バックナンバー: 2005年 9月 1日
● トップ: 不動産ブームの中でアフォーダブル住宅は?
  官民共同で開発を促進する州政府

 * 「今、深刻な住宅不足になっています」
 * ハワイ州でのアフォーダブルの基準 
 * 4年間で492戸のタウンハウスを建設する
    州住宅開発公社 
 * 前回のバブル時代より緩和された規制 
 * 初めてマイホームを持つ人のローン 

写真提供:

● ハワイは今
 ・ ハワイ経済好調!七月の失業率は二・七%
 ・ 来年の州議会に大型減税案提案か 税収好調で市民還元?
 ・ 交通事故犠牲者急増 去年より二五%
 ・ 大衆運送機関導入案成立 未解決問題多く難航必死
 ・ 山積みする未解決問題
 ・ 交通渋滞緩和代替策 フェリーや初の有料道路案も
 ・ 新ガス・キャップ法が九月一日から施行
● 大下治心の世相やぶにらみ
 ・ 新ガス・キャップ法の不思議
 ・ サマータイム四週間延長
● アメリカ定点観測
 ・ 不幸な家庭はまちまち」では不十分?
    ロサンゼルス・ガーディナ市から --- マードック家の内紛
ビジネス・ニュース
 ・ アウトリガーがワイキキの中心地にあるワイキキ・ビーチコマー・ホテルを買収
● 観光客の人気スポットを訪ねて
 ・ 地元の人も十分楽しめる クアロア牧場
 ・ 熱帯魚と戯れるシー・ウォーカー
バックナンバー: 2005年 9月 1日
● トップ: 不動産ブームの中でアフォーダブル住宅は?
不動産ブームで住宅価格が値上がっている。 また、売却に好機ということで、賃貸物件 を売り出すオーナーも増え、
賃貸物件の減少が目立つ。 お金さえ出せば高価な物件も買 えるだろうし、高い家賃を払えば賃貸物件を見つけら
れるが、現実はそれを叶えるのは容易くない。 特にハワイのように全米レベルで不動産価格が高い所に住んでいれ
ばなおさらだ。
 
マイホームを持ちたいと思っている人も住宅ローンは低金利が続いているものの、買い やすい価格の住宅の絶対数が
不足している(不足しているからなお高くなる)。 新築コ ンドミニアムが次から次に建てられるが、どう見ても買いやすい
価格と言えない。アフ ォーダブルと名の付く住宅また賃貸物件はどこへ行ったのか。
 
こうしたアフォーダブル住宅開発は民間主導では実現は難しい。 どうしても政府の介入が必要となる。 去る七月にアフ
ォーダブル一括法案が実施され、州政府のアフォーダブ ル住宅実現への支援が本格化してきている。 アフォーダブル
住宅開発を扱っているハワイ州住宅コミュニティー開発公社に進行状況を聞いてみた。
 
* 「今、深刻な住宅不足になっています」
九〇年代初めのバブル経済崩壊後、不動産開発が低迷していたこともあり、あまり騒がれなかったアフォーダブル住宅
という言葉。最近の不動産ブームのおかげでアフォーダブル住宅の増やす事が緊急事項にあげられている。
リングル州知事や州議会でも不動産価格上昇と賃貸住宅不足で、アフォーダブル住宅開発を促進するために、今まで
のように非営利団体の開発だけでなく、民間の開発業者に対し奨励案を出し、開発の障害を取り下げ、もっと開発が
しやすい状況に置くことを話し合い、アフォーダブル一括法案が議論されていた。
州役所の中で、開発業者のパートナーとなり、アフォーダブル住宅開発を進めるのがハ ワイ州住宅コミュニティー開発
公社(Housing and Community Development Corp. of Hawaii 通称 HCDCH と呼ばれる)である。 HCDCH は州
厚生局の下にあり、四部門のプログラムを運営している。
 
第一はアフォーダブル住宅開発。通常、非営利団体が開発するプロジェクトのパートナーとなるが、今年のように最優
先課題となれば、民間企業とパートナーを組む。 州が州所有地を提供することで、土地代が不要な分、アフォーダブル
価格の住宅建設が可能になる。
第二はアフォーダブル住宅建設のために開発業者への低金利ローンや助成金の支給や、アフォーダブル住宅の開発
業者には消費税免除といったタックスクレジットなど、ファイナンス部門が行っている。 ファーストバイヤーのためにフラ
メエローンを提供してい る。
第三は連邦、州政府の公営住宅(パブリックハウジング)の運営と管理。第四にホームレスのための住宅プログラムを
行っている。
 
HCDCH のトップであるスティファニ・アヴェイロ専務理事は開口一番、「深刻な住宅不足 になっています」と、アフォーダ
ブル住宅/賃貸住宅不足を訴える。 昨今の不動産ブー ムで、住宅価格が上昇し、一般の勤労者にとり購入のハード
ルが高くなった。  また賃貸物件を手放す大家さんが増え、賃貸物件数が不足している。
 
低家賃の賃貸市場に貢献してきた公営住宅の多くは老朽化し一時しのぎで修理はするものの、大々的な改修がなさ
れていないため、空きが出てもすぐに次の入居者が入れると いう状態ではないことから、余計に数が少なくなっている。
 
「こうした公営住宅不足と低家賃の賃貸住宅不足でホームレスが増えてきています。仕 事を持っていてもホームレス
になるのです。 数年前では三百ドルぐらいの家賃の部屋があり、収入が少ない人でも借りられる事ができました。
 
ところが、今では、在庫が少なく同じ状況の部屋の家賃が二倍〜三倍に上がっています。 そうした三百ドルで借りて
いた人達は仕事があっても高騰した家賃を払うほどの収入がないため、自分の住まいを持つことが出来ず、親類や知
り合いの所に居候するか車の中 で生活をすることになります。  こうした隠れホームレスの人々の数が増えています。
 
それに千二百ドルや千四百ドルの家賃を払っているテナントでも、大家さんが売却した いというので、借りている所を
出なければならないという例が最近は多く見られます。  支払う家賃はあっても借りる所がないという人も出てきてい
ます。
 
誤解しないで下さいね。 私は大家さんやビジネスの人達に苦情を言っているのではありません。 ビジネスですから利
潤を求めるのは当たり前のことです。前回のバブル崩壊から長い間、不動産価格が低迷していた、そして、やっと売る
機会がきたのですから。 しかし違う視点で見ると、これが賃貸物件不足を招いています。
 
我々は毎年二百〜四百戸の住宅を提供してきましたが、今年のような深刻な住宅不足を目の前にしては、例年のよう
な数では到底間に合いません。 州もこの事態を重く受け止めており、州議会でアフォーダブル一括法案が通過し、七
月一日に州知事が署名をし法案が実施されました。 これにより、民間企業の中で、アフォーダブル住宅供給の気運が
盛り上がる事を期待しています」と、アヴェイロ専務理事。
 
