バックナンバー: 2006年 2月 1日
● トップ: ハワイでビジネスを始める人へのアドバイス
   日米両方の法律に詳しい弁護士
   クリーグ・P・ワグニルド氏に聞く
● ハワイは今
 * 第23州議会が開幕 --- 14年ぶりの余剰資金をどう使うか?
 * ケース下議、国会上院に出馬 --- 民主党の二分裂はあるのか? 
 * 消費税増加分の徴収は誰が担当? --- マス・トランジット案に黄信号
 * 国会下議選に早くも5人が出馬表明 --- ヒロノ前州知事、ハナブサ上議も 
 * ホノルル市政100周年 --- 3月30日〜4月2日、ファミリー・フェスティバルを催す
 * ワイメア谷は、OHAの所有へ --- 1,410万ドルで合意 
 * カハラ・マンダリン・オリエンタル・ハワイが新しい経営運営会社により「ザ・カハラ」に改名
バックナンバー: 2006年 2月 1日
● トップ: ハワイでビジネスを始める人へのアドバイス
    日米両方の法律に詳しい弁護士 クリーグ・P・ワグニルド 氏に聞く
日本経済に回復の兆しが見えてきたことやハワイ観光業の好調が追い風 となり、最近はハワイでビジネス
を立ち上げたいと希望する人も増えて きた。 しかし現実には、計画性の甘さから失敗に終わる例も少なく
ない。 お店を出したが半年で撤退、中にはカミングスーンの看板だけあるまま、開店までこぎつけなかった
店もある。
では日本人がハワイでビジネスを始めるには、どのような点に注意しなけ ればならないのか、日本とアメリカ
ではビジネス法律にどのような違いが あるのか、長年日本に住み、日米両方の法律に詳しい弁護士、クレ
ーグ・P・ワグニルド氏 (Craig P. Wagnild) に会社を運営していく上でのアドバイスを聞いた。
 
− 日本人がハワイで会社を立ち上げる場合、どのようなことに注意したら いいでしょうか。またどんな
違いがあるのでしょうか。
W− 様々な違いがあげられますが、大きな違いは三つあります。 
(1)まずは会社を設立するための人数です。 日本の場合は会社を作るには、一定の人数が必要ですが、
アメリカの場合 一人で会社を立ち上げることができます。 会社という形をとらないで仕事 をしていくことも
できますが、多分に会社という形態をとっているほうが 有利だと思います。 アメリカの場合、皆さんもご存
知の通り訴訟が多い。
例えば何かを製造して販売した場合でも、欠陥が出た場合、訴訟問題に発 展します。 それを解決するた
めには莫大なお金と時間がかかり、大きな負担となります。 こうした際、事業設立をしていたほうが、負担
を少なくすることができます。
 
もう少し具体的に説明しましょう。 事業から債務が発生した場合、基本的に債権者が回収出来るのは会社
の財産だけで、個人の財産から回収することは出来ません。 債権者が個人の財産から債務を回収しようと
する場合、裁判所は色々なことを考慮しますが、その一つは「会社」と「個人」がしっかり分かれているかど
うかです。
例えば個人が自分の財産と会社の財産を混同した場合には、個人の財産が 会社の財産と見なされる可
能性が高いでしょう。 しかし逆に「会社」と「個人」がはっきりと分かれている場合には、そう見なされる可
能性が低 くなります。 したがって個人の生活や財産を確保するという意味で、個 人経営で仕事をするより
も会社という形にしたほうが、メリットがあります。 しかしその場合には、個人と会社の線引きをしっかりして
おかなければなりません。
 
(2)次は税法上の問題です。 アメリカの場合は、連邦と州、二段階の制度があります。 この二つはかなり
複雑です。 ですから会計士や税法を専門とする弁護士を最初から雇ったほうがいいと思います。
 
(3)三番目は、不動産に関してです。  ご存知のように、アメリカでは殆どが会社と住居を別に分けています。
日本 のような一階が店舗で二階が住居という場所は見かけません。 アメリカ人の場合は、自分の家の隣で
事業を行われたら迷惑に感じる人も多いでしょう。 社会問題が起こってくるという考えもあり、州や市によって
法律は違ってきますが、会社と住居を分けることが一般的です。
 
