バックナンバー: 2006年 1月 15日
● トップ: 好調な経済の下にひそむ厳しい現状
 今ハワイが抱える諸問題を田中克己氏(KZOOラジオコメンテイター)が斬る!
 * 雇用、建築、観光と好景気の数字が並ぶ2005年
 * ホテルコンドミニアムが開発の主流に 
 * 何でもかんでもにかかる一般消費税(GET) 
 * 全米共通テストの結果は相変わらず低い 
 * 選挙に左右されない長期プランを立てるべき
 * 今年は州知事選 リングル知事の再選か?
ハワイは今
 * ダイエー近くに中流層をターゲットのコンドミニアム建設、大阪の企業が開発 
 * 2006〜2007年度州知事が予算案を発表、過去最高の96億ドル 
 * 2006年度のオアフ島の不動産評価額、26%の上昇に不満殺到 
 * 未成年者の免許取得法が改正 
 * 新しい交通違反券、一月一日から実施 
 * ワイメア谷の行方は?二月十三日連邦地方裁で決る 
 * ワイキキ街頭芸人の興行禁止案成立、市長は拒否権を発動す 
 * ハワイ経済推進委が、二〇五〇年ビジョンを州知事に答申 
 * 郵便料金三十九セントに、1月8日から料金改訂
 * オアフ島中古住宅市場は一服感?ピークは越えた?
● 大下治心の世相やぶにらみ
 * 交通渋滞緩和しない鉄道なら廃止しろ
バックナンバー: 2006年 1月 15日
● トップ: 好調な経済の下にひそむ厳しい現状
 今ハワイが抱える諸問題を田中克己氏(KZOOラジオコメンテイター)が斬る!
バブル崩壊後、十年余りの経済低迷期を経て景気回復の兆しが見えて来た新世紀のスタートだったが、
二〇〇一年の9/11事件、次の年は SARS、その次の年はアフガニスタン、イラク攻撃と、ハワイを震撼
させる事件が押し寄せた。 しかし、その後は、ハワイに逆風が吹くこと もなく、観光業、建設業、軍事設
備などでハワイ経済は順風満汎。 二〇〇五年は好景気の年だったと評されている。
 
というものの、一般市民は好景気の実感からはほど遠く、原油価格の高騰はインフレに繋がった。 その上、
税金や公共諸手数料は値上がり、収入が増えたとしても懐に残る額が増えたわけではない。
 
昨年に続き、政治、経済、教育と各分野に問題が山積しているハワイ だが、根本的な改革なくて問題は
解決しないことは、繰り返し言われている。 KZOOラジオ放送の朝のニュース番組で、学識の高さと分析
力を持ってニュース解説をしているコメンテイターの田中克己氏に、昨年のハワイの動きと今年の見通し、
ハワイが進んでいくべき方向などを語ってもらった。
* 雇用、建築、観光と好景気の数字が並ぶ2005年
――二〇〇五年はハワイの基幹産業である観光、建設が好調、雇用状況 も良く好景気の年と言える
のでしょうが、ハワイの一般市民の生活は楽になった実感がありません。 好景気ほど、持つ者と持たない
者の格差が広がっていくように思えます。 まず、二〇〇五年のハワイの経済をどう見られますか。
田中――経済での表面的なデータは素晴らしいですね。第一に失業率は アメリカの全州で一番低い。 
三%を切っています。 第二に建設業が活発です。しかも過去のカエタノ前州知事の時代と異なり、民間
ベースの建設が多い。 というのはカエタノ時代は経済を刺激するために税金で建設事業をやったが、二
〇〇五年は、かなり民間企業がやっている。 その殆どコンドミニアム、一戸建てといった住宅と軍事設備
施設です。
第三に観光客数、特にウエストバウンドからはたくさん来ています。 この三点を一つずつ見た場合、アメリ
カが言うところの失業は、働ける人が求職し二回ほど蹴られると失業率に入る。 このデータには仕事を探
す事をギブアップした人の数が入っていないので、本当の意味の失業率と言えません。
ハワイは他州と異なり、仕事を得たとしても共働きしなければ生活していけません。 二つ以上の仕事を持
つ人口がかなり多い。 カップルの場合の平均は三・二、三の仕事を持っています。 同じ会社で同じ仕事
を十年間勤めたとしても、給与がそんなに上がらない。 それに、失業率が低いのもハワイはサービス業に
かなり頼っているからです。
サービス業の場合、高い報酬を得る層は少ないし、一人あたりの賃金と報 酬は十年後でもあまり変わり
ません。 インフレ率が昇給率より高い場合が 往々としてあります。 それにハワイには本社がないので、
高い給与体制が 少ないです。 失業率が一番低いといわれるから、確かにこちらはミドルクラスは多いけ
れど、問題はミドルとハイのギャップが広がっていること。 お金を持っている人と持っていない人の差が出て
きています。 ミドルクラスは過去の十四年間で購買力が減っています。
 
しかし、失業率が低いのは確かだし、仕事はある意味では溢れていて、労働力不足が起ってきています。
ハワイで必要とする労働力はホワイトカラーもありますが、やっぱりサービス業と建設業が大半を占めてい
ます。 建設がかなり多いというのは、基本的にはハワイのポリシーに関係なく、アメリカの歴史的な低金利
のお蔭で新築住宅建設がどんどん進んでいるからです。 新築住宅開発が進んでいるのは、米本土も同
様ですので、米本土からの流入はあまり期待出来ません。
ハワイの新築住宅も人手不足で需要に追い付かない上、軍住宅建設という 需要が出てきました。 何十
年間もハワイの軍住宅が大幅な増築をやらなか ったのは、軍住宅がテンポラリーな住まいという考えがあ
ったからです。 ところが世界情勢をみれば、イスラム教徒からくる脅威が、中近東、パキスタン、イラン、イ
ンドへ動き、タイ、インドネシアと太平洋に進んでいます。 あとは北朝鮮の核兵器の脅威、台湾の問題が
あるのでハワイは重要な軍事基地となった。 そのため、ハワイにある軍人住宅長期的使用可能な住宅を
建てる必要が出てきたのです。
そこで労働力不足が起ってきているわけですが、連邦政府の契約の中に、 仕事を得るためには高校卒業、
八年生のレベルの試験をパスすることが義 務付けられていますが、この試験にパスしない人が多い。 また
ドラッグテストに落ちるために、人間はたくさんいても条件に合わない人が多い事も労働力不足の原因です。
ドラッグと言うと我々は若い人がやるものと思う けれど、ハワイは五十才でもやっている。 ヒッピーの時代は
ドラッグ、セックス、音楽でドラッグもマリファナやコカインといった快楽を求めた。 しかし、今はアイスが蔓延し、
快楽より中毒になっていて、社会問題になっています。
 