制定されたアフォーダブル住宅一括法は、賃貸住宅ローンや助成金を求めている開発者のために、より大きな柔軟性
を与えるもので、プロジェクトの半分をアフォーダブル価 格として造る開発業者には消費税の免除、中間世帯収入の
八〇%またはそれ以下の家族のための賃貸住宅を造る開発業者には賃貸住宅基金を優先的に低金利で貸すといっ
た内容である。
 
この基金を増やすために、州は七月一日から売り手が支払う不動産譲渡税率の改正を行 った。 今まで百ドルに対し
十セントかかっていた税率を六十万ドル〜百万ドルまでは二十セントへ、百万ドル以上は三十セントへ引き上げた。
この税収入を賃貸住宅信託基金に入れることになった。 また、HCDCH は住宅開発エージェンシーと公営住宅エージェ
ンシーに分けて再組織化する事で、それぞれの役割と責任を明確化し、住宅開発を促進することにしている。
 
* ハワイ州でのアフォーダブルの基準
アヴェイロ専務理事は、アフォーダブル住宅の開発は官民が協力しなければ成功しない と強調する。「州自体が建て
るより民間企業主導で建設するほうが能率的で経済的に出来上がりますので、州は非営利団体や民間企業とパート
ナーになり支援していくという方法をとっています。 アフォーダブル住宅は政府の援助なしでは成立しません。 州の
土地を提供するか、州が財政的援助をするか、市場価格・アフォーダブル価格のミッ クスユーズ住宅開発を許可する
かで、業者は市場価格で売れた利益をアフォーダブルに還元する事ができるようになるのです」
 
ところで、アフォーダブル価格とはハワイではいかほどだろう。 アフォーダブルの意味は手頃な、手が届く、無理なく買
えるという訳が当てはまるが、誰にとって手頃な価格かと言うと、中間所得者やそれ以下の人が手に届く額がアフォー
ダブルと言えよう。
 
全米で物価が最も高い州に入るハワイでのアフォーダブルのハードルは高い。 ハワイで買える中間住宅価格で、米本
土の田舎の州では豪邸が買える例も少なくない。 取り引 きされた住宅価格の最高と最低から数えて真ん中の額を中
間価格と呼び、価格の高低ラインの指標にしているが、最近のハワイの中間価格を見ると、ハワイのアフォーダブル基準
から見ると高い。中間価格は中流価格でなくなってきている。
 
ハワイ州の一世帯中間年収は約五万ドルで、中間年収の六〇〜一四〇%に当る年収の人が購入できる額をアフォー
ダブル価格と見ている。 州の調査では今後、アフォーダブル価格の賃貸住宅一万七千戸、分譲住宅一万三千戸を必
要としているという。 必要数が実現するかどうかは別として、州では積極的にアフォーダブル住宅開発を進めていくと言
う。
 
* 4年間で492戸のタウンハウスを建設する州住宅開発公社
今年二月に HCDCH はカポレイ・オブ・ビレッジ2、5、6地区の州所有二十エーカーの土地にアフォーダブル価格のタウン
ハウスを建設する計画を発表し業者を募集した。 三月には、オアフ島ワイアナエにウルエヒ・アパートメント・プロジェクト
の業者を募集している(業者選定はまだ発表されていない)。
 
六月にカポレイ・オブ・ビレッジのプロジェクトには、ミリラニやロイヤルクヒオの総合開発業者で知られるキャッスル&クッ
クホームズを開発業者に選定した。四年間で 四百九十二戸のタウンハウスを建設し、そのうちの二百五戸は分譲、二百
八十七戸は賃貸にする。 応募資格はホノルル(オアフ島)世帯中間年収の六〇〜一四〇%(四人家 族四〇、六八〇
ドル〜九四、八五〇ドル)。販売価格は来年から始まる販売期の中間年収、金利によって決定される。
 
もし、現在の年収基準で賃貸するとすれば、スタジオサイズで七百十一ドル、四ベッドルームで千九百六十四ドルの家
賃になる(四〇、六八〇ドル〜六七、七五〇ドルの年収)になるというから、市場価格より割安である。
 
第一期工事は来年七月から開始され、最初の入居は二〇〇七年七月〜九月。 すべての住宅が完成するのは二〇一
〇年六月の予定。 推定工費は一億八百万ドル。州の土地を使用することと、州支援の低金利ローン、州の免税案を利
用することで、民間企業が開発に動きだせる。また、今年のアフォーダブルハウジング法案が制定された事で、開発に踏
み切れた非営利団体もある。
 
セント・フランシス・ヘルスケアシステムが二つの病院を売却し病院経営から撤退したが、同システムは高齢者のための
アフォーダブル・タウンハウスと賃貸住宅プロジェク ト「フランシスカン・ヴィスタス・イン・エワ」を開発する計画を発表した。
セント フランシスヘルスケアシステムの緊急医療から長期介護への事業変換の方向へ進むものである。
 
エワの旧シュガーミルの跡地二十三エーカーの土地を二〇〇三年に四百三十万ドルで購入し、三百戸のシニア向けの
賃貸住居を建てる計画を持っていた。 しかし、数年の間の不動産ブームで建築コストが大幅に上昇したため、賃貸だけ
では財政的に難しく、この六月に発表した計画では、タウンハウス形式三百二十六戸を建設し、百五十戸を賃貸物件、
残りを分譲住宅として販売することにした。
 
これにより州消費税免除と助成金を得ることが可能になった。 三年間、連邦政府住宅都市開発局から三百九十万ドル、
ハリー&ジーネット・ワインバーグ財団から三百五十万 ドルの助成金を受け取った。 工事は今年末に開始、二〇〇七年
に完成を見る。 分譲は 住宅価格を低くするため借地権にし、年令は六十二才以上のシニアで低中流所得者を対象とし
ている。
 
単なるシニアホーム建設だけでなく、長期介護に必要な施設、サービスを提供する。 施設にはシニア・コミュニティーセン
ターやアダルト・ケアセンターができる。 将来の居 住者の健康ニーズが増えることで、補助規則や入浴や食事、送迎、
料理などのサービスを世話するケース・マネージメント・オフィスの設置される。 しかし、サービスは一括 したパッケージ
形式でなく、アラカルト形式で居住者が必要とするサービスを選ぶ事で費用を軽減することを考慮している。
 
自分の家に住みながら安心して長期介護を受けれる介護環境を造るのが同システムのゴールである。 価格や入居条
件は次の通り。
■ 平家のタウンハウス
 一&二ベッドルーム(六〇〇〜一、〇〇〇平方フィートの広さ)が百三十六戸。
家族二人で年間収入が二七、一〇〇ドル〜五四、一四〇ドル。
■ 二階建てタウンハウス
二&三ベッドルーム(一、一七〇〜一、三二五平方フィートの広さ)が百三十戸。
家族四人の年間収入が五一、八〇〇ドル〜六七、六七〇ドル。
■ 二階建て住宅
二&三ベッドルーム(一、二〇〇〜一、六五〇平方フィートの広さ)が六十戸。
家族四人の年間収入が六一、六〇〇〜七七、〇〇〇ドル。
 