アメリカでは土地利用に関しての法律も、不動産についての法律もとても複雑です。 リース契約の場合にも、
書類は分厚いものになります。 日本に比べ、その項目は細かく交渉されます。 最初の交渉から細かく決め
ていかなと、後々不利な状況になることもありえます。 不動産に関しては特に、言語の問題もあります。 私
は日米の不動産を比較してみてきましたが、アメリカのほうが複雑に感じますし、アメリカ人にとっても専門
用語が多すぎて、書類の内容を把握できないこともたくさんあります。 ましてや日本の方にとって、そうした
書類は大変な負担になると思います。
 
− アメリカと日本との、会社を立ち上げる、続ける上での法律上の違いに どんなことがあげられますか。
W− この質問にも、三つのポイントが挙げられます。
 (1)株式会社はコーポレーション、合名会社ならパートナーシップというように、そうした名前だけを見てみると、
日本とアメリカは同じようなイメ ージがありますが、アメリカの場合はそれら以外の事業形態があります。 例え
ば約九年前に作られたLLC(リミテット・ライアビリティー・カンパニー)という形態がそれに当たり、日本にはあ
りません。
なぜそうしたものが作られたかと言いますと、アメリカの場合は一人でも会 社を起こせますが、こうした小さな
企業なら株式会社のような事業形態をとらなくてもいいわけです。 例えば株式会社の場合、株主が取締役を
選出し、取締役が役員を選出するという形式的な段階を踏むことが必要で、取締役には会社の管理、役員に
は毎日の会社運営を行うというそれぞれの義務があり ます。しかし一人で起こした株式会社で取締役や役員
を選出したり、株主総会を開いたりすることは理にかなわないわけです。
他にはLLP(リミテッド・ライアビリティー・パートナーシップ)、LLL P(リミテッド・ライアビリティー・リミテッド・パー
トナーシップ)などが あります。 これはアメリカが新しく事業を立ち上げようとする人に、より門 戸を開いている
からとも言えます。 こうした事業形態は税法上でもメリットがあります。 通常のCコーポレーションの場合、税金
は二段階で徴収されます。  まず会社に利益がある場合、勿論税金を払わなくてはなりません。 またA社の株
主が配当金を受け取る場合、配当金に関して税金を支払う必要があります。 これは当たり前の話です。
しかし一人でCコーポレーションを設立した場合、会社の利益及び株の利益、二回税金を払わなくてはなりませ
ん。 それを回避するために、いくつかの事業 形態があるのです。 つまり会社の利益が個人の利益として認め
られることで、税法上事業主に有利になる場合があるわけです。 一つ一つの会社によって、C コーポレーション
がいいのか、LLCなのかLLLPなのか、最適なものは違ってきますので、そうした際に会計士や税法に詳しい
弁護士が必要になってき ます。
 
(2)日米の会社の経営は一緒ですが、アメリカでは自分の経営の仕方を記録する必要があります。 日本では、
一人でビジネスを行っている場合、あまり記録ということに注意をしていないことがあります。 以前はこんな風に
仕事をしていたけれど、今は仕事の形態を少し変えたというようなことはよくあります し、わざわざその度に記録
をしているとも限りません。
アメリカの場合は、先ほどお話した事業と個人を分けるためには、記録しなく てはならないのです。個人のお金
と会社のお金をしっかり分け、記録に取って おくことも必要です。 アメリカに長年住んでいる方には当たり前の
ことですが、日本から新規で事業をされる方の中には、そうした意識の少ない方も少なくありません。 私達は会
社を立ち上げる前に、こうした日米間の違いを説明しておかなければなりません。
会社の記録をとることはとても大切です。 例を挙げて見ますと、資本金の少ない会社が訴えられ、会社を起こし
た個人に資産が沢山ある場合、訴えた側は会社から回収できない分を個人の資産から回収しようとする可能
性があります。 そうした時に、しっかりと記録を残し、会社と個人資産を明確にしておけば、 個人資産まで取ら
れる可能性は低くなるでしょう。 アメリカで日本人がビジネ スをはじめる場合、大半は小規模または一人で行う
場合が多いです。 その時に、 この記録をつけておくという方法は大切です。 他の会社との契約や取引、商談
など、このつけ方も専門家に聞いたほうがよいでしょう。
 
