バックナンバー: 2005年 10月 1日
● トップ: 「中国に舐められている日本」
     日本をとりまく近隣諸国の外交を分析する評論家 那須 聖氏 
  ・ 自民党が勝って安心したワシントン
  ・ 国内の不平分子の不満を日本へ向ける中国
  ・ 中国の内政干渉に弱腰姿勢の日本政府
  ・ 常任理事国入りは無理なのにむなしい努力をする日本
  ・ 共産党一党独裁はいずれ崩壊の途に
  ・ 科学万能主義の欠陥を見直す転換期が近い
     那須 聖(なす きよし)氏 略歴

一九一六年カリフォルニア生まれ。

コロンビア大学で国際論、国際機構論を専攻。 

毎日新聞ワシントン特派員、ニューヨーク支局長、外信部副部長、論説委員を歴任。
現在ニューヨーク在住の外交評論家として文筆、講演活動を行っている。

主な著書に「ソ連崩壊」、「崩れいく日米関係」、「自壊するアメリカ」など多数。
● ハワイは今
 ・ 州公立校、来年から統一スケジュールへ
 ・ アカカ法案 修正案提示 --- 司法省は先住民認知権は国会にない
 ・ 厳しくなった横断歩道取締法 --- 歩行者も違反したら罰金
 ・ カカアコ・ウォーターフロントの再開発業者内定 --- 総工費は六億五千万ドル
● 大下治心の世相やぶにらみ
 ・ 「ガス・キャップ法は成功する!」 --- カエタノ前州知事の投稿記事の要約
● “日米両国の年金・医療保険制度に二重加入していませんか?”
 ・ 社会保障に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定10月1日に発効
バックナンバー: 2005年 10月 1日
● トップ: 「中国に舐められている日本」
  ・ 自民党が勝って安心したワシントン
  ・ 国内の不平分子の不満を日本へ向ける中国
  ・ 中国の内政干渉に弱腰姿勢の日本政府
  ・ 常任理事国入りは無理なのにむなしい努力をする日本
  ・ 共産党一党独裁はいずれ崩壊の途に
  ・ 科学万能主義の欠陥を見直す転換期が近い
辛口で世相を斬るニューヨーク在住の外交評論家、那須聖(なすきよし)氏の時局講演会が九月十三日に
アラモアナホテルで日本人協会主催で行われた。 那須聖氏は、 過去十七回、ハワイで時局に合った世界
情勢や動きを解説、分析しているが、今回 は摩擦の多い中国、韓国、北朝鮮の日本との関係を取りげた。
その中で、尖閣諸島の領土問題、靖国神社参拝、教科書問題、日本の国連安保理事会入りなどをめぐり
問題が山積している日中外交に焦点を当て要約した。
  ・ 自民党が勝って安心したワシントン
方々でこうやって講演をしますと、司会者というのはどうも講師の年令を言いたが るものです。私はできるだけ
年のことを考えないようにしています。 ところが最近 は、「おいくつですか」と聞かれることが多くなり、私は嘘を
つくのが嫌いだから、 「もう還暦は過ぎました」と答えることにしています。
 
時々、家内と一緒に道を歩いていて久しぶりに知り合いと出会い、後から家内が、 「あの人は随分、年取っ
たわね」と言う。 私もそう思ったと家内に話すと、家内は、 「向こうもそう考えているに違いない」と言います。
私は、「いや、そんなことは ない。 向こうは、那須さんは、いつまで経っても変わらないなと思っているに違い
ない」と自分では考えています。
 
私は死ぬまで仕事をするつもりでおります。幸いな事に文筆活動をやっているものですから、いつまでも出来
ると思っています。 さて、演題ですが、日本と中国、日本と韓国、日本と北朝鮮、日本とアメリカの関係をお
話しするつもりです。
 
日本について海外に住む日本人は外から日本を見ていますから、日本に住んでいる日本人と多少見方が違
うと思います。 私は日本についても厳しいことを言います。 また、中国について批判的な事を申しますが、そ
ういう見方もあるという程度に受 け取って頂ければと思います。
 
まず、日本の内政について、小泉首相が衆議院を解散したため、衆議院選挙が行われました。小泉さんは
郵政民営化を非常に強く要求しています。 民営化法案は衆議 院で五票の差で可決しましたが、参議院で
十七票の差で否決され成立しませんでした。 小泉さんは何とか成立させたい信念から衆議院を解散し選挙
をしたのです。
 
これは合理的にものを考えるアメリカ人やヨーロッパ人からみるとまことに不思議な処置であります。 衆議院
は可決しています。 参議院は否決しましたが、参議院を解散させる権限は総理大臣にありません。 ですか
ら法案を通すためには、参議院での法案をかえる必要があるのにも関わらず衆議院選挙に持ってきた。 これ
は合理的ではありません。
 
さらに衆議院選挙は、郵政民営化に賛成か反対かを決める選挙と言っていますが、 郵政以外に重要な問
題が山積しています。 それをさしおいて郵政の民営化を問う選挙であります。有権者は郵政だけを考えて投
票するかというとそんなことはありません。 有権者はもっと賢い。 これからの四年間で年金はどうなるか、そ
の他の問題を考えた上で投票しているのです。
 
ワシントンの連中は見ていてさっぱり意味がわからないでしょう。 しかし日本人は 深く追及致しません。 も
し民主党が勝ち政権を握る事になれば、日本とアメリカの関係は悪くなります。 民主党は日米安保条約に
基本的に反対している。 ところが日本をとりまく極東の情勢をみてみますと、日本は危険になりつつあります。
 
中国を見てみますと、どういうわけかわかりませんが、ものすごい勢いで軍備の拡張をしています。 台湾を軍
事力で取ろうという姿勢であるのかわかりませんが、実際発表されている予算より多くのお金を注ぎ込んで軍
備を強化しています。 軍事力で台湾 をとろうとしますと、ブッシュ政権は必ず阻止します。 アメリカの盟友で
ある日本は危機に立ちます。
 