七月に販売が開始したカカアコ地区の「ケオララニ」(クイーン街とサウス街角)は A&B 社の開発による三十七階建ての
住居・商業コンドミニアム。三百五十二戸のユニ ットのうち、六十三戸は市場価格以下のアフォーダブル価格で販売され
ている。 一 ベッドルーム三十四万ドルからの市場価格がアフォーダブル価格では二十九万六百四 十三ドルから。
この価格の購入資格は年収に制限がある。
 
またA&B 社は公共施設に百三十万ドル、カカアコ再開発を担当する HCDCH のアフォーダブル住宅プルグラム準備金に
百二十万ドルと、計二百五十万ドルを寄付する。
 
* 前回のバブル時代より緩和された規制
八〇年末から九〇年のバブルの頃も住宅の値上がりでアフォーダブル住宅建設が叫ばれ たが、政府が要求するアフ
ォーダブル住宅のハードルが高く、計画倒れで終わった例が多かった。
 
「バブル時代、州は新しい住宅開発に対しアフォダブル住宅建設を義務づけました。い くつかの市場価格とアフォーダ
ブル価格のミックス開発は六〇%がアフォーダブル、四 〇%が市場価格とアフォーダブルを重視したもので、開発業者
にとって厳しい規約でした。 またそれ以外に、同じ地域に市場価格とアフォーダブルを造るというのもありましたが、うま
く行きませんでした。 例えばカカアコのように土地が高い所では、同じ場所にミックス住宅を建てる十分な土地がありま
せんし高額になり、アフォーダブルで販売 するのが難しかしくなったのです。
 
結局、どうなったかというとアフォーダブルの要求が高すぎたので、業者の中には計画 を断念する人が出てきて、アフォ
ーダブルに関係のない住宅を造るようになりました。 また、その後は経済が低迷しましたから、開発業者でアフォーダブ
ル住宅を開発しようという動きも起りませんでした。 しかし、こうして経済が良くなってきてデマンドが高くなると、アフォ
ーダブル住宅開発に関心を持つ民間業者が出てきました。
 
お金儲けだけでなく開発業者の多くは現状のアフォダブル住宅不足を何とかしようと思 っています。ハワイの自分達の
子供たちが住む家がないために他州へ移る事を心配しています。 最初に話しましたように、民間企業だけでは開発は
難しいです。 政府が民間開発業者がアフォーダブル住宅を手掛けてくれるために支援をしなければなりません。
 
以前のミスをくり返さないためにも、ミックス開発においても半々にするとか、アフォ ーダブル資格を中間年収の一四〇%
に引き上げ民間企業が参入しやすいように柔軟性を持たせています。
 
また、同じ場所でなくても土地の高い所では市場価格を建て別の場所でアフォーダブルを建てるというミックスの可能性
も議論されています。 今のハワイは雇用があり経済は順調です。 地元の開発業者だけでなく、米本土からの開発業
者もハワイでの開発に関心を持っていますし、我々も開発業者と一致協力し、より多くのアフォーダブル住宅建 設に取り
組んでいきます」
 
と、アヴェイロ専務理事は語った。
 
* 初めてマイホームを持つ人のローン
政府が運営する公営住宅は入居資格は低所得者対象になるため、中間所得者よりやや下という層にチャンスがない
が、今後、進められる民間企業との共同プロジェクトでは資格枠が広がるようだ。
 
また賃貸だけでなく、分譲価格は中間年収の一四〇%まで資格を広げているので、中間 層のバイヤーも購入できるチ
ャンスが増える、最近は家賃の値上げで賃貸を続けるより、 税控除も認められる持ち家購入を考えている人が増えてい
る。 そういうファーストバイ ヤーを支援するローンも政府は支援している。
 
▲ ファーストバイヤーのための教育センター 
HCDCH、金融機関、保険会社、不動産会社などの支援を得て運営される非営利団体「ハワイ・ホームオーナーシップ・
センター」では、ファーストバイヤーがマイホームを購入するための知識、購入までの順序、ローン教育を勉強すると共
に、個人別の相談、低中流所得者がマイホームを購入できる援助プログラムの応募を手伝ってくれる。
 
オアフ島とカウアイ島でクラスを開いており、七月にはセンターの役割とホームオーナ ーへのゴールに向かう方法など
を教える一時間のオリエンテーション(無料)には千二 百五十四人が参加し、五百四十四世帯が会員(八時間のクラス
と個人相談で百ドル、住宅を購入した場合は五十ドルが返却される)になった。
 
「センターのコンサルタントが、会員の経済状態によって購入できる物件の額、返済能 力などで、それぞれの家族に合
った購入方法の相談を行います。 ローンを組んで買うわけですので、家を探す前にローンの準備を行います。 自分達
が購入できる限度額の物件に的を絞れば、やみくもに家探しをすることもありませんし、欲しい家を見つけてから ローン
探しをする必要もありません。 初めて家を購入する時に勉強しているのとしていないのでは、時間的消費、精神的ストレ
スに大きな違いがあります。
 
七月に受講された会員の中で契約完了が百一世帯、エスクローに入っているのが三十四 世帯、モゲージ承認、承認
近しで二百三十五世帯と大きな成果を収めています」とケン デル・ヒライ・ハワイ・ホームオーナーシップ・センター専務
理事は、ファーストバイ ヤーがこのセンターを利用し、マイホームの実現を叶えてほしいと願っている。
電話: 523 - 950
 Webサイト: www.hihomeownership.org
 
▲ フラメエ(HULA MAE)ローン 
州が支援している住宅ローンで、購入資格はハワイ州のアフォーダブル基準と言える。  去る六月にHCDCHは、四千五
百九十万ドルの基金をファーストバイヤーの三十年固定 金利フラメエ(HULA MAE)ローンのために用意していると発表し
た。 約百五十世帯が、このローンを利用できると予想している。
 
金利は七九年にフラメエ制度が始まって以来の低金利の四・四五%(金利は変更がある かもしれないが、市場金利より
低い金利で借りれる)。 これにローン額から二%(売り手買い手各一ポイントづつ)のポイントが一回切りの手数料として
加わる。 フラメエ ・ローンを申請できる資格は、ハワイ州に居住しアメリカ市民権または永住権保持者で、 過去三年
間、持家を所有していない人。 年収、購入価格に次のような上限がある。
※ 年収上限(三人家族またはそれ以上) 
 *オアフ島 九四、九二〇ドル
 *マウイ島 九五、〇六〇ドル
 *カウアイ島、ハワイ島 七九、八〇〇ドル
※ 年収上限(一人家族、または二人)
 *オアフ島 八一、三六〇ドル
 *マウイ島 八一、四八〇ドル
 *カウアイ島  七七、五二〇ドル
 *ハワイ島 六八、四〇〇ドル
※ 購入価格上限
 *オアフ島 五五五、八〇二ドル
 *マウイ島 五〇〇、五六五ドル
 *カウアイ島、ハワイ島 三六〇、〇〇〇ドル
 