(3)アメリカと日本では、雇用者と従業者の関係が違います。 アメリカの場合は税金と同じように、二段階の
法律制度があります。 連邦法と州法、共に必 要になります。 また日本に比べると、雇用法は従業員を守る
ために作られているという感があります。 雇用者の立場から見ると、これをかなりアンフェアー に感じるかもし
れません。 日本の会社形態になれている方には、「そんなこと まで」と驚かれる場合もあります。 日本人のク
ライアントさんからは、雇用法の上で訴訟が起きそう、または問題が出てきたという相談はよくありますね。 日
本で何十年も会社を経営し、従業員も沢山抱えている方でも、日本と同じよ うに行ったことが、アメリカの雇用
法違反になる場合もあります。 日本の方によく知っておいていただきたいのは、アメリカの雇用法は厳しいだ
けでなく、罰も重いということです。
 
日本にもセクハラについての法律はありますが、アメリカの場合はこの法律の歴史も長いですし、かなり厳しいも
のになっています。 セクハラとはAさんからBさんに、何らかの行為・言葉の上でセクハラを行ったというイメージ
が、日本の方にはあると思います。しかしそれだけではありません。 例えば会社のコンピューターでAさんが、職
場に不適切なホームページを見ていたとします。 日本なら笑ってすまされるかもしれませんが、アメリカの場合、
それ自体、他の人からセクハラのクレームとして出てくる場合もあります。 雇用者は、そのセクハラに対しての責
任があります。 ホームページを見ていたAさんに注意をし なければならない。 責任があるということは、もし改善
されない場合は、雇用主が訴訟を起こされることもあります。 雇用者の責任は、アメリカの場合かなり重いという
ことです。
 
人種、性別、年齢、宗教、皮膚の色、先祖、障害、婚姻関係、逮捕歴に対する差別が禁止されているのと
同様、同性愛者に対する差別も勿論禁止されています。 同性愛者だからといって採用しない、解雇すると
いうことはできません。 また従業員の解雇はもちろん正当な理由に基づいていなければなりませんし、その
理由もはっきりと本人に提示しなければなりません。それにもかかわらず、「差別で辞めさせられた」と、訴訟
を起こされたケースもあります。
 
− 会計やTAXでも違いがありますか。
W− 先ほども少しお話しましたが、連邦法・州法、また従業員に関しての税金 の責任があり、それも複雑です
ので、会計・税法の専門家を設立当初から雇った ほうがよいといえます。早くから計画することが特に大切です。
税金を支払う時期になって、前年度について会計士に見てもらっても、それは計算をしてもらう に過ぎません。
「寄付をする、従業員のためのペンションプランにお金を使う」といったことで所得控除を受けられる可能性もあり
ますが、そのためには最初に 自分の会社にあった方法を計画しなければなりません。 早めに相談することが大
切ですね。
 
− 日本人クライアントは、どの様な会社つくることが多いですか。
W− 会社形式で言いますと、圧倒的に株式会社が多いです。それは日本と似ていて運営しやすいというイメー
ジがあるからでしょう。 しかし、実際にその人に あった会社の形であるかどうかは、わかりません。LLCのほう
が、その人に合っているかもしれません。 それは今後どのような会社になって欲しいかというビジョンによって
変わってきます。 LLCから株式会社に変更することもできますが、時間もお金もかかりますから、最初から目的
に沿っていたほうがよいでしょう。 例えば将来会社を大きくし、株式上場まで視野に入れているならば、LLC に
しないほうがいいでしょう。 LLCは株式会社でないので、株はありません。 また税金のことを考慮した場合、同
じコーポレーションでもCコーポレーション でなくSコーポレーションという形を取れば、先述の二段階の税金を避
けられる場合もあります。
実際は会社を設立するのに、弁護士は必要ありません。しかし将来何かの問題が起きてくる可能性もあります。
一人の会社の場合は内部で紛争がおきるというこ とはありませんが、メンバーが二人以上の場合はその中から
問題になることがよくあります。 メンバーの中でどういった規約があるか、それを弁護士が作るわけです。 これは
弁護士の仕事です。 それも州によって違いが出てきますから、その州で仕事をしている弁護士を雇ったほうがい
いです。
 
