント、大丈夫なの、おもちゃみたいとか言いながら、話題になればしめた
ものです。ハワイでビジネスをやっているから、僕はアメ リカのビジネス、また日本男児だから日本のビジネスと
いうのではなく両方のいいところを取り入れた柔軟な考えで行く。日本とアメリカの良いやり方をミックスして取り
入れたい。その指針を僕が従業員に示したいと思っています。
 
僕の友達も海外投資を考えている人がいますが、単にハワイだから いい、アメリカだからいいという考えはだめ。
実際住んでみるとハワイは大変ですよ。パラダイスではない。マーケットは小さいし、甘い考えではだめ。しかし、
そうだからといってビジネスチャンス はないと思わない。アイディア次第、やる気があれば必ず成功する と信じて
います。せっかくハワイでビジネスをやっているので、日本と別々にビジネスをするのではなく相乗効果を考えて
います。
 
例えば、ハワイの人気サーファーのディビッドケリーと提携し彼のブランドのサングラスを日本で売り出します。彼
の店は日本でも紹介されている芸能人ご用達店。 アプライアンスパーツの商品も、日本でアメリカの家電商品
を使っているとなると特定層が対象になり ますが、インターネットを使って国内で販売できるようにしたいと思って
います。 いい形でハワイと日本とかけ合わせていければと思っています」と、ハワイ進出の意欲を語ってくれた。
 
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● ハワイは今
  * 次期新学期は7月28日開始 --- 全島公立高で統一日程採用
  * 英字紙が海外使節団の献金リスト公表 --- 大口献金五社のみ
  * ワイマナロ埋立地2008年閉鎖決める --- 市長は物理的にムリと拒否権?
  * ホノルル警官の勤務 --- 元の1日8時間、5日制へ
  * ホノルル空港の大広告板を撤去、移動
  * 州下院がガス・キャップ法廃止案を提出 --- 州上院は修正案成立へ
  * 交通違反者の罰金を50 %引き上げ? --- 州下院で自治体援助金調達案提出
  * ハワイアン・テレコム8月からテレビ事業へ進出 --- オーシャニックにライバル出現
  * オアフ島のバス・ストップ削減プラン --- 4月1日からカピオラニ通りは 3分の1カットへ
* 次期新学期は7月28日開始 --- 全島公立高で統一日程採用
州教育局は二〇〇六年の新学期から全公立高(小、中、高)二百六十五校を、統一日程で授業を行う
と、スケジュールを公表した。今学期までは一部校で採用していたイヤーラウンド授業と旧二学期制の日程
を混合したスケジュールだった。
 
別表の日程によると新学期開始は七月二十七日と夏休みは一か月も短縮される。十月二日から秋休み
(一週間)、十二月二十一日から冬休み(三週間)、三月十九日から春休み(二週間)そして学期末は六
月八日。 夏休みは七週間で七月下旬には新学期が始まる。新日程によると夏休みは大幅に短縮される。
従来、夏休みは合格しなかった科目のテイク・オーバーを行い新学期には進学できるという補修クラスが開
かれてきた。 現実に落第する生徒は多く、夏休みはキャ ッチ・アップ授業をして重要な役割を果たしてきた。
 
今年からその夏休みが七週間に短縮されると一単位百二十時間という授業時間が取れないケースが出て
くると、現場では頭を悩ませている。それに、新日程に伴う必要な教師を確保することも課題として残ってい
る。 ある高校では、「夏休みのキャッチ・アップ授業をちゃんとスケジュールを組むと、生徒たちは充分な休
息日がなく頭を休める時間がなくなる」と、新しい日程のマイナス効果を指摘する。 小中高と三校に子供を
送る父兄から年中授業は一緒に休暇が取れないなどとクレイムが多かった。 妥協案として生まれた新しい
日程は多くの課題を抱えたまま今年からスタートする。
  
* 英字紙が海外使節団の献金リスト公表 --- 大口献金五社のみ
二〇〇四年から二〇〇五年にかけて、ハワイ州のリンダ・リングル州知事主催の海外使節団の派遣資金
に、大型献金を寄付した企業の一部が公開された。多額の献金は官民癒着を意味するのではと指摘する
英字紙ホノルル・アドバタイザーの疑惑に対し、献金リストを公表したテッド・ハウDBEDT局長は再度全面
的に否定した。
 