フラメエ・ローンは次の銀行、モゲージ会社で申し込める。
 ◎ アメリカン・セービング・バンク
 ◎ バンク・オブ・ハワイ
 ◎ カントリーワイド・ホーム・ローンズ
 ◎ ファースト・ハワイアン・バンク
 ◎ ハワイ・ホーム・ローンズ
 ◎ ホーム・ストリート・バンク
 ◎ ウエルス・ファーゴ・ホーム・モゲージ・オブ・ハワイ
 
フラメエ・ローンの詳細は、 Webサイト: www.hcdch.hawaii.gov 、 フラメエホットラインは、808-587-0567。
 
▲ アメリカン・ドリーム・ダウンペイメント・インテンシブ
連邦政府住宅都市開発省(HUD)支援の低所得者のファーストバイヤーが一戸建てを購入する頭金の補助をする。
資格: オアフ島の世帯中間年収の八〇%以下。 過去三年間、持家を所有していない人。
条項:申し込み先着順で資格のある応募者を支援する。 最高補助額は五千ドル。
 
▲ ダウンペイメント・ローン・プログラム 
ファーストバイヤーの低中級所得者に頭金のためのローンを提供している。
最高額二万五千ドル。 
 
アメリカン・ドリーム・ダウンペイメント・インテンシブとダウンペイメント・ローン・プ ログラムはホノルル市郡政府で
申し込める。 
電話(ダウンタウンオフィス):527 - 5907      (カポレイオフィス):692 - 5809
Webサイト: www.honolulu.gov/dcs/housingloans.htm
  
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● ハワイは今
    ・ ハワイ経済好調!七月の失業率は二・七%
    ・ 来年の州議会に大型減税案提案か 税収好調で市民還元?
    ・ 交通事故犠牲者急増 去年より二五%
    ・ 大衆運送機関導入案成立 未解決問題多く難航必死
    ・ 山積みする未解決問題
    ・ 交通渋滞緩和代替策 フェリーや初の有料道路案も
    ・ 今年も四百人の教師不足 開校まで調達できると州教育局
    ・ 新ガス・キャップ法が九月一日から施行
・  ハワイ経済好調!七月の失業率は二・七%
ハワイの七月の失業率が二・七%と三か月連続で低水準を維持し、ハワイ経済の好調 を裏付けている。 州労務
局は八月十八日、七月の失業率(季節調節済み)を二・七 %、今年一月から七月までの平均失業率は二・八%と
低水準だったと発表した。
 
七月の就業者数は六十一万七千百五十人と三〇五%増(前年同月比)。 失業者数も一 万七千三百人で八・三%
減(同比)。 建設業界は相変わらず好調で五百人、通商、交 通、ユティリティ業界も四百人、教育、衛生業界で二
百人、観光業界で百人、各々職場を増やした。
 
労務局では、失業率はひとつの経済動向の重要なファクター(要素)で、現在大変好調 だ。 しかし、この低水準が
年内維持できるかという保証はない、と警告している。 なお、全米失業率は五・〇%と前年同月比で〇・五ポイント
改善しているが、ハワイの失業率との差は依然として二ポイント以上ある。
 
来年の州議会に大型減税案提案か 税収好調で市民還元?
ハワイ経済の好景気は州政府の懐を豊かにし、リングル州知事は来年の議会に大型減 税案を計上すると示唆し
た。 州知事は「最終案はまとまっていないが」と前置きして個人所得税の減税から法人の失業保険の減額を示唆
した。
 
州政府は前会計年度末は四億八千六百万ドルの余剰税収の他に、今会計年度も四億七 千三百万ドルの黒字を
予想している。 ハワイ憲法は州の実質税収が年額の五%以上の余剰を二年連続で計上した場合、同余剰額を何
らかの形で納税者に還元しなければならないとある。 ハワイ経済が上向きになり、税収入も順調に伸びてきた。 こ
の三年間で黒字(余剰)が出る様になった。
 
今年六月末で終った前会計年度で、税収入(歳入)は四億八千六百万ドルの余剰資金を出した。 来年六月で終る
今会計年度も、経済が予想以上に伸びるとして更に四億七千三百万ドルの余剰を予想している。 いずれも年間税
収入の一〇%以上の余剰になる。  リングル州知事は還元策として、
* 個人所得税の減税
   税率は下げないが控除額を大幅に増額し、現行のシングル控除額千五百ドルを二千五百ドルに。
    夫婦の場合は千九百ドルを五千ドルに増額。
* 介護保険の掛金を州政府が五〇%または最高千ドルまで負担。
* 企業の失業保険額の還元
   低失業率により、企業の失業保険積立金が余ってきた。 四億五千二百万ドルの余剰資金を向こう三年間で
    企業 に還元する、などを示唆した。
これに対し、キャルビン・セイ州下院議長は、「確かに州の税収入は好調です。 しかし 余剰資金が出来た、即、
納税者に還元をと言う訳にはいきません」と還元策に反対の意 向。 セイ議長は、「収入が少ない時、色々やり
くりして出費を削減しながらやるのは一般家庭も政府も同様です。 余剰が出来たのは出る方をカットした結果で
もあるから、そのカット部分は埋めなくても良いのかどうかを検討することも必要でしょう」と語る。
 
交通事故犠牲者急増 去年より二五%
今年のオアフ島の交通事故犠牲者数は八月十七日で五十五人と去年に比べ、二五%も大幅に増えている。 HPD
(ホノルル警察局)では運転手に注意を喚起している。 五十五人 の中で歩行者が犠牲になったケースは十八件。 
中、五人は横断歩道内で事故にあってい る。
 
HPDでは、「歩行者の方に責任があるケースは少ない。 ほとんどは運転手の不注意によるケースだ」と運転手に
安全運転を求めている。  去年同期には四十四人の犠牲者を出しており、中、歩行者は十六人。 三人は横断歩
道内で事故は起きている。  二五%増にHPDでは運転手が注意すれば多くの事故は起きていないと安全運転の
徹底を促している。
 
・ 大衆運送機関導入案成立 未解決問題多く難航必死
ホノルル市議会は八月十日の市議会で大衆輸送機関導入費の一部に当てられる〇・五% の消費税増税案、第
四十号法案を賛成七、反対二の賛成多数で可決した。 同法案は八月 下旬、ハネマン市長が署名した。 施行は
二〇〇七年一月。
 