また北朝鮮が核兵器を造って、一番先に落とす可能性があるのは韓国でなく日本であ りましょう。 日本はア
メリカの核の下で守ってもらうことになっていますから、日米の関係はますます緊密化して行かなければなり
ません。 それに関わらずひょっとして野党である民主党が勝つ方向に行けば国際情勢からみれば非常識で
あります。
 
選挙の結果は自民党が大勝しました。 自民党がこんなに大勝するとは誰も予想した人はいません。 これま
で過半数が取れなくて公明党と組んで与党を造っていました。 今回は二百九十七人を取り、この結果をみ
て郵政民営化は通ると言っています。 衆議院 は通るのが当たり前ですが、参議院で反対した議員が態度
を変えるかどうか。
 
もしも態度を変えるような議員があったとするならば、その議員の信念、政治的誠実 さを疑われます。 日本
の政治家とアメリカの政治家の質はだいぶ違いますから、相当な数が態度を変えるかもしれません。 アメリカ
でそうなれば、アメリカの世論は問題 にします。 そういう点で、日本の民主主義はまだまだ未熟であると言わ
ざるをえません。
 
  ・ 国内の不平分子の不満を日本へ向ける中国
そんな風に、日本の国内情勢はワシントンから見るとさっぱりわからない。 ただワシ ントンとしては、自民党
が大勝したことは安心している。 といってアメリカが日本を大事にしているかというと、ここ数年の間、ワシント
ンの日本への関心は下火になっています。 中国への関心のほうが上がってきております。
 
なにしろ中国は軍事力をものすごく拡張しています。 これから何をしでかすかわからないだけでなく、中国の
経済は非常に伸びております。 しかし、中国全般の経済が伸 びているのではなく、発展しているのは東シナ
海沿岸だけです。 内陸に入りましたら昔のままであります。 中国は貧富の差が非常に激しくなっております。
 
日本と中国の関係ですが、両国の間で問題になっている事件がいろいろあります。 第 一は領土問題です。
尖閣諸島は中国の所有だと言い張り、中国の軍艦を尖閣諸島地域にくり出し威嚇しております。 尖閣諸島
はもちろんの事、台湾まで自分の領土と言っています。 尖閣諸島はなるほど地理的には台湾に非常に近い
です。
 
しかしながら、一八九五年、日清戦争が終わった年に、日本はその当時の国際法に基づき正式に日本の領
土であることを宣言したのであります。 それ以来、反対し異義を唱えた国はどこもいなかった。 敗戦で、アメ
リカが日本を占領し沖縄の行政権を握っていました。 その時もアメリカは尖閣諸島を沖縄の一部であると見
ていました。 それで沖縄を日本へ返還した時に尖閣諸島を含めて返還したのです。 これはアメリカ政府の公
式の立場であります。
 
ですから尖閣諸島が日本と中国の間で問題になっている時に、日本はアメリカの公式の立場をはっきりして
もらえば日本は有利に立つ。 ところが日本はどういうわけか外交が下手でそういうことをやりません。 ワシ
ントンにある日本の大使館が有力メディアに働きかけ、国務省の立場を聞いて記事にしてもらうよう頼んでも
いいわけです。 ところがそういうこともやっていない。 外交のやり方がまずいと言わざるをえません。
 
中国が尖閣諸島を自分の領土と言いだしたのは、いつ頃かというと、一九七〇年に国際連合が世界の地下
資源を調査したのであります。 その結果、尖閣諸島の近辺に天然 ガスが大量にあることがわかった。 それ
で中国は、あれは自分の領土だと言い始めたのであります。 日本としてアメリカの正式な立場、過去の歴史
をはっきりさせるべきでありますのに、残念ながらしていません。
 
次の問題は靖国神社へ参拝はけしからんと、さんざん言っています。北京政府がそんなもんですから韓国も
日本へ要求する。 北京政府の言い方を見てみますと、日本の総 理大臣に対し止めろと命令口調で言って
いる。 命令している。 これに対し腹をたてて怒る日本人が少ないのも不思議だと思います。
 
日本の総理大臣が靖国神社へ参拝するということは純然たる国内問題です。外国が内政について干渉すべ
きではない。 言うべきでないことを言っているのですから日本は無視すべきです。ところが二年ばかり前に小
泉さんは靖国神社へ参拝する理由を北京やソウルに行って説明しています。 一応納得したのかと思いました
が、納得していない。
 
日本の新聞としてはどんなふうに説明したのか追及すべきです。ところがそれもしていません。 問題になったの
は二十年前に中曽根さんが総理大臣の頃、八月十五日に靖国神社に参拝したのですが、北京政府から抗
議が来たので次から取り止めています。  内政干渉を受け入れたのであります。 これが誤りの一歩であります。
 
アメリカはこれをどう見ているのか、この一月までアメリカの国務副長官でありましたアーミテージ氏は日本へ
行った二年半前に、アメリカの民放テレビに出て、「外国 からそういうことを指示されたらますます行くべきだ」
と答えています。 当たり前のことです。 ますます行ったらいいのです。 そうしたら問題は終わっちゃうはずです。
ころがますますウロウロしています。 教科書の問題も歴史の教科書も内容がおかしいので、改めよと言ってき
ている。 日本で何を教えようと日本の内政であります。
 
  ・ 中国の内政干渉に弱腰姿勢の日本政府
なぜこういうことになって来たかというと、日本と中国の長い歴史的関係があります。 中国の文化は六千年
に及びます。 日本には話し言葉はあったけれど、漢字はもとよりひらがな、カタカナもなかった。
 
書き言葉がなかったため、日本は随や唐に使いを送り文字を習って来ました。貢ぎ物 を持って行きます。 時
には貢ぎ物が足らない、もっと持ってこいとか内容が粗末だとか文句をつけられていた。 そんなわけで向こう
は先生、こっちは生徒の不自然な関係、平等でない関係が出来てきました。
 
これに腹を立てたのが聖徳太子で、「日出づる国の天子が日没する国の天子に書簡を送る」といった文書を
使いの者に持たせて行った時は、中国の天子は結局は返しましたが、使いの者を日本に返さないほど怒った
ということです。
 