ハワイの観光、経済をプロモートする使節団は総勢四百人の使節団を中国と韓国に派遣した。 その際一般
民間企業から経費として献金を募った。担当したのは非営利団体の大平洋アジア評議会で、七千ドルの手
数料を受け取っている。 献金は評議会名義で集められた。
 
献金者リストの公表は去年五月に同英字紙が要請したが、それから九か月後に公表された。今回公表され
たリストは大手企業名だけで他の中小企業者リストは公表されていない。 同評議会が企業から集めた額は
総額で八十二万七千ドル。 その中で次の企業だけが公開された。
1. DFSハワイ支社(免税品店):献金額=五万ドル
2. NCL(ノールウェイ・クルーズ社):献金額=三万五千ドル
3. コオリナ・リゾート:献金額=三万五千ドル
4. キャスル&クック:献金額=三万五千ドル
5. ドール・フーズ:献金額=三万五千ドル
 
この献金額総計は十八万五千ドルしかならない。その他多数の中企業が、残り六十四万ドルの献金をした
わけだが、リウ局長の今後の献金に影響すると云う注釈で公表されていない。これら大口献金者は使節団
に代表を参加させたが、特別待遇を受けた記憶はないと言及している。 リース・レンタル滞納のDFS、七千
五百万ドルの税控除措置を受けたコオリナ、連邦政府や州政府から各分野で大目に見てもらっているノール
ウェイ・クルーズ社など、癒着がありそうな感じがするが、これらは仕方のない関係だと英字紙はまとめている。
 
一方、政界でも、「このような使節団は目に見えない経費が出て行く。 州政府主催でも、金の流れは非営
利団体が牛耳っていたとすれば、予定外の疑惑をさける措置だろう」と、別に目クジラをたてることはないと
一蹴している。 官民癒着容疑の立件は安易には解明できないとつけ加えた。
 
* ワイマナロ埋立地2008年閉鎖決める --- 市長は物理的にムリと拒否権?
ホノルル市議会は二月十五日の常例会議で、ワイマナロ・リッジのゴミ埋立所 を予定通り二〇〇八年に
閉鎖する、と云う法案を七対二の評決で可決、市長に送付した。 ハネマン市長は「ハリス前市政権下で
決めたものだが、現実には不可能だ」と拒否権行為を考えている。七対二という評決は市長の拒否権行
使を覆すに必要な三分の二以上だが、市長は賛成投票した七人と交渉したいと同法 案の廃案を考えて
いる。
 
ゴミ埋立地としてワイマナロ・リッジ利用は、州土地資源委員会がホノルル市 に与えたもの。 同期限は
二〇〇八年と明記されている。 ホノルル市はゴミ処理 をHパワーと云う旧式の焼却炉を利用してきたが、
観光客の急増もあって、処理能力をこえるゴミが毎日、埋立地に捨てられてきた。 ハリス前政権時に始
まったHパワーに変わる新技術の導入、代替埋立地の模索はいずれも空転。 ホノルル市議会はそんな
状態を打開するため、新技術導入のパイロット計画予算と して三千五百万ドルを去年計上したが、市
政府担当局(観光サービス局)は、この八か月何ら前進させなかった。
 
二〇〇八年の埋立地利用期限の厳守を公約していたハネマン市長も今年の年頭教書では、埋立地の
代替地が難しいことから、期限延長はやむを得ないと後退した。 そんな状況の中で 〈物理的〉には絶対
ムリとなった代替新技術導入。 導入計画がムリなら、埋立地利用を継続しかない現状を熟知しながら、
市議会 はワイマナロ・リッジ延長禁止法案を成立させた。 現状を最も熟知しているロ ッド・タム公共事業
委員長は敢えて反対投票した。代替埋立地を模索すれば少なくとも数千万ドルの費用がかかる。 それな
らワイマナロ・リッジを延長すればその費用は不用で、その間に代替新技術を導入し、埋立地不要の状況
が作れると読んでの最も常識的な立場を保持した。 その解釈は市長に似ているが、遅々として動かない
官僚を動かすためには市民の同意を得ることと云う理念が、市議会全体の芝居ではないかと政治観測筋
では見ている。
 