ホノルル市は、朝夕の交通渋滞緩和策として大衆輸送機関の導入を四十年近く検討してきた。 一九九二年には
最終段階でホノルル市議会が五対四で否決したが、賛成派はその後も機関を軽鉄道として導入を模索してきた。
 リングル州知事(共)が、大衆輸送機関導入を正面から後押しすることで、州議会は今年の議会で導入に必要な
資金を消費税増額により賄うという下院案の〇・五%上乗せ策を成立させた。
 
同法は大衆輸送機関を導入する自治体に増税収を与えるというもので、ホノルル市郡政府はこれに応え審議を始
めた。  デラクルーズ議長を始め、アン・コバヤシ、ロッド・タ ム、ロミー・カチョラ、トッド・アポ、ギャリー・オキノ、ネス
ター・ガルシアの七市議員は法案審議の初めから賛成意見を述べ第三議会(最終議会)まで態度をかえず、反対
派を制した。
 
反対投票したチャールス・デジュ(ワイキキ地区選出)とバーバラ・マーシャル(カク ルア・カネオヘ選出)両市議員
は、予定されている輸送機関の恩恵を受けない地域にとって〇・五%の消費税増税は負担が大きすぎるし、総合
計画が何もないのに審議するのは無責任と反対した。
 
ホノルル市議会の今回の決議は「世紀の決議」とオキノ市議は高く評価している。 同市議員はホノルル市郡政府
の企画課に四十年勤務。 ワイパフからホノルル市の通勤は苦痛だったと大衆運送機関導入に大きな進展をみせた
ことに感激している。 今後のスケジ ュールは、大衆運送機関の具体的計画と環境影響調査を向う十八か月以内に
作製するが、すでに二社が応募しており、業者指名は三十日以内に行われる。
 * 二〇〇七年一月一日から消費税は現行の四%から四・五%に増加。
 * 二〇〇七年に第一期工事着工。
 * 二〇一二年に第一期工事完了。
 
山積みする未解決問題
年間一億五千万ドルの資金調達が決定したことで導入案は大きく進展した。 しかし多く の課題を未解決のままの
見切り発車ともいえる。
 * 具体的な機関選択はこれから行われる。モノレール、軽量鉄道なのか。
 * カポレイからハワイ大学マノア校までの十八マイルの路線に十七駅を設ける予定だが、 路線の土地交渉は始ま
   っていない。
 * 従って総工費予算は何も出ていない。十二年前の計画を参照すると総工費は二十六億 ドルを上回ると予想する
     専 門家もいる。
 * 連邦政府の補助金も「時期会計年度で優先する」とあるだけで、確約ではない。
 * 総工費の他、同機関の維持費がどの程度かかるのか。 一億五千ドルで賄えるのか。 州議会では一%増税案
     (上 院案)が半減されたが、充分かどうかはこれからの試算で出される。
 * 増税額徴収は州政府が担当で、増税額の徴収はホノルル市が担当すべきだとリングル知事は主張している。 
     もし市郡政府が〇・五%増税分を別途、業者から集める部門を新設するとなると年間五千万ドルの費用がかかる。
     一億五千万ドルをもらって、五千万ドルの経費を使うことは賢明ではないとハネマン市長は、州政府が消費税を集
     めて、総額の一二・五%を月々、市郡政府に支給する方法を希望している。 来年の議会で再審議される。
 * どれだけの乗客を搬送することで、朝夕のラッシュがどの様に緩和されるのかの試算もない。
 
交通渋滞緩和代替策 フェリーや初の有料道路案も
ホノルル市は大衆輸送機関導入に向けて大きく動き出したが、渋滞緩和策としていくつか の代替計画が平行して進
んでいる。
 * コミューター・フェリー:
    カラエロア(旧バーバース・ポイント)からホノルル港間に通勤フェリーを就航。 連絡バス路線の新設総工費六百七
     十万ドル。
 * フォード・アイランド橋経由:
     エワ地区のイロコイス・ロードを整備し、ワイピオ半島を繋ぐ車道橋を新設し、更に同半島からパール・ハーバー港の
     フォード・アイランドに車道橋を新設。   同島からカメハメハ・ハイウェーには現行の車道橋を利用。
 * ニミッツ高架道:
    ニミッツ・ハイウェーの上に高架道を新設。二車線は朝は東向け、夕方は西向けに利用。 総工費二億五千万ドル。
 * ワイケレ―第十六号棧橋間の有料道路:
    バスは無料。 その他の車税は時間帯による利用料金を払う。 総工費十億ドル。
フェリーが最も早く実現されそうだが、他の代替案はブルー・プリントの段階。
 
新ガス・キャップ法が九月一日から施行
ガソリン価格をおさえる州法(キャップ法)が九月一日から施行される。 ホノルル・ス ターブルティン紙(日刊英字紙)は
八月十二日のトップに、キャップ法は逆効果の可能性が高いと警告する記事を掲載した。
 
新キャップ法はハワイ州内のガソリン価格を米本土のOPIS(石油価格情報サービス)発表の卸売価格にスライドさせる
もので、卸売価格を押さえられるという原理の基で、OPIS は米本土のニューヨーク、ロサンゼルス、湾岸取引所の三か
所の卸売価格を公表している。
 
同紙の分析によると最近のガソリン価格の動向で比較するとキャップ方式で試算するとホノルルのレギュラー・ガソリン
価格は一ガロン、二ドル六十五セントとなる。 八月十日現 在でホノルル市のレギュラー価格は一ガロン、二ドル六十
一セントだから、キャップ法を適応すると四セント高くなる。
 
同じような比較でマウイ郡内の年均価格は一ガロン、二ドル四十セントだから二十九セン ト安くなる。 ヒロ市の二ドル
七十セントは九セント安くなる(州内では他島のガソリン価格がホノルルより一〇%前後高く推移してきた)。 つまり、
四郡四様の市場があるが、価格を押さえる新法適用で、ホノルル市場はかえって高くなるという事態が起こる。
 
新法適用による値上がりが起きるのは次の三状況が揃った時と警告した。
 (1) 米本土のガソリン小売価格が高騰気味で推移
 (2) ハワイの石油卸売業者が新法が容認する最大のマージンを取った場合
 (3) 小売業者も法定の一ガロン、十二セントの儲けをチャージした場合には、短期的結果として小売価格は
   上昇すると分析。
 
新法の適用で起き得る最悪の事態は石油業社のハワイからの撤退だという。 小売価格を政府が押さえる事態は自由
市場の原理に反し、企業はその市場からの撤退を選択するだろう とは、全米ガソリン市場ウォッチング協会の分析だ。 
高くなれば PUC (公益事業委員会) が市場介入し、価格の調整を行うという逃げ道を設けているが、その逃げ道は石
油企業が最も嫌う施策だ。 そんな事態では健全な市場回復は望めない。
 