その後、貢ぎ物を持っていくのはまずいということで八九五年に菅原道真が進言し遣唐使制度を止めたという
いきさつがあります。 北京では、日本に教えてやったから日本は従うべきという考えがあるのです。
 
中国には中華思想があります。 漢民族は中心で周りの異民族は蛮族である。 見下げて いるのであります。 
そういう考えも働いて日本に対し歴史的な観点に日本を差別し日本の内政に干渉しているのです。
 
言葉を変えていいますと、主権の平等、内政不干渉という原則は中国にはありません。 中国は民主主義国で
はなく未だに共産党一党独裁であります。 日本としては拒否するべき、文句を言われたらますます八月十五
日に行くべきであります。
 
靖国神社はどういう意味を持っているか。 靖国神社には日本の安全のために死んだ英 霊が祀られている。 
それをお参りし大事にする、お礼をいうというのは当たり前のことです。 中国、韓国は英霊についてはよいが、
A級戦犯が祀られていることを理由に反対しているのですが、A級戦犯を作ったのはアメリカです。 日本は無
条件降伏したため、後のことには条件をつける立場でなかったのです。 彼等を靖国神社に祀るのをもうちょっ
と考えるべきだったわけですが、その当時はそういうところまで考えなかったのです。
 
しかし、歴代の総理大臣で八月十五日に靖国神社にお参りに行き、その時にA級戦犯に対し感謝し、いいこと
をやってくれたと思ってお参りする総理大臣は一人もおりません。 これは日本国民の常識であります。 彼等は
日本を敗戦に持ち込み日本を廃虚に追い込んだ連中であります。
 
今、中国は経済が非常に伸びています。 米国との貿易関係をみると中国が大幅な黒字になっている。 その主
な原因は中国の元が不等に安いまま押さえているからです。 アメリカからの輸出は伸びないで中国からの輸
入は伸びている。 もう少し市場の力に合わせてくれということを二、三年前からアメリカは口が酸っぱくなるほど
言っておりました。 やっと二か月ばかり前に二%引き上げました。 二%ぐらいでは引き上げた中に入るかどうか。
 
中国の経済は伸びているけれど内部は伸びておりません。 急速に経済発展したため空気、水の汚染が激しい。
全国的に見て八五%の土地が汚染されていると言います。 悩んでいる人は共産党幹部や政府に陳情しますが
タダで頼んでも聞いてくれません。 中国の共産党、政府の幹部は賄賂を盛んにとっている。 それでもやってくれ
ません。
 
そうすると、一般の国民からは不満が出てきます。 また、中国は漢民族が中心ですが、異民族が相当います。 
異民族の間で独立運動が盛んに行われる。 これも押さえないといけない。 北京政府はいろいろな問題を抱え
ているのであります。 これはいろいろな 国が使う手ですが、国内で問題が起れば国民の目を外国に向けさせ
ます。 外国から脅 威を受けている、外国からひどい目を受けている所を国民に見せるのです。 それを今、 北
京政府がやっているのです。
 
日本は拒否するどころか、日中関係を悪くしないようにと気を使っている。 私に言わせれば「お前、何を言ってる
んだ」と小泉さんに言いたい所です。 悪くしているのは向こうのほうで、悪くする目的があって悪くしているのです。
教科書問題も、この間、 アメリカ国務相の役人と話していて、その人も「自分の国がその国の生徒に何を教える
かは勝なこと。 他国が干渉すべきではない」と言っていました。
 
ところが、中国は日本の学者と中国の学者が共同で研究しろと言っています。それを 日本の教科書に反映す
るのなら外国の干渉を受け入れたことになります。 中国では 反日教育をやっている。これは公然の事実であ
ります。 それなら小泉さんは反日教育 を止めてくれというべきでありますが、よう言わない。 それを言うと中国
はかんかんに怒るでしょう。 かんかんに怒ることを中国は日本に言っているのです。 日本は外交的に頼り無い
と言わざるをえません。
 
  ・ 常任理事国入りは無理なのにむなしい努力をする日本
日本の国連常任理事国入りを中国は絶対反対だと言っています。 国際の平和と安全の維持を最大の目的とし
て国連が出来ました。 その任務を携われているのが安全保障 理事会です。 常任理事国五か国、非常任理事
国六か国(任期は二年)の十一か国から 成っています。 アメリカ、ソ連、フランス、イギリス、中国が常任理事国
で、これは国連憲章に明記され拒否権を持っています。 実質的な事項に評決する場合、どれか一 か国が反対
したら通らないという強い権限を持っているのです。
 
日本としては何とか常任理事国入りをしたい。 根拠はどこにあるかというと、国連の経常費の分担率にあります。
毎年何億ドルと経常費が必要で百九十一の加盟国が負担 しております。 一番多く負担しているのはアメリカで
全体の二五%。五、六年前までは三〇数%負担していましたが、一つの国が1/3も負担するのはあまりにもひ
どいということで、九六年頃から分担率は減りました。
 
日本はどれだけかというとアメリカの次に多い二〇・五七三%。 割合から言うと実に多いです。 多いのでなぜ減
らしてくれと言わないのかと思うのです。 他の常任理事国はどうかというと、四か国合計した額は一三・七〇九%。
四か国合わせても一四%足らずで、日本はそれよりたくさん出しております。
 
これだけ財政的に国連に貢献しているのだから、常任理事国になりたいと言ってから三十年ぐらいになります。 
ところがなれるかというと、結論からいうとなれません。 なれないのはわかりきっているのです。 出来ないことを
一生懸命やるのは無駄な話です。 出来ないことをやり失敗した事でプラスになることがあればやってもいいけれ
ど、この場合、何もない。 出来ないことをやるのは、外務省の体質だと思います。
 
わざわざ今年の総会では構造改革をするというので十二名、外務省から別の職員を出 し、その決議案を成立さ
せようとやっきになっています。 日本一か国だけでは常任理事国にはなれないので、日本、ドイツ、ブラジル、イ
ンドの四か国を常任理事国にしてくれと運動している。 四か国を常任理事国にする憲章改正決議案を総会に出
そうというわけであります。
 