* ホノルル警官の勤務 --- 元の1日8時間、5日制へ
ホノルル警察案(HPD)のボイス・コレア署長が、警察官の勤務体制を元の 一日、八時間、週五日勤
務に戻すと発表し、多くの警察官から反発を受けている。 HPDは一九九七年にパイロット計画として導
入した警察官の週三日勤務、四日勤務制が好評で、二〇〇〇年に全島に施行した。
 
低賃金を補給するため、勤務時間を一日十二時間の週四日制を導入した。 その当時、警察官不足の
米本土のいくつかの都市が、低賃金で多くの警官が不満を募らせていると情報と受け、現役警察官の引
き抜き作戦が行われた。 一年に四十人の警官を失ったこともある。HPDはこういった引き抜き戦術に対し
、低賃金でアルバイトを強いられている警官の便宜を計るため、週三日制と四日制 を採用した。 残った四
日と三日にまとまったアルバイトで生活を補助できると好評だった。
 
ところが、一日十時間から十二時間という長時間の勤務は無理があるのではないかという声が出ており、実
際に疲れ果てて交通事故を起こした警官もいることから同制度の見直しを検討した。 「現行制度に慣れた
警官が、アルバイト(パートタイム)でかなり大きな比重の収入を得ていることは分かる。 しかし、警察官がオ
ーバー・ワークで責務を果たせない状況は市民の信頼を失うことになる。 元の一日、八時間、五日制が市
民に安心感を与えるサービスができる。 五日制導入により、多くの警官はパートタイムの仕事が出来なくな
る。 その収入減額分は増給で補えるよう努力する」と、コレア署長は理解を求めた。 逆戻りは遅くとも七月
上旬に施行される。
 
HPDの一日八時間、週五日制に逆戻りし、多くの警官が不満を表明している という情報は早くも全国に
流れ、全国警察官リクルート社は、三月二十八〜三十日の三日間、ホノルルで引き抜き説明会を催すと
発表した。 同リクルート社はワシントン州シアトル市郊外の地方自治体が、十六人の警察官を募集してい
ると、ホノルルで説明会を開催する。 「同自治体は給与もホノルルよりは高いし、週四日制だ」と引き抜き
に自信を示している。 HPDの二千二百人の警官の中、三日利用は千百人、四日制は百六十五人が採
用している。
 
* ホノルル空港の大広告板を撤去、移動
ホノルル国際空港ビルの壁に掲示されていた大きな宣伝広告板が撤去された。 同空港のビルの壁には四
枚の広告板が、フリー・ウェイから見える場所に掲示されていた。 同掲示は、ハワイ州の看板規制法に触れ
るとアウトドア・サーク ルがホノルル市政府に提訴した。ホノルル市の担当各局は直ちに空港課長に連絡を
取り一部を撤去、残りの三枚は駐車場内に別掲示した。
 
同空港は広告板の掲示により、年間一万六千二百四十ドルの掲示料金を受け取 っており、これらの収入
は予算に組み込まれており、失うことは出来ないと掲 示場所を移動することでスポンサー側に納得してもら
った。 駐車場内であれば一般公道利用者には目に入らないとアウトドア・サークルも合意した。
 
アウトドア・サークルは同時にホノルル市の十一の駐車施設の刑事法違反を通 告、協議の結果、八か所で
撤去、ニール・プレイスデル・センター、アリイ・ プレイス、ハーバー・コートの三駐車場は撤去から除外された。
看板規制の取 締が近年励行されていないとアウトドア・サークル。 同規制は古い習慣だと早期の見直しをと
運動を続けているのが看板製作業界である。
  