「新法は価格の安定より、ガソリンの暴騰とガソリン不足を招く心配の方が大きい。リングル州知事は新法の凍結宣言
を直ちに発効することだ」と警告するのはウォッチング協会スタッフ。 州議会の多数野党の民主党議員は可決させた
面子もあり、「導入したら、どのような結果になるか、見極めた上で。 結果が予想に反した場合には速やかな見直し作
業をすればよい」と新法の予想通りの成果に期待している。 現時点では賛成派も反対派も結果を予想しかねている。
八月十五日の時点では新ガス・キャップ法は九月一日に施行される。
 
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● 大下治心の世相やぶにらみ
     ・新ガス・キャップ法の不思議
     ・サマータイム四週間延長
 ・新ガス・キャップ法の不思議
新ガス・キャップ法(ガソリン価格上限設定法)が九月一日から施行されます。ハワイ 州内のガソリン価格が米本土
より三〇%前後高く推移していることと、原油価格が安くなっても、ハワイ市場にはその恩恵がみられないことを含み、
四年前に州議会がガソリンの価格統制法の審議に入り、三年前に西部沿岸の市販価格にスライドした統制案が成
立しました。
 
その後カリフォルニア州の小売価格が急騰したことから価格計算のガイドをOPIS(卸価 格情報サービス)の統計数
値でハワイの卸価格の上限を制定する、に変りました。 つまり新修正法を一年伸ばして九月一日から施行されるこ
とになりました。 ガソリン価格だけが上がったのではなく、飛行機のジェット燃料も重油も灯油も全て値上がりしま
した。 原油価格が上がったのですから当然で、石油関連製品は軒並みに上がった訳です。
 
原油取引所の先物取り引き市場での価格は一バレル六十ドルを越え七十ドルの価格も時間外取引では出たと云い
ますから大変なことです。  ついこの前までは原油価格は一バレ ル三十ドル前後で推移していました。 それより十年
前には一バレル十ドルを割った時も ありました。 その頃から比べると原油価格は六倍、三年前に比べると二倍になっ
ている訳です。  ところが米本土のガソリン価格は三倍になっているのです。
 
「ハワイの現状価格は別に問題視することはないではないですか。 むしろ米本土の消費者がクレイムを出すべきでし
ょう」とは、バンク・オブ・ハワイのポール・ブリュウベ ーカー・エコノミスト主任の主張です。  ハワイの価格統制法は不
必要だったと言うのです。
 
さてもうひとつの現象に注目してみましょう。 今年四〜六月までの第2四半期の石油企業の業績が軒並みにアップし
たことです。 第2四半期の石油企業の決算です。
 ◎ 第一位のエクソン・モービル石油: 
     七十六億四千万ドル(前年同期比三五%増)
 ◎ 世界第二位のBP石油:
    五十五億九千万ドル(同比 二九%増)
 ◎ ロイヤル・ダッチ・シェル石油:
    五十二億四千万ドル(同比 三四%増)
 ◎ コノコ・フィリップス石油:
    三十一億四千万ドル(同比 五一%増)
 
一年前より三五%増のエクソン・モービル石油の三か月の売上は八百八十六億と言い ます。 八百八十六億ドルと言
えば、世界百九十二か国中、十八か国だけが八百八十六 億ドル以上の国民総生産を計上しているだけで、残りの百
七十四か国の一年間の国民総生産にも満たないそうです。 いやとにかく超モンスターと言えますね。 石油企業の数
社はそんなモンスター会社ばかりです。
 
あの世界最大手の小売企業、ウォルマート社も年商ではモビール石油より下です。 黒字額から見ると同社の黒字額
はシティ・グループより五〇%アップ、あのビル・ゲイ ツ氏のマイクロソフト社の利益の二・五倍の会社が揃って原油高
を利用して莫大な利益を上げているのです。 政府は調査のメスを入れるべきだと主張するエコノミスト もいます。
 
営利企業ですから、いかに利益を出すか経営陣は大変な努力をします。 大企業が経営不振から数万人の社員を解
雇し、経営の改善を試みます。 石油業界でも原油価格の高騰を理由に会社をスリム化したのも当然です。 そこでもう
一策として石油精製の縮小です。
 
原油高で市場価格の上昇を招き、更に石油の市場供給を制限したのです。 価格上昇に対し、消費者もクレイムせず、
国会までだましたのです。 原油高騰で政府から十四億 〜五十億ドルの免税措置を勝ち取ったのです。 業界が赤字
で受けるダメージを最小限に補助する免税措置を国会は何と大型黒字の石油業界に与えたのです。
 
その上、市民のガソリン消費傾向はブレーキが掛かっておらず、右肩上がりの価格を容認しているというプラス・アルフ
ァも石油業界には追い風となったのです。 更にも う一つはこれらの米石油企業の原油を積んだタンカーがメキシコ湾内
を回遊しているというのです。  これらのタンカーは一バレル三十ドル台の原油を積んでおり、企業は備蓄量の大きいこ
とで安い原油をうまく利用し、利益を出していると言うのです。
 
一般に一ガロン、何ドルまでなら払えるのだろう。 車の用途を短くして、ガソリン料金を節約するというのは一ガロン、五
ドル? 六ドル?七ドル、それとも十ドル?  ある三十代のサラリーマンは一ガロン、七ドルになったら車の運転をやめる
といってい ます。  あなたは何ドルぐらいまで容認出来ますか?
 
ハワイのガソリン小売価格はどこまで上がるのか? PUCはどの段階で介入するのか、 これからどう推移して行くのか、
新ガス・キャップ法は、市場価格は高く(?)なるのに導入される不思議な新法です。
 
サマータイム四週間延長
日本も戦後、短い期間ですが、時間を一時間早めるデイ・ライト・セービングス・タ イム(通称サマータイム)を導入したこ
とがあります。 でもすぐ廃止されました。  世界でサマータイムを導入している国は米国だけです。 その米国もハワイ州
とアリゾ ナ州(一部を除く)は同時間帯を採用していません。
 
今年の国会はそのサマータイムを四週間延長する決議案を可決しました。 延長は春に三週間、秋に一週間延長すると
いうものです。 施行は二〇〇七年からです。 三月の第二日曜日から十月の第二日曜日までが新しいサマータイム採
用期間となります。
 
そもそもこのサマータイムは一九一八年の第一次世界大戦中に日の長い六か月、時間を一時間早めることで軍の燃料
(エネルギー)を節約するため、時間を一時間早めた ことに始まります。 この体制は終戦後、ただちに廃止されました。 
しかし第二次大戦 中に再び軍の要請でサマータイム導入を決行しました。
 