憲章を改正する条件は総会の2/3以上の賛成を得て決議し可決され成立するかと言うとそうではありません。 
決議を本国に持ち帰りそれぞれの国の憲法手続きに従い批准しなければならない。 2/3以上が批准したとし
ても、この中に常任理事国五か国 が入っていなければならないのです。 つまりいくらたくさん批准しても五か国
の中の一か国でも批准しなければ効力を発生しません。
 
日本を入れる事は中国は絶対反対である、他の国がみんな批准しても中国が批准しなければ日本はなれない。
はっきりしている。 中国が考え直すかというと私はそうは思 いません。中国は日本を見下げている。それを中国
と同じ立場に置くなど、とんでもないと思っているのであります。
 
日本に関しては韓国も反対している。 ブラジルについてはアルゼンチン、インドはパキスタン、ドイツはイタリーと、
近隣諸国がそれぞれ反対しています。 アメリカの立場は、日本が常任理事国になるのはいいが、拒否権をもつ
国が増えるのは困ると言っています。 これまでを見ますと、ソ連が拒否権を乱発したために常任理事会が麻痺
状態になったことがあり、拒否権を持つ国が増えれば、国際の安全と平和を十分維持できないと言うのがアメリ
カの立場です。
 
ところがアメリカはドイツ、インドを入れるのも反対し、日本はよろしいと言っているものの、その姿勢は熱意がな
いといってもいいでしょう。 それにも関わらず、日本は一生懸命やろうとしている。 失敗します。 大体に外交的
に日本のやり方は実にま ずい。
 
こういう問題を外交的にどうするかというと、有力な国を説得し、その国に一肌脱いでもらわなければならない。
日本の今の立場からいうとアメリカに頼み、アメリカが 積極的に動いてくれ、日本は影で黙っている。 こういう
問題はそうすべきですが、日本は外交が下手だからそういうことをしない。
 
日本と中国には、靖国神社、経済、常任理事国、教科書などの問題があり、近い将来、よくなる見通しはあり
ません。 韓国はどうかというと靖国神社は北京政府が言っているから乗じているわけであります。 北京政府
が言わなければ言わない。 韓国は最近下火になりましたが、慰安婦問題を持ち出した。
 
突然言い出したのでおかしいと思っていたら、どうも裏でけしかけてそういう問題を 表面化する日本人がいる
んですよね。 靖国神社も北京政府に抗議したらどうだと言う 非国民的な日本人がいる。 アメリカのCIAやFBI
ならかぎつけてすぐに国辱ものとして裁判にかけます。 ところが日本政府にはそこまでの力はありません。
 
  ・ 共産党一党独裁はいずれ崩壊の途に
北朝鮮の核の問題は近い将来解決しません。 北朝鮮が一番恐れているのはこの問題を国連にもちだし安全
保障理事会が北朝鮮に命令をすることです。核製造を中止しろ、しない場合は経済制裁を加える。 日本だけで
なく他の国も経済制裁を加える事になりますから、困ってしまいます。
 
拉致問題には北朝鮮は聞こうとしない。 拉致被害者団体は経済制裁を加えよと言っていますが、北から客船
が新潟に入ってくるのを差し止めればいいわけです。 共産主義が非常に盛んだった一九五〇年代のアメリカ
の国務長官はダレスでした。
 
サンフランシスコ講和条約を起草した人です。 ダレス氏は共産主義者に対抗できるのは「力」しかないとはっき
り言っています。 「力」しかないというと哲学を受け継いだのがレーガン大統領です。 彼はソ連のことを悪の帝
国といっている。 よくもひどいことを言うもんだと思った人が多かったでしょう。 そしてソ連をやっつけるにはどう
したらいい、ソ連は世界全体を制覇しようとしているから、アメリカより強いというところを世界に見せたい。
 
しかし、経済力をみてみますと、アメリカの経済力の半分ぐらいしかないとCIAは 見ていました。 私は1/3ぐ
らいと思っていました。 経済が半分にも関わらずアメリ カの軍事力を上回っていたわけですから維持するのは
難しい。 無茶な話です。 経済的に崩壊するのは決まり切っている。 レーガンはそこに目をつけたのです。
 
アメリカの軍事力を増強させるに合わせ、ソ連は更に軍事力を増大させ、経済的基盤がついに崩れたのです。 
そして悪の帝国と呼んだソ連のゴルバチョフ首相と話し合いをした。 この人も理性的な人間でした。 ソ連が崩
壊した道を作ったのがレーガンだったのです。
 
今でも中国も共産党一党独裁、経済は資本主義。 大変な矛盾であります。 続くわけがない。 小平という
共産党の偉大な指導者(総書記)が今から十数年前に、黒いネコで も白いネコでもネズミをたくさん捕るネ
コがいいんだと言いました。 共産主義経済であろうと資本主義経済であろうと問題ではない。 効率の高い
ほうがいいんだと。 見てみると資本主義のほうが効率がいい。 だから資本主義経済を導入したのです。
 
彼がもっと生きていたら政治面でもネズミをたくさん捕るネコのほうがいいというので、共産党一党独裁を止めて
民主主義体制にいたかもしれない。 ところが死んでしまった。 それから一党独裁はいまだに残っている。
 
一党独裁で資本主義経済ですから、現在ではどんどん資本家を党に入れている。 共産党には不平分子が
たくさんはいってきて危なかっしいと北京政府は思っている。 日本としてはどうかというと、力を持って対抗
しなければならない。 中国に対し日本は経済援助、技術援助を盛んにしている。 今でもしています。 それを
中国が問題を持っ てくれば減らすとかストップすればいい。 北朝鮮にしても客船の入港を拒否すればいい。
 
ところが小泉さんはようしない。 つまり力を見せようとしない。 だからいつまでたっても解決しません。 こうみてみ
ますと、極東における日本の立場はますます苦しい状態になってきております。
 