* 州下院がガス・キャップ法廃止案を提出 --- 州上院は修正案成立へ 
第二十三州議会は六週間目に入るが、昨年九月一日の施行されたガス・キャッ プ法(ガソリン卸売価格統
制法)の見直しを巡る州議会内の対立が表面化して きた。 ハワイ州内のガソリン高騰から、州議会は価格
統制を卸売価格にかけ、州内のガソリン価格の低下の実現を計った。 しかしガソリンの小売価格は相変わ
らず、全国一を続けた。 州議会野党(民主党)の十二人の議員は価格低下につながらないガス・キャップ法
の撤廃を求める法案を提出した。 同法案には、価格統制に反対する与党(共和党)の十人の議員も創案
者に加わった。
 
これに対し、州上院のロン・メノウ上議(民、ミリラニ、ワイピオ、第十七区選出)は、「ガス・キャップ法は創案
時の思惑通り功を奏していない。 といって廃案はダメだ。同法の修正案を成立させれば、価格低下の結果
が出る」と修 正案を提出した。 その修正案は、現行法の卸売価格を米国内のニューヨーク、 ロサンゼルス、
湾岸地区の三か所の最低卸売価格にスライドさせたものと、東南アジアのインドネシア取引所の卸売価格
を加えて、最低価格の低下を求める もの。同取引所の導入で卸売価格は最低一ガロン当たり十六セント
低下する、と効果を強調している。ロバート・ブンダ上院議長も、現段階でのガス・キャ ップ法廃案は時期焦
早であると修正案の審議を主張している。
 
* 交通違反者の罰金を50 %引き上げ? --- 州下院で自治体援助金調達案提出 
ハワイ州内の警察官が交通規制を取り締り、その罰金は全て州政府の一般会計に徴収されているが、この
現状は不公平だとして、罰金を五〇%引き揚げ、その分を各自治体に配付すると云う法案が州下院に提出
された。
 
交通違反を取締る警察官の給与は全て各市郡政府が負担するが、払い込まれた罰金は全て州政府が徴
収すると云う事態は、立州以来四十五年続いている。 ホノルル、ハワイ、マウイ、カウアイの市長及び郡長は、
これまでも同罰金の配分を州議会に要請してきた。 州下院のトミー・ワターズ下議(民、ワイマナロ、ラニカイ、
第五十一区選出)は過去三年間、罰金の分配案を提出してきたが、 いずれも委員会の段階で廃案となった。
今年は新聞紙上で大きく取り上げられれば、市民の意見も、政治制度の不公平も議論されると、罰金の上に
五〇%の課徴金を取り、この課徴金は市郡政府に与えると画期的な法案を提出した。 同案は、ワターズ下
議の要望通り、英字紙の一面トップで取り上げられた。
 
交通規制違反車が払う罰金は複雑で、罰金の他に管理経費と云うのが含まれて いる。例えば、
 ・ 赤信号無視の違反車は罰金は五十ドル、管理経費に四十ドル、運転教育費に 七ドル合計九十七ドルが
    現行徴収額である。新法案の五〇%の課徴金を加えら れると罰金の五〇%、つまり二十五ドルが上乗せ
    され、総額百二十二ドルとなる。
 ・ 身障者用パーキングに違法駐車すると、罰金二百五十ドルと管理経費十ドル の二百六十ドルだが、新案
    になると百二十五ドルが上乗せされて三百八十五ド ルとなる。
 ・ 駐車違反は十二ドル五十セントから十七ドル五十セントになる。 
 
つまり罰金の五〇%が課徴金として徴収され、上乗せ分全てが市郡政府に配分される。 二〇〇五年前会
計年度の違反件数は四十七万件。 支払われた罰金(諸経費含む)は千五百八十万ドルだった。 この件数
に当てはめて試算すると七百 五十万ドルが市郡政府に分配されることになる。 一方、上院でも市郡政府に
交通違反金に一〇%の課徴金徴収案が計上されている。 上院案では年間百六十万ドルを四市郡政府が
分配することになる。
 
* ハワイアン・テレコム8月からテレビ事業へ進出 --- オーシャニックにライバル出現
ハワイ州内の電話事業最大手のハワイアン・テレコム社が、テレビ業界への進出計画を明らかにした。 来る
八月頃からハワイアン・テレコム社(HT)独自の光ファイバーを利用してテレビのマルチ・チャンネル事業を開
始する。 テレビ・マルチ・チャンネル事業はタイムワーナー・オーシャニックケーブル社 (TWOC)がハワイ全
域の四分の三を独占している。 HTはTWOCの独占市場に進出するもので、どこまで市場の切り崩しができ
るか注目される。
 