戦後には州単位でナサマータイムは続けられましたが、いくつかの州は取り止めました。  一九六六年に国会はサマー
タイムを平和時にも採用する法案を可決しました。 ハワイ 州はすぐ翌年の六年の州議会でサマータイム導入見送り案を
採択、可決しました。
 
それ以後、夏場の時間差が東部で六時間、西部で三時間と言う時間帯を維持してきま した。 今年二月にインディアナ
州が導入を決め、サマーガイムを採用していない州は ハワイ州とアリゾナ州だけになりました(アリゾナ州の南部の郡は
導入していませんが、一部北部の郡はサマータイムを導入しているそうです)。
 
サマータイムの延長理由は新聞には説明されていませんでした。 ただ原点は軍部の消灯時間を一時間早めることで、
光熱費を節約することにあった訳ですから、延長理由 もその辺にありそうです。 ハワイ州民にとって、米本土との時差
が一時間長くなることは生活様式には影響ないと各界指導者は述べています。
 
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● アメリカ定点観測
    ・ 「不幸な家庭はまちまち」では不十分?  ロサンゼルス・ガーディナ市から --- マードック家の内紛
ウィリアム・ブリンク氏がまだ生きていたら、「そんなパンチに欠けたのはダメだ」 と大声を出したに違いないと思わせた
のが、八月一日付のニューヨーク・タイムズ 紙の「マードック家内紛の背後に、独自の不幸を抱えるメディア王国」という
見出 しでした。
 
資産総額六十億ドル(約六千六百億円)を抱えるマードック家の内紛が原因で、現宗主ルパート・マードック氏(74)の
後継者と目されてきた長男のラクラン・マードッ ク氏(33)が、親会社ニュース・コープのCOO(最高執行責任者)代行の
ポストを突然辞任し、同社の経営から身を引き、故郷であるオーストラリアに戻ることが明らかになったのを伝える長い
記事の四段見出しです。
 
ニューズ・コープは世界的なメディア巨大企業で、そのCEO(最高経営責任者)であるルパート・マードック氏はオースト
ラリアの新聞経営一族の御曹司として生まれ、自分の代になってオーストラリア国内の新聞経営事業だったニューズ・
コープを世界的なメディア企業に発展させたらつ腕経営者です。
 
オーストラリアからイギリスに進出、代表的な高級紙ザ・タイムズを買収するなど一 躍メディア王として知られるようにな
り、さらに世界最大のメディア市場であるアメ リカに乗り込み、いまや映画、テレビ、新聞、出版などのメディア全般でな
んらかの媒体を有し、アメリカの大衆文化に大きな影響力を発揮しているという大物経営者 です。
 
そして、そのプライベートライフも、事業経営に劣らない「発展家」です。 最初の結 婚で一女をもうけたあと離婚、一九六
七年に新聞記者出身のアンナさんと再婚し、一 女・二男が成人したあとの一九九九年に、愛人関係のもつれから離婚
し、この愛人と直ちに再婚して現在三歳と二歳の幼児の父親です。
 
この三回目の結婚の相手となったのは、中国人で、アメリカの名門校エール大学ビジネススクールを卒業後、香港での
マードック事業である衛星テレビサービスの幹部社員だったウェンディ・デンさん(36)という才媛です。 四十歳近くも若い
部下との結婚とあって、当時はアメリカやイギリスのタブロイド紙に格好な話題を提供しました。
  
長男ラクラン氏の辞任は、ワンマン経営者である父親との間で経営方針をめぐって従来から関係が良くなかったところに
加えて、新たに一族に二人の幼児が加わったことで、巨額の資産の分割問題が表面化してきたことが背景にあったよう
です。
 
これまでのところ、アンナ前夫人と成人した四人の娘と息子の間で分割することになっていたのが、ルパート・マードック
氏が二人の幼児を遺産分割の対象に含めることを検討中であると、昨年ニューヨークで開かれた「家族会議」で明らかに
したことから、ゴタゴタが深刻化したとみられています。
 
ニューヨーク・タイムズ紙の見出しは、もちろんレフ・トルストイの名作「アンナ・ カレーニナ」の有名な冒頭の文章「幸福な
家庭は皆同じものだが、不幸な家庭はさまざまである」というくだりを一部引用したものです。
 
英語の翻訳では「不幸な家庭は、それぞれ独自なかたちで不幸である」となっているのを、マードック一家の内紛に関
する記事の見出しに当てはめたわけですが、「アン ナ・カレニーナ」の文章を知らない読者にとっては、なんとなく読み
過ごしてしまう見出しです。
 
しかし読んだことのある読者にとっては、この見出しを見るだけで、記事の内容をある程度予測できるという点では、良
くできた見出しと言えます。 しかし、ウィリアム ・ブリンク氏などが評価すると、「まだまだ修業が足りない」ということに
なるかもしれません。 それと言うのも、ブリンク氏はアメリカのジャーナリズムの歴史に残る 名見出し「フォードからニ
ューヨーク市へ、くたばってしまえ」を考え出した人物だからです。
 
新聞の見出しは、記事の内容を凝縮して、何が書いているかを一〜二行で表現し、読 者に記事を読みたいと思わせ、
また忙しい向きには、見出しだけで記事を分からせる 必要があるということで、一種の職人芸です。 「華麗なプレー
で魅せたXX選手」と いった、使い古された陳腐な見出しや 駄じゃれに類する見出しから、このニューヨーク・タイムズ
のような、古典小説を引用したハイブローな見出しまで、見出しを担当する記者の腕の見せどころです。
 
日本の新聞社では整理部という部署が最終的に見出しを決めるのですが、アメリカの新聞社で相当するポストはコピー
エディターです。 ラクラン・マードック辞任の記 事も、まずその事実を伝える本記では、
「マードックの子息、ニューズ・コープを去る。後継者問題が混迷へ」(ニューヨーク・タイムズ)、
「マードックの有力後継者、突 然ポストを辞任」(ロサンゼルス・タイムズ)、
「ニューズ・コープで、遺産をめぐ る激しい争いが家族を裂く」(ウォール・ストリート・ジャーナル)
といった「まとも」な見出しが並びましたが、その解説記事では、コピーエディーが工夫を懲らした見出しを付けることに
な|ります。
 
ニューヨーク・タイムズの場合は、冒頭のような見出しでしたが、ウォール・ストリ ート・ジャーナルは「ビジネスの焦点」
という解説コラムでは「みんな家族(オール ・イン・ザ・ファミリー)」という見出しでした。
 
これは古典文学ではなく、一九七〇年代に大ヒットしたCBSテレビのシチュエーション ・コメディのタイトルを借用したも
のです。 イギリスでヒットしたコメディのアメ リカ版で、ニューヨーク・クイーズに住むアーチー・バンカーというブルーカラ
ー労働者の一家をめぐる喜劇ですが、考え方の違う夫婦と娘夫妻が同居することから生まれるさまざまな対立を描い
たもので、それを見出しに使うことで、内紛に揺れるマー ドック一家のことだと一瞥(いちべつ)して分からせるという
「高等技術」でしょう。
 