  ・ 科学万能主義の欠陥を見直す転換期が近い
こういって終わりますと、何と悲観的な空気で終わりますが、もう少し長い目でみる と、世界全体がこれから変
わって行きます。 世界全体の空気が変わって行くと思う。 共産主義はますます衰退していかざるをえない時代
になっています。
 
過去三百五十年の間は科学万能主義の時代でありました。 アイザック・ニュートンがりんごが木から落ちるのを
みて、地球に万有引力があることを発見した。 哲学者であり科学者であるデカルト、この二人が始めたのが科学
万能主義で三百年以上続きまし た。
 
経済的な方法、自然科学的方法でとられらえられないものは存在しないというわけです。 自然科学な方法でとら
えられるものは質量のあるもの、エネルギー的なものであります。 そんなわけですから霊なんて存在しない、神
なんて人間が勝手に考えだしたものだという科学者もいました。
 
最近、科学は、特に宇宙に関しては急速に進みました。 なぜ急速に進んだかと言うとコンピューターのおかげで
す。  これまで二、三月かかって解決できた問題がわずか数分で計算できるようになり宇宙の構造がわかるよう
になったのであります。 宇宙の動 き、天体の動きやその他の動きを見ていると、そこに意図が入っている。 目的
があるのです。 それを理解しないと本当に理解したと言えないようになった。
 
それは生物学者や哲学者の間でも、そういう動きが出てきました。 アメリカでは特に精神科のお医者さんの間
にその考えが出てきました。 アメリカの有名な精神科のお医者さんで、ブライアン・ワイズという人がマイアミ大
学の医学部の精神科の科長を しています。 他の精神科の医者が手に終えない患者を彼の元に送ってくるよう
な医者です。医者ですから自然科学者です。 神、霊を口に出して言えななかった。 ところが患者を治療している
間に行き詰まってしまった。 霊的なものにつき当ってし まったのです。 そして「インテリジェント・デザイン・セオリ
ー」という学にまとめて、いろいろな本をだしベストセラーになっています。
 
アメリカではダウィーンの進化論が本当か、聖書にある万能万物をつくった神様が人間を作ったか対立し、南部
のある州では問題になっています。 すべてのものをみると目的がその中にある。 目的を与えれているものは何
かと言うと神以外考えられない。 これを学校で教えるかどうか、三週間前にブッシュ大統領は両方教えるべきと
正式に発表しました。 一週間たった時、共和党のフイッチ上院院内総務は医者の出身ですが、 両方教えるべき
と言っています。
 
長い人類の歴史をみると今、転換期にきています。 黎明期と思っています。 これから人間はまた霊的に変わっ
て行くと思っています。 二千、三千年前の人間は極めて霊的でありました。 ところが三百年の科学万能時代に
霊的な薄れてしまって、肉のほう ばかりを見るようになったのです。 そういう観点からみると世界は変わって行く。
その観点から見ると、日本の将来もそう心配する必要はないと私は考えております。
 
<<<- このページの先頭に戻る
 
● ハワイは今
      ・ 州公立校、来年から統一スケジュールへ
      ・ アカカ法案 修正案提示 --- 司法省は先住民認知権は国会にない
      ・ 厳しくなった横断歩道取締法 --- 歩行者も違反したら罰金
      ・ カカアコ・ウォーターフロントの再開発業者内定 --- 総工費は六億五千万ドル
 ・ 州公立校、来年から統一スケジュールへ
ハワイ州教育理事会(BOE)はこの程、次期新学期(二〇〇六〜〇七年)を発表 した。 イヤー・ラウンド(年中)
学期は、授業日や休暇が学校により異なり、複数の子供をかかえている親は移動時間が異なるので調整し難
いと不評だった。 そこで BOEは、元に戻し統一することを決めた。 来年の学期は七月二十七日に始まり、 翌
年の六月七日に終る。
 ◎ 秋休み: 十月二日から六日まで。
 ◎ 冬休み: 十二月二十一日から一月十日まで。
 ◎ 春休み: 三月十九日から三月三十日まで。
 ◎ 夏休み: 六月八日から七週間。
年間の休みは一、三、二、七週間で十三週間となる。
 
 ・ アカカ法案 修正案提示 --- 司法省は先住民認知権は国会にない
ハワイ州内に住むハワイアンの主権を認め、領地と人民を管理する自治権を認知するアカカ案の最終修正案が
発表され、関係委員会に送付された。 今回の修正案は最終案件と呼ばれ、後がない。 アカカ上議事務所では
同修正案はOHA、州政府より同意を得た者で上院本会議可決に大きく前進したと意気込んでいる。 次の四項
目が 大きな修正事項である。
 
1.ハワイ王国が米国統治領として合併された当時、またはそれ以後に起きた領土所 有権の論争に米国政府、
     州政府を巻き込まない。 同論争はアカカ法の成立で組織される連邦認知ハワイアン統治局が管轄する。 
     新統治局は同論争で国歌または地方自治体 (州)を法廷に提訴できない。
2.同統治領内では一切のトバク行為を原則的に禁止する。 なんらかの理由でトバク施設を容認する場合には
     国または州の認可を得ること。
3.米軍当局は同統治局との交渉権を持たず、必要な場合、米軍は全てを優先し、領土を使用できる。
4.領土内の自治権は認めるが、国家と州政府は一般、州民の民事権、刑事権を保有する。
 
アカカ上議事務所のデラクルーズ・スポークス・ウーマンは、「最終修正案は去る 七月に連邦司法省が示した懸念
を含み、ブッシュ政権の懸念も対応していると思う。 同修正案が、全てのファクターを満足させたとは思わないが、
上院内での大きな懸念はクリアできると思う」と修正案を高く評価した。
 
これに対し、アカカ案に反対するハワイアン・グループ「フイ・プー」(ハワイアン の自立に反対するハワイアングルー
プの統合グループ)のアンドレ・ペレズ氏は「修正案はハワイアンの自立権を骨抜きにするもので、以前よりも悪い」
と反している。
 