− 実際に日本人のクライアントからは、どのような相談が多いですか。
W− 日本の方は、たいていがサービス業を立ち上げますね。 レストランや現地向けに日本のものを売るという
商売です。 日本人向けの会社も多いです。 これも三つに分けられます。
(1)商業契約に関してです。 相手が払ってくれない、やってくれない。そうした場合、契約自体があいまいな言
葉で書かれていることがあります。 言葉が色々な意味に取れるので、相手方と こちらの取り方が違い、問題に
なります。 私共が言っていることは、「商業契約 を結ぶ前に、我々に契約書を見せてください」ということです。
そうすればアドバイスもできますし、交渉の手伝いもできます。 また実際に手伝わなくても、「この表現ではこの
部分で問題が出てくる可能性があるので、こう表現を変えてください」と言えます。
日本の方してみれば、こうした契約が全て英語なのですから、本当に大変です。 商業契約などは、第一言語が
英語のアメリカ人にとっても大変で専門家に見ても らうのですから、第一言語の違う人たちにとっては事前に専
門家に見せることは必須です。 契約を結ぶ時は、問題はないのです。 後々その契約書に沿って、双方 の言い
分が変わってくるのです。 我々の仕事は、その契約書が後にどんな問題を起こす可能性があるかを調べること
です。
 
(2)不動産売買やリース契約についての相談です。 この部分も契約前に文書を見ていれば解決したかもしれな
いことはよくあります。 リース契約というのは貸主と借主の関係を規定するものですから、例えば水が出 ない、
電気サービスが来ていないといった場合、双方にどんな義務や権利があるのかが書かれているわけです。 また
隣接テナントと色々なトラブルが起こるケー スもよくありますが、この場合もリース契約をもとに解決を図ります。
 
(3)会社の経営の仕方や、雇用法に基づく相談です。 日本人が会社の株主の中の一人という場合です。 殆ど
の日本人の場合会社を作る 時に、現地の状況をよく知るアメリカ人をパートナーとします。 日本人は日本に住み
ながら、実際の経営はパートナーに任しているという場合も少なくありません。 例えば多額の出資をしているの
にまったく収益が上がらないといった場合、本当にパートナーを信用していいのかという問題が出てきます。 実
際に一人が辞める、または二人が事業を辞めましょうということになって、会社設立時の文書に辞め方まで明記
していれば問題はありませんが、明記されていなければ紛争になることもあります。
 
雇用法についても、相談は多いです。 日本の場合、女性が妊娠して子供ができる と、なんとなくその人をやめ
させる方向に持っていく会社は今でもあります。 しかしこれはアメリカでは、違法行為です。 女性が自ら望んで
退職するなら別ですが、法律では産休を取っていた女性は、休む前と同じ仕事に戻ることになっています。 
ですから雇用者は、産休期間中、パートの人を探さなければなりません。 その仕事に特別なスキルがいるとか、
長期のトレーニングがいる場合は、雇用者 にとってかなり負担になります。
 
またハワイに不動産を持っている日本人は沢山いますので、そうした中で相談を 受ける場合もあります。 例え
ば不動産を持っている日本の方が亡くなってしまっ た場合、どうした手続きが必要になるのか。 これは亡くなっ
た方が、アメリカか日本、どちらに居住していたかによって大きく変わってきます。 アメリカに住んでいれば、こ
ちらで主要な手続きをすることになります。 日本に住んでいる場合 は、日本で主要な手続きをした後、アメリカ
での手続きとなります。 アメリカに住んでいた場合は、まず遺言が重視されます。 日本で住んでいた場合も遺
言を重視しますが、まずは日本の資産、アメリカの不動産ともに財産としてまとめてみて、その中で奥さんにど
のくらい、子供達にどうということが決定し、その後、アメリカでの手続きとなります。
 