* ホテルコンドミニアムが開発の主流に 
――平和産業である観光業はナインイレブン、SARS、イラク攻撃と打撃を 受けましたが、それも時間と共
に過去のものになりました。また、ハリケーン・カトリーナのような天災が米本土を襲うと、天災の少ないハワイ
の人気が上がる。二〇〇五年はウエストバウンドからの観光客が歴史的に最 高の数を見せた年でした。
田中――テロによって海外旅行は危険だと言うイメージがあるけれど、国 内旅行は危険ではないと考える。
アメリカ人にとってハワイは国内旅行と見ているので、ハワイ観光が増えているけれど、日本人はそんなに増え
ていない。 日本人観光客数は一九九七年のある調査では二百二十万人来ていたとある。 二〇〇五年
は百五十万人。 八年間で相当数が減っています。 
ハワイに住む人はある意味ではスポイルされているので、自然の美と暖か い所であれば、日本人観光客が
来ると思っているけれど、日本から海外へ の行き先は韓国がナンバーワンになっているから、こっちでもあまり
リラックスしないことですね。 米本土からの観光客は隣島への直行便があるから隣島に行く人が多いです。
そうしたお客さんを迎えるデラックスホテルもある。
 
日本の企業が八〇年代に、ものすごい額をハワイで使った。 まさに観光業 にふさわしいホテルとゴルフ場。
日本からの投資が、今日のハワイ観光業 に大きく貢献したことは忘れられません。 オアフ島のホテルもワイ
キキは新しいホテルは建てることが出来なかったので、麻布建物やオオタカなどは既存のホテルを買いました。
しかし、マウイ、ビッグアイランドに行くと、日本の莫大なお金で超デラックスなホテルが造られた。 すなわち過
去になかったデラックスなホテルです。
それまでに、なぜアメリカの大手が進出していなかったかというと、アメ リカの投資ファンドは、短期間にか
なりのリターンを期待しますから、厳 しい目でハワイを見たら儲けがでないという結論を出したのだと思う。 だ
から、ホテルの大手はハワイに入って来なかった。 バブルの時に日本投資が素晴らしいホテルを建てた後、莫
大な損をして撤退し、アメリカの投資ファンドが安い価格で拾い上げ、米本土からの観光客を受け入れてい
ます。
 
――景気が戻り、新しいホテル開発の話があっても、従来のホテルでなくタイムシェアスタイルとか、ホテルコン
ドミニアムの時代になってきていますね。
田中――何が起るか予測できない危険な世界になってきていますから、基 本的にリスクを避ける傾向に入っ
ています。 金融機関はリスクを背負う期間を短くしたい、借りる側もリスクを避けたいからホテルを建てない。
ホテルは莫大な先行投資で何千の部屋を造っていずれ儲けることを推定して建てるわけです。 今、いずれ儲
けるというのはリスクを伴うわけですから、ハワイのホテルは次々とコンドミニアムに代わって行っています。
新しく建てるビルもコンドミニアムとして建て、個人に売る。 アメリカ連邦政府は不動産に関しては税の優遇政
策をとっていますから、セカンドホ ームとかバケーションホーム、投資物件として買い、一年のうちの二、三週間
をオーナーが使い、あとはホテルプールに利用するといったホテルコ ンドが今後は開発の主流になると思います。
更に純然たるホテル客室は減っていくでしょう。
 
――建築ブームにも関係がありますが、不動産ブームの年でした。不動産 売買が活発になれば関連ビジネス
も潤い結構なことなのですが、価格が上 がり、自分が住む住居として買いたいローカルに手が届かなくなり、ア
フォーダブル住宅やレンタル住宅の政策のなさが浮き出てきました。
田中――全国的な不動産ブームですが、ハワイの場合は、住まいのケース と住まいでないケースに分けられ
ます。 オーシャンビューがあって気候は温かい、それでいてアメリカの州ということで米本土や外国の人達もか
なり買っています。 住まいとなると、こちらの普通の人が買うわけですが、 価格が値上がり、ハワイでは二十
万ドルぐらいで家を買うことはできなく なっています。
僕が心配するのはレンタルマーケットが非常に厳しくなったこと。 家賃は全米でおそらくナンバーワンではないで
しょうか。 売り時ということで家主が物件を売るケースが増えてきて、テナントが借りている部屋を出なければな
らないケースが増えています。そうなると賃貸物件が少なくなり、家賃は上がり、仕事を持っている人でもホーム
レスになる人も出ています。
ここにはレンタルマーケットにふさわしい政策がない。 米本土の市によっては、住まいを水道や電気と同じ生活
必需品として考える思想の下で、家賃の値段をコントロールしています。その代わり賃貸アパートを開発するプ
ライベートビジネスに儲けを保証し、アパートへの投資を奨励しています。 ハワイも生活必需品ということでガソ
リン価格をコントロールするのなら住まいを生活必需品と考え賃貸料の高騰も考えるべきです。 ハワイでは賃
貸アパートという言葉をあまり聞かない。 アパートに投資する人は少なく、賃貸をしていてもコンドミニアムの部
屋を借りている場合を指しています。 賃貸住宅を増やす政策に取り込むべきです。
 