ハワイ大学のハワイアン・スタディ・センターのジョン・オソリオ所長もペレズ氏に同調し、「ハワイアンの自立権主張
は百年以上前に犯された不等な領土摂取を撤回しようとする、当初の主旨を放棄することになる。合衆国にハワイ
アン諸島が統合され た時の不正を正すのがハワイアン自主権認知の最大の目的のはず。 今回の修正案はそ の
権利を放棄することに繋がる」と修正案に否定的。
 
ハワイ大学のハワイアン・スタディ・センターのジョン・オソリオ所長もペレズ氏に 同調し、「ハワイアンの自立権主張
は百年以上前に犯された不等な領土摂取を撤回しようとする、当初の主旨を放棄することになる。 合衆国にハワイ
アン諸島が統合された時の不正を正すのがハワイアン自主権認知の最大の目的のはず。 今回の修正案はその権
利を放棄することに繋がる」と修正案に否定的。
 
ハワイアンはアメリカン・インディアン同様の先住民族である。 インディアン同様の自立権を与えられるべきだとする
アカカ法案は国会下院ではすでに五年前に成立。 国会上院に同案が提出された時には共和党議員が過半数を占
め、同案の成立に難色を示してきた。
 
共和党政権の司法省では同案の内容が憲法に違反する。 先住民を認知する権利は国会にはないと、再度に亘る
意見解釈を示した。 「意見解釈は司法省独自の解釈でブッシュ政権の最終解釈ではない」とアカカ事務所では同
案の上院本会議審議を主張している。 エド・ケース下議(民)も「違憲か合憲かを上院本会議で審議すれば良い。
そのためには本会議上程は不可避である」と解釈の相違を充分審議すれば、アカカ案は理解されると審議時間の
必要性を主張している。
 
ハワイアンの自主権、自力権を認めることはハワイ州内にハワイアン保護区を設置すると言うのか、税金はどうなる
のか、民事、刑事、逮捕権など、具体的な案件は何も 公表されていない。 ハワイアンのグループも対立し、分裂し
たま自立反対グループ も存在する現実をどう対処するのか、国会以上に現地ハワイでのコンセンサスは目下不明
である。
 
・ 厳しくなった横断歩道取締法 --- 歩行者も違反したら罰金
州交通法の横断歩道取締法が九月一日から実施されている。 州内の交通事故で歩行者が犠牲になる事故が多く、
全国五十州の中で、人口比率で四番目に高い統計が発表されている。 キング街や、デリングハム、ヌアヌ・パリハ
イウェーで多発する交 通事故は特に多い。 改正された横断歩道取締法は運転手の他に歩行者も厳しく規制 される
ことになった。
 
要点は、
 ◎ 歩行者は必ず横断歩道内を横断。
 ◎ 運転手は歩道内の歩行者が自分の運転する側を横断している間は完全停止すること。

この二点だけ。従来はいずれの違反車にも注意をするだけだったが、新法は罰金が科せられる。 運転手は九十二
ドル、歩行者は七十ドルの罰金が科せられる。
 
次は、HPD交通課の主任との一問一答。
問: 自分の運転する側とはどういうことですか。
答: いくつかのケースでお答えしましょう。 ツー・ウェイ(両方通行)の場合を直進している時には自分の進行方向の
二車線内の歩道に歩行者が入る場合は完全停止。 歩行者が反対車線側に入れば進行できます。 一方通行の場
合(例:六車線でも)歩行者が横断しきるまで完全停止。 交差点に入る 時には特に気をつけて下さい。 右折か左
折する場合に歩行者が自分の車が進む側を 歩行中は完全停止。 対向車線に入ったら進行して下さい。
 
問: 歩行者が横断歩道内に入る場合はいかなる時も完全停止ですか。
答: ハイ。そうです。 判断に困るような時は運転手が歩行者を優先させる気持ちが欲しいですネ。 うかがわしい時は
完全停止して待って下さい。
 
問: 時々、歩行者が歩道から右折(あるいは左折)して車の運転手に先に行けと合図する時がありますが、
     そんな時はどうしますか。
答: 歩行者が例え先に行けと合図しても、先に行ってはいけません。 先に行った運転手が罰金を払うことになります。
どんな時でも歩行者優先を心掛けて下さい。
 
問:歩行者が罰金を受ける時はどんな時ですか。
答: Jウォークは罰金対象になります。 横断歩道内を真すぐ反対側の歩道に歩くこと。 横断歩道の半分くらいから斜
に歩く、横断歩道を出て、歩道に向うことも罰金です。 横断歩道内だけを横断して下さい。 横断歩道が遠く不便だと
いう住宅地はJウォーク の取締りはあまり厳しくしていません。
 
・ カカアコ・ウォーターフロントの再開発業者内定 --- 総工費は六億五千万ドル
カカアコ・ウォーターフロント地区ケワロベースン側の六十五エーカーの再開発計画は、A&B不動産(アレキサンダー
&ボールドウィン社の子会社)に内定した。 同地区の再開発計画には四社が開発案を提出していたが、HCDA(ハ
ワイ・コミュニティ開発庁)はA&B不動産社案を選んだ。
 
同案によると、ケワロ港を含む、六十五エーカーは五区画に分けられ、総工費六億 五千万ドルで十年の工期。 A&B
は来年一月までにHCDAと最終契約を交わす。
 
◎第一区画=フラ・カイ ジョン・ドミノス・レストラン(残留)のエワ側のビーチに近い十エーカーにフラ 専用の野外劇場
   を新設。 山手側に一万五千平方フィートの商店街。 二百台の駐車場。
◎第二区画=ケワロ・ビレッジ 第一区画のケワロ港に面した山手区画の十エーカー。 レストラン、小売店、ファー マ
   ース・マーケット、快適なプロムナード(遊歩道)と歩道橋で歩行者の散策区画。 五百八十四台の駐車場。
◎第三区画=ナ・ハレ・カイ 第二区画のエワ側の七・五エーカー、高さ二百フィートのコンド三棟を新設。 九百四十七
   室三万平方フィートの店舗、千六百八十三台の駐車場。
◎第四区画=ケワロ・パークサイド ケワロ港の東側の九エーカー。 一万七千平方フィートの店舗。 
   百四十二台の駐車場。
◎第五区画=ホロホロカイ ケワロ港の最先端に歩行者が休息できる屋根だけの大空間。 ケワロ港の入口にホロホロ
   カイと第二区画をつなぐ歩道橋を新設。 九百四十七室の三棟のコンド建設。
 