− その他に日本人にアドバイスすることはありますか。
W− 私共から見ますと、日本の方はあまり計画を立てずに「ハワイで仕事をしたいから」「ハワイに会社を持ち
たいから」という希望が先行して、計画を立てな い方が多く感じます。 計画を立てて、日米の違いを知っていれ
ばこんなことにはならなかったのにというケースも沢山あることが残念です。
日本の方は、アメリカ人よりどうしても弁護士という存在を遠く感じているよう です。 そこで問題が出てきても、
小さなうちは相談せず、問題がこじれてから相談される場合が多いです。 しかしこれも、問題が発生した小さな
時点で相談してもらえれば、解決できたという例も沢山あります。
また当たり前のことですが、ここはアメリカであり、日本の常識がそのまま通用するわけではないということも、
最初に認識してほしいところです。 例を挙げますと、日本の方が訴訟問題を起こし、自分が100%あっている
と信じる場合、必ず「勝つ」という印象を持っています。 しかしアメリカの法律制度では、「和解」が圧倒的に多
いのです。 70対30という結果が出た場合、アメリカの方なら、「自分の主張が認められた」と理解しますが、
日本の方の場合は「向こうが悪いのに、なぜ全面勝訴ではないんだ」ということになり、最後まで闘おうとします。
しかしそうした場合は、時間もかかりますし弁護士料も増えるばかりです。 結局誰もが損をした印象になります。
和解という形でも、自分の意見がある程度認められたならば、それで良しとすることも大切です。
 
− 最後に弁護士の選び方をアドバイスしてください。
W− 弁護士は裁判のためにあるのではなく、裁判を起こさないよう問題を事前に回避するためにあると考えて
ください。 そしてアメリカ人の弁護士であっても、 日本人の弁護士であっても、クライアントの話を良く聞いてく
れる弁護士が良心的 だと思います。 またクライアントが話している事の後ろにある大切な部分を見分け られる
こと。 特に会社設立の際に雇う弁護士は、会社の長期のビジョンを明確にし、書類の中にその目的がしっかり
入っているかということを、見極められることが大切です。 今後も日本の方がハワイで会社を立ち上げるというケ
ースは増えていくと思います。 アメリカはそうした開拓精神を応援する土壌があります。 そうした意味でも、是非
皆さんに頑張ってもらいたいと思っています。
 
● クレーグ・P・ワグニルド弁護士
    ベイズ・ディーバー・ラング・ローズ・馬場法律事務所
    電話: 523-9000
    ホームページ: www.legalhawaii.com
ウィスコンシン州出身、オレゴン州にあるウィラメット法律大学院で法律を学びな がら日本の東京国際大学に
留学、その後テンプル大学のジャパンプログラムで日本の法律を学ぶ。一九九六年にはワシントン法律大学
院で日本法を学び法学修士号 (LLM)を取得。現在日系四世で小児科医の奥さんと、もうすぐ二歳になる
愛息子と三人暮らし。
 
★ 免責条項:
この記事は法律的なアドバイスとして意図・提供されたものではありま せん。この記事は情報目的だけのた
めに作成されたもので、どんな特定の件に関する法律アドバイスでも法的意見でもありません。またこの情
報の伝達・受領により弁護士と依頼人の関係は発生しません。読者は専門家の意見を求めずにこの記事の
情報に基づいて行動したり、行動を怠るべきではありません。またこの記事の内容 に基づいて法的事件に
関する行動をしたり、行動を怠るべきではありません。
 
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● ハワイは今
 * 第23州議会が開幕 --- 14年ぶりの余剰資金をどう使うか?
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 * ワイメア谷は、OHAの所有へ --- 1,410万ドルで合意 
 * カハラ・マンダリン・オリエンタル・ハワイが新しい経営運営会社により「ザ・カハラ」に改名
* 第23州議会が開幕 --- 14年ぶりの余剰資金をどう使うか? 
第二十三州議会が一月十八日開幕した。四十年ぶりに共和党に政権をもたらしたリンダ・リングル州知事に
とっては四年目の最終年。 州議会は単年予算ではなく二年間の復年予算を審議することから、州知事は
十二月暮れ、すでに九十六億ドルの二〇〇六〜〇七年の予算を計上している。
 
州下院は五十一議席中、四十一議席を、上院は二十五議席中、二十議席を野党の民主党が所有して
おり、いずれの院も安定多数(三分の二以上)の議席を持つ民主党と共和党の州知事がどう向き合って議
会に臨むのか注目されたが、ハワイ経済の好調もあって無難にこなしてき た。 そして、今年の秋の州知事
再選も当選間違いなしと言う高い支持率を州民から得ている。
 
そんな中の予算審議は五億七千四百万ドルの余剰資金を抱え、州議会も十数年ぶりの黒字財政にどう対
応するのか。 余剰資金の使い方に上下両院の民主党指導者の意見が分裂している。ロバート・ブンダ上院
議長は、「減税処分あるのみ」と税制改正を求めているのに対し、キャルビン・セイ下院議長は、「十四年ぶり
の余剰資金である。 納税者に税金の払い戻しをしたり、税制を見直すより、この十年以上ないがしろにしてい
た公立校舎の改修、公道の改修などに振り当てるべきだ」 と、全く異なる用途を提案している。
 