ハワイのテレビ・マルチ・チャンネル事業はTWOCの他に通信衛星から直接キャッチするディシュ・ネットワー
ク社とダイレクTV社が参入しており、TWOC社の市場シェアは年々減少しているが、依然として六九・四%
を占有し ている。
 
TWOC社は光ファイバーの設置がハワイで最も早く、デジタル化も他社より 早く着手した。 一度に六倍以
上の情報が早く送信出来る光ファイバーはテレビ、インターネット、電話のライン(往復)が六本入っており、
情報通信の革命技術と言われた。 TWOC社は光ファイバーの早期敷設工事着手は他社より早くハワイ市
場の独占を果たした。
 
ハワイアン電話会社もTWOC社より早くデジタル化に着目したが、会社の売買が行われたことにより、その
進展がさまたげられてきた。 ハワイアン電話会社からヴェライゾン社へ、そして昨年十七億ドルでカーライル・
グループが買収、社名もハワイアン・テレコムと改名した。 FCC(連邦通信管理委員会)の規制緩和に伴
い、ラジオ、テレビ、インターネット、電話の垣根がはずされ、多くの会社は新事業に進出した。 TWOC社の
電話事業進出が去年行われ、今回はHT社のテレビ界進出となった。 HT社の進出で受信料の価格引き
下げ競争の激化が予想され、消費者には朗報と言われている。
 
TWOC社はアナログ用の チャンネルの基本料金は四十一ドル七十セント (月極)チャンネルのデジタル・サ
ービスは五十二ドル七十セント(同)とな っている。 HT社の新料金は公表されていないが、同社の米本土で
もデジタル 料金は三十五ドル(月極)だから、もし同額だとするとTWOC社は大幅な料 金引き下げを強いら
れる。 HT社のデジタル・サービスはセット・トップ・ボ ックスのレンタルが含まれる。アナログ・サービスはない。
 
* オアフ島のバス・ストップ削減プラン --- 4月1日からカピオラニ通りは 3分の1カットへ
ホノルル市内のバス停留所(ストップ)が、三十五年ぶりに大幅に削減される。 ホノルル市公衆輸送課は、
利用が低いバス・ストップを削減することで、燃料費の節約、路線交通のスピード化を図りたいと削減計画
を発表した。
 
最初はカピオラニ大通りで四十四か所のバス・ストップの三分の一の十三か所が削減される。 去る二月三
日行われたマカレー・モイリリ・ネイバーフッド・ ボードの説明会で、「マカレー地区には最も多くの高齢者(シ
ニア・シチズン)が住んでいる。 バス・ストップの削減は高齢者に大きな影響を与える。 市当局は十分な調
査をした後の削減措置なのか」との市民からの質問に対し、「市場 調査は莫大な予算がかかる。 関係各
局の市の職員の意見を集約した。シニア・ シチズン・センターとかホームの近くのバス・ストップは減らしてい
ない」と、職員は述べた。
 
カピオラニ大通りのバス・ストップには三月一日から停留所の廃止通知が英語 で掲示される。 同提示には
クレイム用の電話番号が記載されている。 一か月間に予想以上のクレイムがなければ四月一日から実施
される。 オアフ島には四千三百か所のバス・ストップがあり、五百二十五台のザ・バスが毎日二十二万人の
足となっている。 カピオラニを手始めに、キング、ベレタニア、ワイアラエ、スクールと地域的に進められる予定。
 
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● 大下治心の世相やぶにらみ
   * ゴミ埋立地の2年後閉鎖案成立 --- 市長は物理的に無理と反論
   * デイモン財団の解体
* ゴミ埋立地の2年後閉鎖案成立 --- 市長は物理的に無理と反論
ホノルル市議会は去る二月十五日の常例会議でリーワードにあるワイマナロ・ リッジのゴミ埋立地の期限
を二〇〇八年度以内とすると云う法案を七対二で可決、市長に送付しました。 市長は拒否権を行使する
準備を進めてます。 ハネマン市長も同埋立地の早期中止を公約にしていましたが、代替施設の準備が進
まず、物理的に同埋立地利用の延長しかない事態を招いています。 どんなに急ピッチで進めてもホノルル
市の都市ゴミを処理する設備の導入は間に合わなくなったのです。 それにこの三年間のホノルル市の都
市ゴミは一日、三千トンに達する状態になったのです。
 