総額六億五千万ドル。 その中、第三区画のコンド予定地七・五エーカーはA&Bが五千万ドルで買収する予定。
残りの開発地はすべてリース。 A&Bは年間六十万ドルの店舗リース料を徴収する予定。
 
<<<- このページの先頭に戻る
 
● 大下治心の世相やぶにらみ
・ 「ガス・キャップ法は成功する!」 --- カエタノ前州知事の投稿記事の要約
ハワイでは九月一日からガス・キャップ法という、ガソリン価格を抑え、少しでも安いガソリンを市民に提供しようと
言う新法が施行されました。
 
同法についてはこのコラムでも取り上げてきましたが、酷評の多い同法をベン・カ エタノ前州知事(民)は去る九
月十一日のアドバタイザー紙日曜版の「フォーカス」 欄に、同法の釈明とハワイの石油業界の横暴振り(?)を寄
稿していたので要約してみました。 題名は「ガス・キャップ法が採用されていなければ、ハワイのガソリン価格は
天井知らず」。
 
ハワイのガス・キャップ法は一部、評論家が指摘するような悪法ではなく、ガソリ ンの市販価格を押さえる目的で、
すでに使命を充分果たしています。 確かにこの二週間で市販価格は八十セント以上上がりましたが、もし同法の
施行がなかったら、ハワイのガソリン価格はそれ以上に上がっていたはずです。
 
リングル州知事(共)は石油会社に書簡を送り「PUCガイドライン価格より低い 価格で卸売りしてくれ」とお願いし
ただけです。 共和党議員も「政府が価格統制すべきではない。 自由市場の原則を守ることで、価格は安定する」
と言う従来の慣習を繰り返しているだけです。 「他に方法がある」と言うリングル州知事は具体策を提示していま
せん。 石油販売業者に書簡を送る時には具体的な代替策を提示してこそ、政治指導者であるはずで、要は代替
策もないのです。
 
先ずハワイのガソリン市場はフリー・マーケットであるべきだと言う主張ですが、ハワイは自由市場だと言う認識
を石油会社自身が持っていないのです。ハワイには シェブロン・テキサスとテソロの二社の精油所があります。
ところがテソロの精油量は少なく、シェブロン社(世界第二位)の精油量が圧倒的に多く、ハワイ石油業界にはシ
ェブロンのオリゴポリー(一つの市場の大部分を少数の企業で占め、市場価格をコントロールすること)だと言わ
れてきました。 この辺の市場分析が正しく、市民に伝えられていません。 その責任はメディアにもあります。
 
自由市場と言う言葉が先走りして、自由市場こそ、市場のあるべき姿だと言う認識が変わっている現実にメディ
アがもっと早く気付いていれば、ガス・キャップ法は悪法という風評だけが先走りしなかったと思います。 ただ同
法の施によりハワイの市場価格が大幅に制限された事は事実だと言う事を市民は理解すべきです。
 
同法の適用で九月上旬のハワイのガソリン市販価格は全米で三十五位とちゃんと恩恵を受けているのです(米
本土の価格上昇がハワイよりも大きかったため、ハワイは平均価格でランクを下げた)。
 
ハワイのガソリン価格は米本土よりいつも三割高で推移していました。 同価格は原油価格が上がればすぐ上が
るが、下がった時には下がらないと言う不思議な市場に原因があるのです。 そもそも、ガス・キャップ法の採用に
至る経緯は一九七〇年代にさかのぼるのです。
 
石油ショック時に政府は石油元卸し企業に運営コストの提示を求めたが拒否された。 そして、一九九八年に州
政府が元卸企業(当時七社)を「談合による不当利益」の還元を求める訴訟で、初めて企業の操業コストの内部
書類を取得しました。 同訴訟 は企業が合計二千五百万ドルを示談金として州政府に支払う事で一件落着した
のですが、同提訴でハワイ進出元卸企業が撤退し、シェブロンとテソロの二社となったのです(その他小元卸企
業は二社ありますが、量的には少ない)。
 
一連の押収書類で明らかになった次の二点は驚くべき事実です。
 ◎ ガソリン市場はコンペティション(競争)はない。
 ◎ 石油会社は利益を最大に確保した。
特にシェブロン石油のハワイ市場における事業展開は莫大な利益を会社にもたらしていたのです。
 
私の言葉では信じがたいでしょうから、法廷議事録から引用します。 シェブロン石油のマックスウェル・ブレチャ
ー弁護士は、「ハワイのガソリン市販価格は競争不足による結果だ。 談合によるものではない。 ハワイ市場は
『売り手寡占』と解釈し、 ガソリン市販価格をできるだけ高くしました。 勿論、利益も高く、ボロ儲けにつながりま
した」と証言しています。 そして最後に、「ハワイには価格競争と言う状況はなかったのです」と付け加えていま
す。 つまり石油元卸企業はハワイでは好き勝 手な価格で暴利をもさぼったと企業側が証言したのです。
 
こんな業界に対し、州議会は傍観することが出来なかったのです。 更にシェブロ ン石油の経営幹部の一人、トラガ
ー氏はブレチャー弁護士に次いで証言台に立ち、州政府弁護士の反対書簡に対し、
 Q: ハワイ市場はシェブロン石油にはボロ儲けの市場だった訳ですね?
 A: はい。
 Q: 国内で最も多くの利益をあげた州ですね?
 A: はい。
と平然と答えているのです。
 
ボロ儲けを裏付ける数字は同社の利益の二三%をハワイであげている事実です。 石油の消費量は三%にしか過
ぎない小州ハワイの売上はシェブロン石油、全国の総利益の二三%を稼いでいたとなると何をかいわんやです。
 