* 何でもかんでもにかかる一般消費税(GET)
――オアフ島は二〇〇七年から、マストランジット(大衆輸送システム)のために一般消費税(GET)がこれま
での〇・四%が〇・五%アップが決まり、その〇・五%をホノルル市郡政府が徴収することになりました。
GETへの認識が低いため、この値上げが意外に簡単に通ったことに驚いています。
田中――まずGETに関して言うと、ハワイ州だけにある課税方法です。カルフォルニアに行って百ドルの買い物
をしたら物品税が八%だった。 ローカルの人はハワイは四%でハワイのほうが安いと思っているけれど、全体の
課税で見るとその八%はハワイのGETより安いんです。
物品税は基本的に触れるものだけにかかり、触れないもの、例えば弁護士費用やコミッション、サービスに対し
ての料金にはかかりません。 ところがGETは何でもかんでもにかかる。倒産届を作成する弁護士費用にもGET
がかかる。 すべての経済活動にかかるわけです。 州によって は、物品税の場合でも、人間が必要とする食品、
薬は控除する州もかなりあります。
 
二〇〇五年にもGETはそのままにして、食品や医療への税は控除しようという案も出ましたが廃案になっていま
す。 仮に通っても、GETに依存している州政府がこれらをなくしたら何が起るかというと、ユーザ ーフィしたり形を
変えて税金をあげるということになると思います。
なぜハワイがGETを導入したかは知らないけれど、なぜGETを変えないのかはわかります。一つは州歳入をGET
に頼っている政府です。  もう一つは他の州と違って州政府が教育をやっている。教育は予算の中で占める率は
高いです。 今回はGETを〇・五%、実質的に一二・五% あげた場合も、「ドントウォーリー、ビジターが払ってく
れるよ」という考えです。 政府は一度、持ってしまうとなかなか譲らないでしょうが、 ハワイの今後の発展のため
には、ハワイの税法の根本的改革が必要です。
 
――ともあれ、マストランジット実現に駒を進めたホノルルですが、ル ートやどんな交通機関を採用するかなどの
議論は目立ちますが、肝心の費用について、あまり報道されていないのでよくわかりません。
田中――指摘したいのは、お金の話がない。 その次にないのが民間企業の参入を考えないこと。米本土の他
の都市の公共交通機関は市が民間を 雇い運営させている所が多いのに、ハワイはそれをやらないというより、
自動的に頭に置いていません。 なんであろうと、造る資金は税金から来ます。 連邦政府とローカル政府、乗車
券から収入は来ますが、公共のものですから、乗車料金は安く設定され、不足分は税金の負担になります。 
ザ・バスと同じです。
アメリカの有名な公共事業の研究機関が過去五十二年の公共事業を調べ ました。その結論からいえば、大衆
輸送に関しては、乗客の数は多め、工費は低めに推定する。政治的に説得するには、お金はかからないよ、しか
も出来たら相当乗るよとキャンペーンで始めています。しかしまず政府の思惑通りの結果が出ていません。
 
連邦政府はブッシュ政権になってから赤字に転じました。減税が一つの理由ですが、これは経済の刺激になった
と言われるけれど、テロとの戦 い、アフガニスタン、イラク戦争と今は赤字だらけです。今まではトー タルコストの
七〇%ぐらいを連邦政府から期待できたけれど、現在の赤字経済では多くても五〇%しか出ない、しかも、プロ
ジェクトの半分が五億ドルを超えたとなると、これ以上は出さない制限がついているというのが専門家の意見です。
まあ、実際、工事が始まるのは八、九年後ですので経済が好転すれば変わるでしょうが、こうした公共プロジェク
トはホノルルだけではありません。いろいろな都市が予算誘致の競争をしていますから安心はできません。
工費については、いろいろな推定額がありますが、おそらく二十五億ドルはかかるとも言われるけれど、さっきも言
ったように政府は低めに言う。もっと学術的な研究をしてからスタートすべきです。大衆輸送はハワイ以外で経験し
た都市がかなりあります。僕が指摘したいのは中立の立場に立てる機関のスタディを取り入れるべきです。 例えば、
UCLA、 バークレー、テキサス大学など大衆輸送にも専門学校のスタディーを参考にすべきです。
 
* 全米共通テストの結果は相変わらず低い 
――公立教育も毎年、改革が叫ばれる割に二〇〇五年も進歩がなかった と思いますが。
田中――ハワイは他州と異なり義務教育の資金は州政府の税金から来る。 他州は市郡政府の不動産税など
地元の税金から来ています。 ハワイでは 州教育局の下、中央集権されています。 就任後、リングル州知事は
地域別に権限を与える地方分権化案を進めようとしましたが殆ど出来ませんでした。 義務教育に使っているお
金がハワイの場合、特別少ないわけではないけれど、何でも予算不足を理由にします。
ところが建物にお金はかなり行っていますが、肝心の維持費や教科書、教師の充実といったソフトに力を入れて
いない。 別にハワイだけの問題ではないけれど、政治家には政治資金が必要だから、政治資金を払うほうも得
るほうも、建物のプロジェクトがあるほど、お金が回ります。 図書館の建物と本の契約を比べれば、本の売上か
ら資金は回りにくいでしょ。 素晴らしい建物を建てても生徒の成績は上がっていません。だから 余分にお金を使
うから良くなるとか、使わないから成績が悪いということにならない。リングル州知事は、お金は余分に使うから
といって教育の結果がいいとは限らないとよく言っています。
 
全米共通テストの結果は相変わらず低い。どちらかといえば五十州の最下位のワースト一〇に入っている状況
です。 僕が思うにいろいろ原因があるけれど、やっぱりここの文化。 こちらはどちらかとリラックスの文化だから、遊
び場でしつけをしたり一生懸命勉強しろといっているのと同じで、周りで遊びの誘いのほうが強いわけです。
図書館が完成しても本がない。共働きしないと家賃を払えない、ローンを払えないから、親が面倒をみる時間が
少ない。 学校は予算が足らないと言うので授業時間が短い。 教科書のお金がないから宿題もない。 子供達
は時間があるからアラモアナセンターなどにたむろする。 それが大人になるのです。
またサービス業が主流ですから教育を受けるインセンティブがなくなる。 チップに頼ると学歴はいらなくなるので
す。 高給を期待できる仕事が少ない。 それですから、高給を得たい人は米本土の大学へ行ってハワイに戻って
こない。 だから、勉強をすれば、これが得られるといった指標を持たせることです。
アメリカ本土では、普通の人が、自分の子供がどこの私立に行っているという会話は殆ど聞かれません。 それ
がハワイの普通の人の会話でも、うちはイオラニに行っているとかプナホーとか私立に通わせているという話が出
てくる。 アメリカのシステムにはそれは好ましい結果ではない。 これだけ税金をとっていて公立教育の役目を満
たしていないのは残念です。
 