いまのHパワー(ゴミ処理設備)は一日、最大で二千トンの処理能力しかありません。 そのHパワーも三年
間に約六十日間は整備期間が必要で動かないのです。 ワイマナロ埋立地は予定の二倍の早さでゴミが捨
てられています。 Hパワーも埋立地も民間業者に運営がまかされています。 このまま続けば充分な運営利
益はあります。 公団だから経常赤字が出れば料金の値上げをすれば良い訳ですから安心です。
 
Hパワーにしても他に競争がないのですから独占企業です。 設備が古くなっても実働者には関係ないし、よ
り多くのゴミが埋立地に回ろうが、職場は安泰です。 こんな状況の改善は当然、市行政当局(環境サービス
課)がゴミ行政の将来を予期して必要な新技術導入を提起しなければならないのですが、それが行 われて
いません。 環境サービス課長職というのは目立たない職でそんな課の存 在すら知らない人が多いと思いま
す。 市長の任命職です。過去十五年間で同課長職についたのは代行を含んで三人だけです。 と云うことは
ゴミ、下水に関する学術関係者が任命されてきました。
 
彼らには当面ある設備の技術点検をすることが精々で、ゴミ問題、下水処理がいかに重要な社会問題かに
気づかなかったのではないでしょうか。 否、そんなことに気づいては困るとして何もさせなかった行政権の
責任は市長にあると思います。 ハリス前市長こそ、その諸悪の根源で十年間も行政長をやって結局、市民
の衛生行政と云うもっとも重要なサービスを怠ったのです。 歳入不足で予 算編成が困難なときに下水処理
費として積み立てた基金から浄財を一般会計にまわすと云う違法なことを平気でやってのけた前市長にいま
さら何を言っても手遅れなのですが、つくづく腹が立ちます。
 
さて本題に戻りますが、代替施設(技術)の導入は二〇〇八年までにはどうしてもムリな状況下にもかかわ
らず、市議会は期限厳守を市長に要求したのです。 これには政治家独特のウラがあるのでしょうか。ムリを
承知で法案を成立させ た市議会の意図は、「ゴミ行政の危機感を持っていない」行政部にウェーク・ アップ
・コールを送ったと見るべきでしょう。
 
同市議会はすでに去年の今会計年度予算審議で、Hパワーに代わる三千五百万 ドルのゴミ設備パイロット
計画の導入を決定しました。 しかし、導入計画は何 もしないまま、今会計年度が終ろうとしています。 この
ままでいけば、同計画の導入は期限切れになります。 もっとも、いまパイロット計画を導入するより、即本番
の大型代替技術の導入をした方が良いと云う意見もあります。 パイロット計画は期限切れで流れる場合も
ありますが、その辺は市長と議会の裁量にかかることになります。 ハネマン市長も市議会議員もゴミ処理で
は同じ方向に向いています。
 
ここで市長が「よーし、やろう。その代わり、市議会は三億ドル以上の資金を 用意してくれ」と、市長が同法
案の意図に呼応したらゴミ行政も大きな前進 をすることになるのですがネ。 代替技術の導入には今のホノ
ルル市の量を処分するには最低三億ドルがかかります。 すでに市債券の支払額が、年間予算の二〇%近
くを占める現状では、企業に肩代わりしてもらうしかないのです。 マス・ トランジット公道整備も加えると前市
長から受け継いだ荷物は大きなものばかり。 ハネマン市長があの大柄の体で大局から対処してくれたら歴
史に残る名市長になれると思うんですが、それもこれもやはり市民の後押しが必要です。
 