共和党(少数党だが与党)の二人のリーダーは共通していて、フレッ ド・ヘミングス上院院内総務と、リン・
フィネガン下院共和党指導者 は、「いまこそ高いハワイの税制を見直し、貧困者を救済すべきだ」 と、余剰
資金が出た時期に共和党の永年の政策である食品、医療品の消費税控除あるいは撤廃を呼び掛けている。
いずれにしても、納税者への還元か、税制の見直しか、あるいは両方が実現されるのか注目される。 その他、
住宅問題、ゴミ処理、マス・トランジット、教育及び 施設改修問題と課題は山積みしている。
 
* ケース下議、国会上院に出馬 --- 民主党の二分裂はあるのか? 
ハワイ州国会下院第二区選出のエド・ケース下議(民)が、今年の秋の選挙でダニエル・アカカ上議(民)の
議席を狙って出馬すると一月十九日、電撃発表、ハワイ民主党が騒然となっている。
ケース下議は州議会を経て、州知事選に出馬したが敗退した。四年前ミンク国会下議(民)の死に伴い、特
別選挙で後任下議に選出され、そして数週間後に行われた特別選挙で国会下議に選出された。 ハワイ民
主党内では穏健派だが一匹狼的な存在。 ケース下議自身、政策スタ ンスは国政派であり、ミンク元下議
の死去で国政への路が開けた。当然、視野には国会上院議席があった。
 
それでも十九日の上院選出馬は多くのハワイ民主党員を驚かせた。 今秋の国会上院選はアカカ上議の再
選である。 今年八十一歳という高齢のアカカ上議は、一九九〇年にスパーク・マツナガ上議死去に伴う空
席に任命され、以後、強力な対抗馬は現れていない。
強力な対抗馬が現われなかったと言うことは、アカカ上議の穏和な性格はハワイ州民の強い支持を得てい
たことにつながる。 高齢とはいえ、ハワイアンの先住民として権利を確立するアカカ法案の成立に十年の歳
月をかけてきた。 同法案は最終段階で上院本会議上程が難航してい るが、高齢にもかかわらず、再選を
目指す意志は法案成立に生涯をかけている気運が伺える。 国政は別世界の政治と解釈される分、州民も
アカカ法案の成立にアカカ上議抜きでは考えられない雰囲気がある。
 
そんな最終段階で若いケース下議が対抗馬として手を挙げたことに民主党分裂を危惧する声が出てきた。
「アカカ上議個人に敵対行為は一切もっていません。 でも、今国会上議に出馬することが私にとっては正しい
判断だと確信しました。 ハワイ政界にも、必要な流れだと思います」と、ケース下議は上議出馬の決意を正当
な判断だと強調した。
これに対し、アカカ上議は、「私も秋の選挙には当然、出馬します。アカカ法案も最終段階にきました。 この段
階で結末を見ないで政界を退くことは私には出来ません」と、ケース下議の挑戦を堂々と受けると表明した。 
ダニエル・イノウエ上議もニール・アバクロンビー下議もケース下議の上院出馬にはマユをひそめている。 特に
アバクロンビー下議は記者会見を開き、「アカカ上議には色々協力してきた。 今後も協力する。 アカカ上議は
国会でも多くの支持者を集めている。 ケー ス下議の今回の選択は全く遺憾である」ケース下議を非難した。
 
民主党幹部は、「ケース下議は州議会で民主党指導者の役職についたことがあるが、一期(二年)で終った。
どちらかと言えば党派党略で 行動する政治家ではない。 従って多くの民主党議員がこぞって彼のリーダーシ
ップを求めることはないが、呼応する党員は多いだろう」と 二分裂を憂慮している。 これから秋にかけての民
主党の動きが注目さ れるという。
ケース下議の上院出馬表明は、二年前の下議再選で得た得票で勝てる という票読みをしたと見られている。
国会選は州民は何を基準にして投票するのかというと、その個人の表現力が大きな基準となる。 アカ カ氏は
国会下議としても十六年間、国会上議として十六年、計三十二 年間のワシントン国会に議席を持っているが、
全国的には知名度は低 いと言われる。
絶えずイノウエ上議の影に隠れた上議と言われてきた。そんな評価を ケース下議は不満としているのだろう。
そして、今年、出馬しなけれ ば六年間待つことになるため、今回の出馬を決めたと見られる。 選挙戦に不慣
れなアカカ上議と、戦い慣れしたケース下議の決戦はハワイ の政界を大きく塗り替えようとしている。
 