* 選挙に左右されない長期プランを立てるべき
――新しい年になったからといって何かがすぐに変わるわけではありませ んが、政治や経済面でどんな変革を
望まれますか。
田中――毎年、リピートされることが多いので、このあたりでいかに改革の方向へ行くかを考えてほしいです。
第一に考えてほしいのは税法の改革。 ハワイの経済はハワイの外からの出来事、外から入ってくるお金で動く。
それに頼っている。それなら外部からの投資が入ってくるのにふさわしい投資環境が整える方向に動く事です。
投資奨励案が欠けています。
投資はリスクを伴いながらも計算できる環境でなければなりません。 ところが、最近、コンドや家があまりにも高
くなったのでローカルの人が買えなくなった。 それに対し、じゃ投資する人達に余分にチャージしましょうとか、そう
いうアイディアが起る。途中で簡単に規則を変えるのです。
例えば、僕がカリフォルニアから来て不動産投資をしました。 ところがこれからは、ここに住んでいない人には余
分にチャージしましょうとなると、州外の人には僕の物件は売れなくなる。買う時は差別されなかったからよかった
けれど、いざ売る時に新しい規則が出来たために、計算が狂うというになるのです。
投資において計算できることは大切です。例えばベトナムの賃金は安い。 それがハワイに来ると高い。 これは計
算できるもの。最初からわかっていることです。 しかし、途中で規則を次から次に変えられると計算できない。
結局、長期的投資はできない。 第二に、研究に基づいた長期的プランを作る事。 長期的なプランがない。 そ
れをつくる学識者や専門家を尊敬しない。 あいつ達は学者だから現実的でないというけれど、プラニングは研究
に基づいてやらなければならないのです。
 
逆に現実的なら結局、選挙になってしまう。こちらは二年置きに選挙があるから、選挙のサイクルに邪魔される。 
そうなると構造的な改革はできない。 長期的プランがあったとしても議員さん達は使わない。 今、州政府も市郡
政府も黒字です。 この時期に長期政策に取り組んでほしいものです。 そのためには選挙に左右されない中立な
立場にある学識機関の意見を聞く。 アメリカにはこうした尊敬されているリサーチの学術機関がかなりあります。
第三に指摘したいことは、州も市も新しい法律があまりに多い。 ということは今までの法律がよくないということを
裏付けしています。 毎年三千から五千ぐらいの数の案がでる。 あまりにも多いので、簡単なものだけに一月から
五月の間にやって根本的、構造的な改革が必要な長期的法案は棚上げにされる。 市民や業者が新しいもの
を次々からサジェッションをし政治家がそれに応えるというものが多く、自分のポリシーに基づくのでなく、フェイバ
ーで動くから新しい法案が出てくるのです。
議会は法律を作る所で、これを合法かどうかを決めるのが司法ですが、司 法からチャレンジされると負けてしまう
ケースが多い。 州議会が終わり通過した法案が実施される九月、十月に司法からチャレンジを受けますが、書き
方があいまい、どちらにも意味がとれるという言葉が絶えず新聞に出ます。 正確に書く事に重視してほしいです。
チャレンジされて弁護する時も税金から、負けるか和解するにしても税金からお金が出ます。 それを防ぐために、
Legal Draftmanship法律をきちんと書ける専門家を使うことです。 第四に法律を作り、法律を正確に解釈し裁く、
そして法律に基づいて実行するという三権分立という基本を念頭に実行されることを期待しています。
 
* 今年は州知事選 リングル知事の再選か?
――今年は選挙の年。一番の注目は州知事選ですが、現職のリングル州知 事が再選に出るという声が高い
です。 対抗する民主党の候補者選びも混迷を極めているようですが。ハワイ島のキム郡長やシンセキ前陸軍
将軍の名前も上がっていますが。
田中――共和党はリングル州知事ですが、民主党は候補者の名前が出ていません。 州外の選挙資金集め
の締め切りは二〇〇五年末だったので、リングルさんは米本土で資金集めにがんばっていたけれど、民主党で
は、まだ名前が上がっていない。
ハワイ島のキム郡長の名前も上がっています。 政治献金が十ドル、百ドルでいいよということで。 人気が出て当
選したけれど、州知事レベルになるとテレビのタイムを買わないとだめなのでお金がいる。 民主党からは必ず出
ますが、ただ今は新聞にでない。 しかしここは労働組合が強いから民主党の候補者が決まったらそれなりのサポ
ートは得る。
ただハワイ州知事は二期しか勤められないので、もし、ハワイの連邦上院 議員のどちらかが辞任すると何かが
起ったら、予想はがらりと変わります。 イノウエさんにしてもアカカさんにしても八十才を超えていますから、仮に一
人が辞任するという事になると、リングルさんは知事に立候補しないで、上院議員を狙う可能性はあります。 か
なりの政治家も同様で、そうなると、州知事選の読みも変わってくるでしょうね。
 
――この調子で行けば、誰になっても生活は変わらないと、政治に無関心 な層は増えるみたい。 先の市長選
でも勝ったハネマンさんは、実際の投票 権のある人の二五%の賛成しか得ていなかったわけで、考えてみると
民主 主義の多数決制は実行されていないということです。 新しい年は毎年、同じことの繰り返しにならないた
めに、市民が政治に目を向けないと。
田中――アメリカの選挙はお金がかかるので最近は億万長者が立候補している。 政治献金には規制がありま
すが、自己資金とソフトマネー(企業が集まって政治的活動委員会を作り、ここを通じて政党に寄付する)には
制限がありません。 また、マスコミをいかに利用するかが勝敗を決めるので、テレビ映りがいいとか、冗談をと
ばすとか政策に関係のないことで選ばれる。 テレビのお蔭で見た目でアピールするようになっています。
我々、投票をする側は難しいけれど、どういう社会を望むかを深刻に考えて、政治家が言った事を分析するので
はなく質問することですね。 質問しないことには、向こうは演説する一方、パフォーマンスです。アメリカの選挙
システムを理想的に保つためには、一般市民の方はいろいろ質問する。 質問するためには自分自身勉強しな
ければならない。
 