もともと価格競争の市場ではないハワイに、自由市場の展開を期待する方がムリと州議会が価格統制に乗り出し
たのは必要な処置です。 どこまで価格低下に寄与できるかはこれからの価格推移を見なければ分かりませんが、
手段として間違ったとは思えません。
 
石油会社が最大の利益をあげるため、あらゆることを考えるのは当然だとすると、リングル州知事の「ガイド・ライン
より低い価格で売ってくれ」と頼むことは無意 味です。 リングル州知事側近にキティー・ラガレダ女史がいますが、
彼女は長年シェブロン石油のPRを担当する会社の役員でした。 そんな側近がいる以上、州知事官房からの石油
企業追求の鉾先は必然と鈍ってくるはずです。
 
石油企業に送った書簡は何の効果もないことは当人も周辺も知っています。この件について記者会見を開く暇が
あるのなら、代替案の創案をすべきです。ガス・キャ ップ法がどのような効果をもたらすか。 時間が解決することで
しょう。 同案をバカ にしていた米本土の多くの州が同様な案件を審議しはじめた現象をどう評価するのでしょう。 マ
ーケットも従来の原則を無視して複雑に推移しはじめた現状を新しい分野として認識する時代がきました。
 
以上はベン・カエタノ前州知事のアドバタイザー紙寄稿記事よりの要点です。
 
<<<- このページの先頭に戻る
 
● “日米両国の年金・医療保険制度に二重加入していませんか?”
 ・ 社会保障に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定10月1日に発効
「社会保障に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定」(日米社会保障協定)が、十月一日より発効される。 
在留邦人の関心が高いこの協定について、九月二十日、在ホノルル日本国総領事館で標記説明会が行われ、
社会保険庁の大渡 匡(おおわたり よしただ)国際事業室主査、社会保険業務センターの光行栄子(みつゆき え
いこ)業務調整専門官の二人が同協定の説明を行った。
 
◆日米社会保障協定の目的
日本と諸外国の間において国際的に活発な人的交流が行われていることに伴い、日 本の事業所から海外にある
支店や駐在員事務所などに派遣される日本人が増加している。 このような海外に派遣される人については、年金
制度をはじめとする日本の社会保険制度と就労地である外国の社会保険制度にそれぞれ加入し、両国の制度の
保険料を負担しなければならないことがある(二重加入の問題)。
 
また、派遣期間が比較的短い場合、外国の年金制度の加入期間が短いことから、年金が受けられないなど、外国
で納めた保険料が結果的に掛け捨てになってしまうこともある(保険料掛け捨ての問題)。
 
このような問題を解決するため、二国間で社会保障協定を締結することにより、年金制度等の二重加入を防止する
とともに、外国の年金制度の加入期間を取り入れ年金が受けられるようにする。
 
◆二重加入の問題について
― 日本からアメリカに行って就労する場合 ―
■ 日本の企業からアメリカにある企業へ派遣、出向するなどにより、日米両国の年金、 医療保険制度に加入する
    義務が生じる場合でも、いずれか一方の国の年金・医療保険制度に加入すればよいこととなる。
■ 日本の企業から短期間(五年以内と見込まれる場合)アメリカにある企業に派遣される人は、「適用証明書」の交
    付を受けることで、日本の年金医療保険制度のみに加入することになる。
■ 日本の企業から長期間(五年を超えると見込まれる場合)アメリカにある企業へ派遣 される人は、アメリカの年金
    医療保険制度のみに加入することになる。
 
― アメリカから日本に来て就労する場合 ―
■ アメリカにある企業から短期間(五年以内と見込まれる場合)日本の企業に派遣される人は、アメリカの社会保険
    庁での手続きが必要となる。 アメリカ側の事業主に相談する。
※ アメリカの年金・医療保険制度の加入が免除されるためには、事業主を通じて、管轄の社会保障事務所において
「適用証明書」の交付を受ける必要がある。 また、アメリカの年金・医療保険制度のみに加入される方は、事業主を
通じて、管轄の社会保 険事務所や健康保険組合などに「資格喪失届け」を提出する必要がある。
 
◆保険掛け捨て問題について
― 年金加入期間の通算対象となる方 ―
■ 日米両国の年金制度の加入期間を持っている方で、加入期間不足によりアメリカの年金制度または日本の年金
    制度から年金を受けることができない方。
■ 日米両国の年金制度の年金制度の加入期間を持っているが、アメリカの年金制度加入中に障害となった、または、
    死亡したために、日本の年金制度から障害年金や遺族年金を受けることができない方。
 
― 年金加入期間の通算の主な仕組み ―
■ アメリカの年金制度の加入期間が一年六か月(六クレジット)以上ある方が、日米両国の年金制度の加入期間を通
     して十年以上になる場合は、アメリカの年金制度から老齢年金を受けることができる。
■ 日米両国の年金制度の加入期間を通算して二十五年以上になる場合は、日本の年金制度から老齢年金を受ける
     ことができる。
 
― 通算による年金の申請手続き (日本国内) ―
■ 通算によるアメリカの年金の申請は、社会保険事務所や年金相談センターの窓口で行うことができる(老齢年金
     の申請手続きが受給権発生から六か月以上経過した場合、年金自体が受けられなくなるわけではないが、時
     効が適用され、遡りは六か月前までの年金までしか認められていないので注意が必要。遺族年金では六か月。
     障害年金では十二か月)。
■ 通算による日本の年金の申請が、社会保険事務所や年金相談センターの窓口で行われたときは、アメリカに年
     金加入期間の確認をしたうえで、通算を行う。
 
なお、詳しい説明は、社会保険庁ホームページの社会保障協定のコーナー  
 ( http://www.sia.go.jp/seido/kyotei/index.htm ) を参照のこと。
 
<<<- このページの先頭に戻る
 
 
当サイト上にあるリンク先の内容等については、EAST-WEST JOURNALが著作権を有するものではありません。
当サイト内の記事等は著作権法により保護されています。 弊社の承認なくコピーおよび転用は出来ません。
(C) 2005 EAST-WEST JOURNAL CORP.  All Rights Reserved.