* 消費税増加分の徴収は誰が担当? --- マス・トランジット案に黄信号
オアフ島のマス・トランジット計画の推進にまた黄信号が点滅している。 今度の黄信号は〇・五%の消費税の
徴収を州がやるのか、市がやるのかそれとも民営化するのかで、州議会にゲタを預けた。 当の州議会は、なぜ、
州議会に戻ってきたのか解せないと不満たらたら。
 
州議会は去年の議会でオアフ島の交通渋滞緩和策にマス・トランジッ トの導入が必要だとするホノルル市
政府の要望を受けて、地方自治体が負担する資金調達を消費税の〇・五%の課税権を与えるという法案を
成立させた。 緩和策を歓迎するホノルル市議会は同提案を受けると七対二で可決した。 同課税は二〇〇七
年一月一日施行となっている。
 
マス・トランジット案導入に賛成するハネマン市長は〇・五%の消費 税を徴収するセクションを新設すると年間
費用は五千万ドルかかると州政府に徴収を依頼した。 これに対しリングル市長は〇・五%はホノルル市が利
用するのでホノルル市が対応すべきだと拒否し、同案は州 知事の署名なくして立法化された。 以来、州、市、
州議会それに労働組合が会合を繰り返してきたが和解案に達することなく、話し合いで 解決策を求めてくれと、
州議会に責任が回ってきそうな動きとなっ た。
 
一方、ホノルル市は新課税額の年間分の一億二千万ドルをそのまま全額受けたいとする市議会と、三者三様
の意見対立で合意が出来ない。 交渉の中で新課税を第三者の民営企業に管理してもらうしかないと言う案も
出たが、課税額を徴集するのは政府の基本的な義務であり、権利だと原則論が出てきて合意出来ない。
 
現段階では黄信号だが、早々と結論を出さないとまた全プロジェクトが廃案となり得るだけに要注意である。 そ
れにしてもホノルル市が徴集すれば年間五千万ドルかかり、民営化すると年間三百五十万ドルですむというこ
の大きな違いはどこからくるのか、民営化すると全ての税務局が廃局されることになると憂慮する意見もあり、
本当に結論は出るのか。
 
*  国会下議選に早くも5人が出馬表明 --- ヒロノ前州知事、ハナブサ上議も 
エド・ケース国会下議(民)の上院出馬表明で、翌一月二十日、州議員を含む民主党五人の有力者が国会
下議出馬表明を行った。 
民主党州上院のコリーン・ハナブサ議員(54才、ナナクリ、マカハの第二十一 区選出、一九九八年初当選、
司法委員長)をはじめ、ギャリー・フー ザー議員(52才、カウアイ、ニイハウ、第七区選出、教育副委員長、 
ロン・メノウ議員(50才、ミリラニ、ワイピオ第十七区選出、消費者保護委員長)、州下院からブライアン・シャ
ルツ議員(33才、マキキ、 タンタラス第二十五区選出、下院・水、土壌保全委員長)と三人の上議と現役下
議一人が国会下議に転出を表明。
 
その他、メイジー・ヒロノ元州副知事(58才、州下議十四年=七期、副知事、二期=八年)も出馬表明した。 
すでに五人の候補者が名乗り を上げている。 英字紙によるとこの他ホノルル市長選に敗れたデュー ク・ベ
イナム元市議、ネスター・ガーシア現市議やマイク・ギャバー ド元市議も出馬を考慮中(現職任期が残って
いる州上議は国会選に出 馬し敗れても、現職の州上議の任期を全うすることが出来る)。
 