――好景気は今年も続くという予想もありますが、現実は、全米トップの高い税金、手数料の値上げ、インフレ
と生活は楽ではありません。パラダイス・タックスと諦めたくはないのですが。
田中――毎年課題とされる経済の多様化もある程度の進歩はあるけれど基本的に変わっていません。 このま
までいけばサービス業中心の雇用、公立教育の欠陥がでて、アメリカの民主主義にふさわしくないギャップが
更に広がります。 今後はベビーブーマーの高齢化が進みます。アメリカは移民をかなり受け入れているけれど、
でも人口全体は老化している。
ベビーブーマー達が今後、今まで働いたソーシャルセキュリティーの受給に頼る。 これから働く人がこの層をサ
ポートできるか。 大変な問題がでてきます。 アメリカの大企業では最近はペンションプランをキャンセルする動
きがでてきた。 しかもそれは合法的でアメリカの破産法で認めている。 ですから今後は、ペンションが消えちゃ
ったとか、削減される例もでてくるでしょう。
先進国でアメリカは全国的医療保険制度をもっていない国。 基本的に企業 が与えるなら得るという雇用がある
人は保険がある。 それでさえ、雇用者が払う割合がだんだん減ってきています。 ソーシャルセキュリティは強制
貯金みたいなもの、政府がある程度、強制的にやらないと、選ばない人がでてくる。 医療保険も選択になれば、
買わない人が増える。 そして買った人に病気が移る。 社会全体を考えれば、個人の選択と簡単に片付けられな
い。 個人で捌けるものと捌けないものをある程度分けないと。 個人で捌けないものはやはり政府が面倒を見る。
国の安全、福祉を守るのは政府の根本的な役割と思います。
 
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ハワイは今
 *ダイエー近くに中流層をターゲットのコンドミニアム建設、大阪の企業が開発 
 * 2006〜2007年度州知事が予算案を発表、過去最高の96億ドル 
 * 2006年度のオアフ島の不動産評価額、26%の上昇に不満殺到 
 * 未成年者の免許取得法が改正 
 * 新しい交通違反券、一月一日から実施 
 * ワイメア谷の行方は?二月十三日連邦地方裁で決る 
 * ワイキキ街頭芸人の興行禁止案成立、市長は拒否権を発動す 
 * ハワイ経済推進委が、二〇五〇年ビジョンを州知事に答申 
 * 郵便料金三十九セントに、1月8日から料金改訂
*ダイエー近くに中流層をターゲットのコンドミニアム建設、大阪の企業が開発 
最近の新築コンドミニアム開発と言えば高級コンドが主流だが、今回、カラカウア通り1700番地に、中流層を
対象とするコンドミニアムが日本企業によって開発される。
デベロッパーは大阪に本社を置き、日本各地、カリフォルニア、及びニューヨークに数々の不動産物件を保有
する辰巳興業グループ(四宮 孝郎社長)の関連会社の1700カラカウアタワーLLC社。カラカウア通りとファーン
街の角(R&Cハワイツアー社屋の山側並び)の便利な場所にできるコンドミニアムは、所有権付きの十七階
建て、百二十戸 (スタジオ九十六戸、一ベッドルーム二十四戸)を計画している。
 
同社の土地取得の仲介にあたったジニー・フォガティー・フォガティ ー不動産会社社長は、 
「このプロジェクトは、ローカル・マーケットをターゲットにしてお り、初めてコンドを買おうとする人、または留学生、
投資家にも適した物件です。すべてのユニットに、フルサイズのキッチン、広いラナ イ、フルバス、高速インター
ネット接続、ウォッシャー/ドライヤー、 ディッシュ・ウオッシャーを備えており、エアコンもオプションで付 けられま
す。 現在のプランでは、四百二十二スクエア・フィート(ラナイ別)以上のスーパー・スタジオ・タイプが二十九万
九千五百ドルから、広い一 ベッドルーム・タイプは、六百九十スクエア・フィート以上(ラナイ 別)が、四十四万
九千五百ドルからと想定しております。 特に管理費 を下げるためにプール等々のアメニティーは無く、電気メー
タは各戸 別になっており、実際に生活する人向けのプロジェクトになっております。 辰巳興業グループの四宮社
長は、ハワイに何度も足を運ばれており、ハワイが大好きで、ハワイへの投資は以前から検討されておりました。
ハワイに住居用コンドミニアムを建設することは、他の米国地域での活動実績・経験から見て当然の成り行きだ
ったと思います」 と、説明した。
建設開始は二〇〇六年夏、完成は二〇〇七年夏以降を計画している。 二〇〇六年四月頃から販売が開
始される予定。
 
* 2006〜2007年度州知事が予算案を発表、過去最高の96億ドル
リンダ・リングル州知事は昨年末、総額九十六億ドルの二〇〇六〜二〇 〇七年度の一般会計予算を発表
した。
内訳を見ると、土木建築(公共事業=CIP)予算は九億二千六百万ドル。 その他では、州教育局に八千百
六十万ドル、厚生局に六千九百二十万ドル、衛生局に二千三百六十万ドル、公安局に千六百五十万ドル、
ハワイ大学に四千二百二十万ドル、今会計年度より上乗せしている。 総額で二 億三千九百万ドルの大盤
振舞いとなる。 それに三億ドルの納税者への返還が計上されている。
来年六月三十日に終る今会計年度の歳入を当初の見積りより五億七千万 ドル多い余剰収入を見込んでい
る。 同余剰資金は一三・八%増となる。 また州歳入評議会の去年十二月の予想では次期会計年度の歳入
を八%増を予定、この歳入増は五億七千万ドルとなる。 更に〇七会計年度も五%前後の増加としている。
 
この報告を基にリングル州知事は経常経費(一般会計)で二億三千九百万ドルを計上した。 二年間の予算
額が九十六億ドルというのはこれまでの州予算の最高である。 二年前には七十六億ドルだった予算はわずか
二年間で二十億ドル、二七%増えたことになる。
州の余剰資金の中、一部(三億ドル)を納税者に返還するとしているが、具体的な返還方法は州議会に一任
すると知事は自らの返還方法は公表しなかった。 なお、CIP(公共事業)予算の、九億二千六百万ドルの主な
内訳は、ハワイ大学ウエスト・オアフ分校の開発費として一億七千五百万 ドルが最も大きい。
その他では、
● ホノルル国際空港改装費=六千三百万ドル 
● カポレイのノース・サウス・ロード建設費=八千六百万ドル 
● ホームレス住居対策=二千万ドル 
● アフォーダブル・ハウス援助費=六百二十万ドル 
● エワ・マカイ校建設に着手三百七十万ドル 
● CIP債券返済金=三千三百万ドル
などが公表されている。
 