追伸として書いておきますが、ホノルル市は埋立地管理の怠慢でハワイ州衛生局から二百八十万ドルの罰
金を言い渡されました。 連邦政府からも下水処理怠慢で提訴されています。 空カン、ボトル、グリーンゴミの
リサイクルと部分的には何か善処している様には見えますが、基本となるゴミと下水がガタガタでは近代社
会都市としての行政管理がズサンだと指摘されても仕方がないでしょう。 それに、コンド、アパートのゴミ収
集は、民間業者により有料で行われ、一戸建て住宅のゴミは無料で収集されている不公平な行政は是正
されるべきでしょう。
 
* デイモン財団の解体
州最高裁は二月十六日デイモン財団の相続人、二十人に最終相続額の分配を言い渡しました。 それに
よりますと、カリフォルニア州に住むシャロン・エドワードさん(59才)とメデライン・ウライトさん(58才)の二人は
各々一億ドルずつ相続し、残り十八人は残りの約二億ドルを十八等分するとしました。 これでデイモン財団
は八十年余りの財団歴史に終止符を打ちました。
 
同財団は一九二四年にヨーロッパから移民、サミュエル・ミス・デイモン氏が 死去した時に、同氏が所有する
十二万エーカーの土地の管理を財団に委託しました。 遺言で直系の最後の孫が死去するまで財団運営す
るとし、最後の孫が死亡した時に財団資産を分割するとなっていました。 分割方法は法律に基づくことなって
いました。 デイモン家の資産はサミュエルさんの経理能力をかわれ、バーニーズ・パウアヒ・ビショップ妃の財
産管理をまかされていました。 その報酬として巨大な土地を譲渡され資産家となりましたが、現ファースト・ハ
ワイアン銀行の前身銀行を設立し、金融機関の長として社会的地位も得ました。
 
サミュエル・デーモン氏の最後のお孫さんと云えば、ジョーン・デイモンさん で二〇〇四年、八十四才でなくな
りました。 その時点から財団解体への作業が始まりました。 解体ですから、全ての資産の売却、現金化から
始まりました。 最初に片付いたのはファーストハワイアン銀行の株券でした。 全てを銀行が五億ドルで買い取
りました。 その他は不動産の処分です。 トリプラー陸軍病院からモアナルナ谷、モアナルナ工農地帯から海
岸に至る十二万エーカーは相次いで売却されていきました。 最終的にはモアナルア公園をどうするか決着は
ついていません。 同公園は日本の日立グループのテレビ広告でお馴染みのモンキー ・ポッドの木で有名です。
 
さてお金持ちの一族ですから相続はスムーズにいったと思われたいのですが横槍が入りました。 曽孫は確か
に十八人いました。 ところが、その中二人は死去しています。 その二人には各々二人の子供がいるので数的
には二十人の相続者がいる訳です。 ただ数の上では二十人ですから二十人が平等に分ければと主張 したの
が二十人の中の一人。 というのは最初の相続額はシャロンさんメデライ ンさんに四倍以上の額が渡されたの
です。
 
そのため、四分の一しか受け取らなかった曽孫の一人が公平ではないと訴えました。 州巡回裁では分割は
近代法に照らしても平等だと裁決。原告は判決を不服として上告。 州最高裁は巡回裁判決を妥当と支持し、
原告の主張を棄却しました。 確かに相続人は二十人いますが、二十人の内訳が異なるのです。サミュエル
氏には二人の息子がいました。 エドワードさんとヘンリーさん。エド ワードさんは一人の息子なのにヘンリー
さんは四人の子供がいました。 エドワ ードさんの息子レニーさんには四人の子供が生まれたのに対し、ヘンリ
ーさんの四人の子供は十四人の子供を生んだのです。
 
財産相続はサミュエルさんの二人の息子で二等分され、五〇%はエドワードさんの遺族が相続し、しかも四人
の曾孫の中、生存しているシャロンさんとメデラインさんが五〇%の半額を二分し、彼女たちの四人の姪や甥は
残り五〇%を四等分する。 一方ヘンリーさん側の十四人の相続人は総資産の五〇%を十四等分することに
なると裁判所を下したもの。 シャロンさんとメデラインさんは九 億ドルと言われる総資産の中で一億ドル以上を
受けますが、他の相続人は一人当たり二千五百万ドルぐらいになるそうです。 ハワイで五番目の財団の後始末
でした。
 
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