* ホノルル市政100周年 --- 3月30日〜4月2日、ファミリー・フェスティバルを催す
今二〇〇六年はホノルル市政百周年を迎える。ハネマン市長は同記念行事を執行する委員会を早くから
組織し、盛大な行事を計画してきた。
その最初の行事が三月三十日から四月二日までの四日間、マジック・ アイランドで予定されているホノルル・
センテニアル・ファミリー・ フェスティバルである。 「百周年式典の主人公は子供たちである」と市長は、次の
世代を背負う子供たちをターゲットに、フェスティバル は構成されたと強調している。
 
カーニバルの主役である各種の乗り物を中心に、百五十年の歴史を誇 るオートバイの曲芸、今年の干支に
ちなんで犬のノック・スリル・シ ョー、そしてローカル・ミュージシャンら総出演する。また、多くの スポンサー
が参加し、各々趣向を凝らしてこの四日間にイベントを盛り上げる。
HMSA主催の親子三マイル・ウォークは四月一日、午前七時から行われる。会場は無料で入場できるが、
各々のイベント参加には入場券が発売されている。売上の一部は市庁舎ビルの修復に当てられる。
 
* ワイメア谷は、OHAの所有へ --- 1,410万ドルで合意 
オアフ島ノースショア近くのワイメア谷の売買価格が千四百十万ドルで決着した。 新しいワイメア谷のオーナ
ーはOHA(ハワイアン事務 局)となる。 同地の開発は一切行われず、原始林のまま保存されることになった。
ニューヨークの投資家クリスチャン・ウォルファー氏は、シーライフ・ パークは早々と手放したが、ワイメア谷の
千八百七十五エーカーに高級別荘の開発計画を発表。 ホノルル市は地元ハワイアンの後押しで開発に反
対、同谷の接収に取りかかった。 ホノルル市は五百十万ドルを接収費 として払い込んだが、ウォルファー氏
は同谷は地価二千万ドルから四千万ドルすると接収に反対。 一方、ホノルル市議会は開発計画を一貫して
拒否し続けた。
 
結局、連邦法廷の調停官(クライド・マツイ氏)の下に集まった関係者が、総額千四百十万ドルで同谷をホノル
ル市が接収し、保存することを決定した。 ホノルル市が先に支払った五百十万ドルの上に、米陸軍、公共用
地利用局が三百五十万ドル、OHAが二百九十万ドル、DNLR(州土地資源局)が百六十万ドル、オード
ボン(自然保全)ソサイエティが百万ドルと計千四百十万ドルが調停額としてウォルファー氏に支払われる。
原告を代表した弁護士は、「このような調停は異常なケースだが、同じ ドイツ人系の子孫のハネマン市長の努
力に、やはりドイツ系人の子孫のウォルファー氏は調停を喜んで受理するとコメントしている」と調停成立に満足
の意を表明した。
 
* カハラ・マンダリン・オリエンタル・ハワイが新しい経営運営会社により「ザ・カハラ」に改名 
二〇〇六年一月二十日、ホノルルを拠点とするトリニティー・インベストメントLLC(Trinity)の傘下にある、
カハラ・ホテル・インベス ターズLLCは「カハラ・マンダリン・オリエンタル・ハワイ」を 「ザ・カハラ」に改称す
ると発表した。 それに伴い、三月一日より、 AAAの5ダイアモンドを獲得している全客室数三百六十四室
のリゾー トは、「ザ・カハラ」としてランドマーク・ホテルズ・インクによって運営される。
 
ランドマーク社は過去二十三年以上に渡りフランチャイズによるブランド・ホテルやTrinityが所有している多
くの独自経営のホテルを運営してきた。 ハワイ州およびアリゾナ州、そして現在はメキシコにあるホテルの
経営・運営も手掛けており、ハワイ州に於いては、マウイ島のザ・ ケア・ラニ・リゾートヴィラズ&スパを一九
九二年から二〇〇一年まで 経営・運営した。 その間、ザ・ケア・ラニは市場占有率および利益率において、
ハワイを代表する高級ホテルの一つとしての地位を築き上げている。
 
ザ・カハラはハワイ州におけるAAAの5ダイアモンドを獲得したことのある四施設のなかの一つ。 カハラ・ヒル
トン・ホテルとしてオープン した同ホテルは、一九九四年にマンダリン・オリエンタル・グループホ テルに変わ
り、昨年十一月末、カハラ・ホテル・インベスターズLLC とカハラ・ホテルズ・アソシエイツ・リミテッド・パートナ
ーシップは、同ホテルの買収について合意に達した。
 
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