* 2006年度のオアフ島の不動産評価額、26%の上昇に不満殺到
ホノルル市郡政府はオアフ島の二〇〇六年度の不動産評価額を至る所有 者に発送した。(12月18日)
新評価額は前年度比で二五・九%上昇し、(現行税率で計算すれば)同増加は一億二千万ドルの増収を
意味する。 増収による市の余剰金を現行の五百万ドルを五千万ドルにしたいと市長は考えているという。
一部高齢者の二百ドルの一回控除は六十二歳以上の高齢者を対象にしたものだが、控除措置を必要とし
ない高齢者の控除分はホームレスの居住対策資金にまわすという。
新評価額は住宅地区(一戸建て)で最高四三・五%(カアアワ〜カフク地区)、最低で二五・五%(東ホノル
ル地区のワイマナロ、ワイカネ地 区)平均は二七・八%の上昇となった。 コンドとアパートメント住宅は最高は
ワヒアワの五一・九%。 最低でも二六・五%。
 
平均は二九%の上昇となった。 その他、ホテル・リゾート区は二二・六 %、商業区は一三・八%、軽工業区
で一一・五%の上昇となっている。 全区を平均すると二五・九%増となり、オアフ全島の不動産評価額は千
六百六十二億ドルを越えた。 新評価額は二十七万三千五百五十人(法人を含む)に郵送された。 上昇
額が疑問とする所有者は一月十七日までに苦情を申請しなければならない。
この四年間に三倍に上がった不動産税には四千百二十五件のクレームが あった。 その中、千九百件は未
解決。 六月三十日までに解決しなければ ならない。 二〇〇四年度のクレーム、九百八件が未解決で越
年した。 来年も多くが越年するものとみられている。
 
* 未成年者の免許取得法が改正 
十八才未満の青少年の交通事故発生率は高いことから、ハワイ州も未成 年者の免許証取得を難しくする。
一月九日施行された改正法によると十五才六か月で運転免許証は取得できるが、その後、道交法の講議
を受けて、条件付き免許証を取得する。 六か月間を無事故で経過した場合に、初めて通常の運転免許証
を取得する試験を受けて、合格者のみ免許証を支給される。
 
条件付き免許証の条件は、
● 午後十一時〜午前五時まで単独運転はできない。
● 同時間にどうしても運転する時は免許証を持った父兄が助手席に同乗する。
● 通学、通勤が禁止時間帯の場合、親か、雇用主の覚書を帯同する。
● 友人を二人以上同乗する場合には免許証を持つ大人の同乗が必要 (未成年者一人の同乗はOK)。
同法の成立にはHPD(ホノルル警察署)も賛成したが、同法の取締りは困 難で「若く見える運転手の車を全
て止めて取り締ることは困難です。 同法が効率良く施行される為には全市民の協力が必要です」とHPDス
ポー クスマンは訴えている。 「青少年は二人以上集まると制御感覚がなくなります。 彼らを一台の車に乗せ
てはいけないのです。」と事故が起きやすい状態を作らない事が肝心だと付け加えた。
 
* 新しい交通違反券、一月一日から実施 
一月一日から新しい交通違反チケット(券)がスタートた。 州司法局は交通違反の法廷ケースを簡素化し、
ミスを省くため、新チケット は駐車、民事、刑事の三書式に分別され、全ての罪状が印刷されている。 そし
て従来の縦長書式からタイプ・ペーパー(縦八・五インチX横十一インチ)の横長方式に変った。
 
従来の違反券は摘発警官が手書きで容疑罪状を記入し、法廷にも書き込まれていた。 手書き罪状が判
読できなかったりするケースがあり多くの日数が浪費されていた。 法廷出頭日も、罪状を不満としない券にも
書き込まれると云う無駄も多かった。
この様な手順を、摘発した警官は印刷された罪状の中で該当する項目にチェックするだけとなったので、罪
状に不服の人は同違反券に希望する法廷日を記入して司法局に郵送する。 司法局も各郡の警察当局
は書式の改善を喜んでいる。 不服申し立て期日も従来の十五日から二十一日に延長された。
 
* ワイメア谷の行方は?二月十三日連邦地方裁で決る 
オアフ島の北西部にあるワイメア谷(千八百七十五エーカー)の現所有者と ホノルル市郡政府が分割す
ると云う法案が、十二月七日のホノルル市議会で 九対〇の票決で否決された。
ワイメア谷はニューヨークの投資家クリスチャン・ウォルファー氏が一九九 六年に買収した。 当時の買収に
はワイメア谷とシーライフ・パークが含まれていた。 シーライフ・パークは三年後に売却された。 千八百七
十五エーカーのワイメア谷は原生林や滝で自然保護区と指定され、開発は禁止されていた。 ハワイアンの
聖地と呼ばれる旧礼拝所も散在し、考古学的にも貴重な地域とされた事からハワイアンは同地開発に猛
反対した。
 
その結果、ホノルル市が接収し、保存区として維持する事になったが、資金 のない市当局は同地区の接
収費を五百十万ドルとした。 ウォルファー氏は直ちに反対し、接収反対訴訟を連邦地方ホノルル支部裁
判所に提訴した。 その後、水面下で交渉が続けられ、滝を含む海岸線までの三百エーカーをホノル ル市
が保持し、残りのワイメア谷奥地の千五百エーカーをウォルファー氏が開発する事で和解案が成立した。
ホノルル市議会に上程された和解法案は第一、第二読会を賛成五・反対四で通過した。 最終第三読
会にはハワイアン・グループを中心とした多くの反対者が出席し、同和解案の廃案を唱えた。 圧倒的な
多くの反対者があることから、賛成投票して来た五人の市議は急遽、反対投票に回った。 九市議全員が
反対投票し市議会議場に集まった市民も大歓声を挙げて勝利を喜んだ。 この票決で、ワイメア谷案件は
原点に戻った。 今後、連邦地裁の公判が重要な解決権を握ることになる。
 
* ワイキキ街頭芸人の興行禁止案成立、市長は拒否権を発動す 
ホノルル市議会はワイキキのカラカウア大通りの歩道での街頭芸人に興行時 間を夜間七時から十時まで
の三時間は禁止する第七十一号法案を、十二月十 九日の特別市議会で可決した。
同法案はカラカウア大通りの通行人(観光客を含む)相手に街頭芸人たちが行うパホーマンスは多くの歩行
者の通行を妨げ大変危険だとして夜間三時間の禁止を同地区選出のチャールス・デジュ市議が提出。 
ホノルル市議会は十二月十九日に特別議会を開き同案を賛成七反対二で可決し、市長に送付し た。
 
だが、同法案は国の憲法の<表現の自由>を保証する条項に違反すると解釈す るハネマン市長は、早々と
拒否権行使を宣言した。 同様法案は数年前にも市議会が通過させたが、ACLU(全米民権擁護協会)が
憲法違反で提訴。 市側の敗訴となった経緯もあることから<訴訟だけは避けたい>と拒否権行使に踏み切った。
四ブロックに亘るカラカウア街の興行を全面的に禁止するのではなく同地区 に興行場所を特定し、業者は
順番に同地区を利用する。 業者は市から街頭芸人特別興行ライセンス(二十〜二十五ドルの有料)を
取得する。 ACLUも和解交渉に応ずるとみられている。
 
* ハワイ経済推進委が、二〇五〇年ビジョンを州知事に答申 
リンダ・リングル州知事のハワイ経済推進諮問委員会(ファースト・ハワイ アン銀行ドン・ホーナーCEO委員長)
は昨年末、ハワイ経済をどのように推進するかのガイド・ラインをまとめ州知事に答申した。
同答申は住宅税制、教育、労働力、観光、エネルギー、社会機構基礎開発、 へルス・ケアー、環境、ハワイアン
問題などの十一分野における長期ビジョンを協議し、推進ガイドラインとしてまとめたもの。 同報告書は州知事、
議会等に送付された。 三十人の委員は、政財界、教育、労働、ビジネス、環境、 文科などの幅広い分野から
指名され、去年の夏から協議を進めてきた。
 
ホーナー委員長は今回の答申はあくまでも第一回目のモノで実際に推進していくのは行政、議会、各コミュイ
ティ代表者で新しく組織されたタスク・フ ォースが推移を見守っていく。 二〇五〇年の長期ビジョンを毎年定期
的に協 議を続ける。 同委員会は州議会が去年の議会で通過したもので、州知事諮問 委員会となっているが、
リングル知事は委員会設立には反対した経緯がある。 従って州知事が同委員会の提言をどこまで推進するか
明確ではない。 委員の中には協議分野が十一分野と多いため、ほとんどの提言の中味は協議されていない。
バブル気味の不動産業界に対しては公共住宅の開発を提言している。 「アフ ォーダブル住宅の開発は急務だ。
旧バーバース米軍基地に大公営住宅を開発 し、低所得者が購入できる住宅を用意すべきだ。 今の中間価格は
ハワイの多くの州民は手が出せない現状だ。 州も市も積極的に低所得者が買える住宅開 発は急務だ、豊かな
ハワイは住宅問題が解決しない以上、あり得ない」と提言している。
 
その他には、 
● 校長、教師の雇用利度の改革
● ハワイ大学と米海軍の共同研究施設の模索
● ハワイ大学制度内で職業養成学部を新設し、社会が必要な技術保持者を恒 久的に養成する
● 代替エネルギー開発とリサイクル・エネルギーの開発
● 農地ゾーンを見直し、宅地開発を可能にする
● ホノルル国際空港の全面的再開発と他島空港の改善
これらの提言の推移をモニターするタスク・フォース(上議ルッセル・コクブ ン委員長)も組織されているが、リングル
州知事が消極的なだけに達成については懸念されている。
 
* 郵便料金三十九セントに、1月8日から料金改訂
一月八日から郵便切手が二セント値上げされ、三十九セントになった、ポスト ・カードは、一セント値上げされ、
二十四セントになった。
郵便料金の値上げは二〇〇二年以来。US郵政公社は新法により、三十一億ドルのエスクロー資金調達を義
務付けられ、料金値上げを強いられた。(注:三 十七セントのスタンプには2セントのスタンプを貼って出すこと。
2セントの スタンプがない時は戻ってくる。)
* オアフ島中古住宅市場は一服感?ピークは越えた?
オアフ島の去年十二月の中古住宅販売戸数は一戸建てが二四・五%、コンドミニアムが二二・三%減(前年
同月比)と各々大幅に減った。一戸建て住宅販売戸数は去年の四百十七件から三百十五件に、コンドは七
百一件から五百四十五件に減少した。
中間販売価格は一戸建てで六十一万ドルと十一月の六十四万ドルから三万ドル近く安くなった。しかし、去年
の不動産業界の中間販売価格は去年の十二月の一戸建ての四十九万五千ドルから今年の十二月の六十一
万ドルまで十四万五千ドルも上がった。
 
コンドも二十一万七千ドルから三十万五千ドルまで八万八千ドルも大幅上昇した。中間価格の比較で一戸建て
が二八%、コンドが二九%も上がった。 販売戸数は一戸建てで一・八%減(四千六百十七戸)、コンドは七千九
百九十戸で一 ・三%増。 二〇〇五年の年間平均価格は一戸建てが五十九万ドル、コンドが二十六万九千ド
ルで推移した。
十二月末現在の在庫数は一戸建てが千五百四十二戸、コンドが千七百三十七戸とかなり増えた。 販売戸数が
減り、中間価格の増った市場についてホノルル不動産協会の幹部は、「市場は超過熱気味に推移してきました。
強気な売手市場に買手側が嫌気が走り、一服している。 金利の上昇に伴い、価格はピークに達 したのではない
かという読みがある。 現実に十一月より価格も下った。 この下 げが単月で終るかどうかは推測しにくい」と分析。
 
更に、「いま、市場に出ている物件の多くはここ数年に買った投資目的オーナーが、価格上昇に伴う利益を確保
する売りが多い。 在庫数が増えたのもその辺に理由がある。 とすれば価格の下降は暫く続くことになる」と付け加
えている。 三年前は三十万ドル台の一戸建て住宅は二倍の価格で取り引きされてきた。 コンドの中間価格は
二・五倍と異常な上昇を示してきた市場は下げに転じるのか、業界でも推測しかねている。
 
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大下治心の世相やぶにらみ
 * 交通渋滞緩和しない鉄道なら廃止しろ
ホノルル市は去年の市議会で、最大の開発事業の着工を決めました。四十年前からファシ元市長時代に持ち
上がった大衆輸送機関の導入です。 十五年前、導入寸前で市議会が五対四で消費税引き上げ案を否定し
導入案は廃案となりました。 そして去年、十五年ぶりに消費税の〇・五%引き上げ案が州議会で成立、二〇
〇七年一月施行を決定しました。 ハネマン市長も導入計画には強い賛成の意を表し、どの様なシステムの導
入が可能かを十五年前にも依頼したことがある民間コンサ ルティング会社と九百七十万ドルで契約しました。
 
この民間会社は、去年の秋にこれまで契約していた下請けコンサルティング会社を解約し、別のコンサルティン
グ会社を指名しました。 この新しく指名された会社が、政治的に市長と関連があるとして、デジュ市議は「政治
的に新会社契約が行われたのではないか」と真相調査を連邦地方裁に提訴しました。 市長は「根拠のない不
当な疑惑」と一 蹴しましたが、提訴はそのままになっています。
 
さて、その大本の民間コンサルティング会社は、十二月上旬にマスト ランジット計画四ルート案と機種を公表し
ました。 また、導入の対象となる地下鉄型、モノレール型、リニア型の三機種と三機種以外のバス拡充路線
計画と四つの選択肢を公開しました。
 
十二月十三日と十四日、ブレイズデル・センターとカポレイの中間学 校で公表会を開きました。 コンサルティン
グ会社の社員が四組に分か れて、集まった市民に各々の機種やルートを説明するもので、通常の公聴会とは
言えない形式で進められました。 意見を述べたい人は用意された用紙に書面で書き出し、箱に入れるだけ。
現場を取材に現れた記者にもこれらの書面は一切公表されませんでした。
 
「今回の公聴会(内容は説明会)はコンサルティング会社が主催したもので市郡政府は関与しません」 と、これ
らの意見書は初めから公表される内容のものではないと市の担当局は説明。 集まった意見書は同社が整理し
て発表すると、記者とのインタビューも拒否されたと云うのです。 同案に対する市民の意見書は一月九日まで受
付けていると云うのですが、英字新聞の記事を総合しても市民が意見を述べられるだけの充分な計画の説明は
されていないことに不信を感じるのです。
 
マストランジットの導入はオアフ島の朝夕の交通渋滞を緩和する策として鉄道機関を導入しようと云うのが計画
です。 どのような機種があり、その中でどの機種がオアフ島に導入する機関として最も適していると推薦するの
がコンサルティング会社の仕事だと思います。 ところが先日行われた説明会での機種説明は小学生のレポート
と変らない、否、最近の小学生はインターネットを駆使するので、もっとスマートなレポートを 書くでしょう、とはある
公立校の教師のコメントです。 つまり九百万ドル以上の金を貰ってよくあんな低級のレポートが出せたモノだと驚
いています。 あの程度の情報ならインターネットで簡単に引き出せると云う のです。
 
この会社は今年の九月までに最終案をまとめます。 最終案には完成予想 図、融資調達、見積り、利用予想と
その収支、環境影響調査が入ります。 十月から十一月にかけて代替計画の検討、十一月中旬から十二月に
かけて一般市民の公聴会(説明会)十二月中にホノルル市議会が最終計画案 を指定し、二〇〇七年一月
から〇・五%の消費税引き上げ実施、正式な EIS(環境インパクト調査)に着手(来年一月から五月)。
二〇〇九年、着工予定。
 
このスケジュールで動くのなら九百四十万ドルの経費はなんとなく解る様な気がします。 どこまでが仕事と云う
内訳は契約書に明記されていることでしょうが、このスケジュールから見ると着工は二〇〇九年です。 あと四年
もしないと着工できない公共事業なら 「止めてしまえ!」 と 云いたいですネ。 政府がやっても民間がやっても
これだけの期間がかかるホノルルの建設行政がいかに時間を浪費しているか、時間の浪費、つまりそれだけ無
駄な金を使っているといえます。
 
更にハネマン市長は、「ホノルルのマストランジット導入の全てのコン センサスが揃った」 という発言はしていま
すが、いま一度検討する必要があるのではないでしょうか。  着工まで四年かかる計画ならバス拡充路線の推
進の方が市民には役立つのではないでしょうか。確か、今回の選択肢の中にある有料道路の導入を含むバス
路線拡充計画の方がスピーディ ーに進みそうです。それが鉄道導入計画の着工は二〇〇九年、二〇一六
年完工では賛成出来ません。 将来のためですって?
 
実は次の会話(応答)は公聴会席上で交わされたものです。
Q=カポレイからハワイ大学マノア校までの所要時間は?
A=四十五分から六十分
Q=駅は何か所?
A=一マイルに一駅の計算ですから二十三駅が最大です。
Q=駐車場は有料?
A=多分。
Q=どのルートがベスト?
A=それをみなさんに決めて欲しいのです。
Q=ハイウェイなどの車道の交通渋滞は緩和し
ますか?
A=いいえ。
 
えっ?この計画は交通渋滞を緩和するために導入されるのではありませんか? それなのにこの“いいえ”と云う
答えはホノルル市郡政府交通課の高官の答えです。 交通渋滞を緩和できない機関をホノルル市は二十八億
ドル(推定)もかけてどうして導入する必要があるのでしょう。 交通状態は二〇三〇年には今の二倍に悪化する
と云われています。 その緩和策として導入されようとしている機関が緩和に役立たないと云う政府高官は自分
の立場を心得ているのでしょうか。まだまだ確かに再検討する必要があるようです。
 
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