また同じウォール・ストリート・ジャーナルは「話題の人」というコラムで、マード ック一家とニーズ・コープ幹部の主要人
物紹介をしていますが、その見出しは「リーディング・ザ・ニューズ」です。 「ニュースをリードする」ということで、「ニ ュ
ースの主役」というほどの意味になりますが、その中の「ニュース」というのは、マードック一家の親会社ニューズ・コー
プに懸けた意味合いがあります。 すなわち「ニューズ社をリード(指導)する」という意味も含まれているわけです。
 
日本でも一九六〇年代後半にタブロイド紙が誕生して以来、これらタブロイド紙やス ポーツ専門紙の間での一種の
「見出し競争」が激しくなっていますが、この面での先 輩はやはり、長年タブロイド紙が新聞界で大きな地位を占めて
きたアメリカです。 そんなタブロイド紙競争の中心地はニューヨークとシカゴでしたが、現在では過当競争や新聞読者
の減少でほとんどが姿を消しています。 そんな中で、現在も激しい競争を 展開しているのが、ニューヨークの代表的な
タブロイド紙であるニューヨーク・デー リー・ニューズとニューヨーク・ポストです。
 
ポストはニュース・コープの傘下にあるマードック一家の新聞で、今回経営陣から身 を引いたラクラン・マードック氏は
同紙発行人を務めていましたが、父親のマードック氏が古巣に戻り、後任発行人となります。 同紙はマードックが
アメリカ進出の足掛かりとしたメディアで、現在に至るまでも、本人の保守的イデオロギーが色濃く反 映している新聞
です。
 
そして、この両紙の激しい販売競争の中で焦点となっているのが、店頭での一部売りで通行人の目を引くことを狙っ
た「見出し合戦」です。 いかにセンセーショナルな見 出しを付けるかが新聞の売れ行きに反映されるためで、その中
で生まれたのがアメリカ・ジャーナリズムの二つの古典的な見出しです。 一つは、ポストの「ヘッドレス・ ボディ・イン・
トップレス・バー」というものです。
 
一九七七年にポストを買収したマードック氏が、いかに販売部数を伸ばすかで編集陣をたき付けていた時期の一九八
三年四月十五日付の一面全段見出しです。 トップレ スバーで頭部のない死体が発見されたという殺人事件の記事で
すが、トップレスとヘッドレス(頭部を欠いた)という韻を生かした見出しで、しかもいずれも好奇心をか き立てる単語だ
けに、「趣味が悪い」という批判もあったものの、歴史に残る見出しとなりました。
 
もう一つは、一九七五年十月三十日付のデーリー・ニューズを飾った「フォード・ト ゥ・シティー、ドロップ・デッド」です。
当時ニューヨーク市は財政難の真っ最中 で、破産寸前の状態でした。 そして当時の市長エーブラハム・ビーム氏(民
主党)が 連邦政府に救済措置を求めたのですが、ジェラルド・フォード大統領(共和党)が「 ノー」の返事だったのを伝
える記事の見出しで、「ドロップ・デッド(くたばってし まえ)」というパンチの効いた表現が、タブロイド紙らしいものだと
評判になりまし た。
 
フォード氏は、ウォーターゲート事件で辞任を余儀なくされたリチャード・ニクソン 大統領に、汚職事件で辞任したスピロ
・アグニュー副大統領の後任として、下院議員から抜てきされたのち、同大統領自らの辞任で、タナボタ式に大統領に
昇格した政治家です。
 
翌一九九六年の大統領選挙では、ジョージア州知事だったジミー・カーター氏(民主党)とホワイトハウス入りを争った
のですが、「アノ見出しがニューヨーク州での敗 北につながり、同州の選挙人を獲得できなかったのが敗因だった」と
述懐していたということですから、アメリカの歴史を変えた見出しだということになります。 そして、 最終的にこの見出し
を決めたのが編集局長だったウィリアム・ブリンクでした。
 
地方紙からUP通信(現在のUPI通信の前身)記者、ニュース週刊誌ニュースウィーク 編集委員を経て一九七〇年
からデーリー・ニュースで働き、一九八一年に引退したベテラン・ジャーナリストですが、現役時代の最大の「功績」
が、この見出しでした。  同紙では当初コピーエディターたちが候補としてあげていたのが、「フォード、市への援助
を拒否」、「フォード、市の援助要請にノーの回答」といったオーソドックス なもので、ニューヨーク・タイムズも「フォー
ド、市に懲罰課す。 (援助)資金保証拒否を表明」という当たり障りのないものでした。
 
しかしデーリー・ニューズでは、ブリンク編集局長が新聞用紙に鉛筆で大きく書いた 「ドロップ・デッド」を採用、歴史が
生まれたということです。 そのブリンクス氏が亡くなったのが一か月前でした。 アメリカでは現在では、タブロイド紙が
相変わらず過激な見出しでしのぎをけずっている一方で、ブロードシートと呼ばれる一般紙でも工夫を凝らした見出し
が目立つようになりました。
 
古典文学を引用した、マードック家の内紛を伝えたニューヨーク・タイムズの見出しもそのひとつですが、よく見かける
のがポピュラーソングやヒット映画の題名や台詞の一部を使った見出しや、韻をふんだ見出しです。
 
夏休み中のこどもたちをどう扱うかのヒントを伝えるニューヨーク・タイムズの家庭面記事の「サマータイム、アンド・リビ
ング・イズ・クレージー」という見出しは、ジ ョージ・ガーシュインのオペラ「ポギーとベス」冒頭の子守歌「サマータイム」
の出だしの歌詞を流用したものです。 また「ア・ユアン・ヨーン」という、韻をふんだ社説もありました。
 
中国の通過・人民元(ユアン)の切り上げを論じた内容で、実質的には無意味ということで、「あくびをもようさせる(ヨ
ーン)」措置だったという意味合いの見出しです。 それぞれの読者の知識水準を反映した見出しとなっているのが興
味深い現象で、アメリカの新聞や雑誌では、ニューヨーク・ダイムズが段違いに含蓄のある見出しを付けているのが目
を引きます。
 
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● ビジネス・ニュース
    ・ アウトリガーがワイキキの中心地にあるワイキキ・ビーチコマー・ホテルを買収
アウトリガー・エンタープライズ社は、三井リース事業株式会社(東京)の傘下 にあるワイキキ・ビーチコマー・ホテル
を買収する事が八月に発表された。 最終的な売買成立は十月中旬の予定で、成立後は「オハナ・ワイキキ・ビーチ
コマー ・ホテル」としてアウトリガーの運営傘下にある、ハワイとグアムの十二のオハナ・ブランド・ホテルの一つに加
えられる。 買収額は非公開。
 
アウトリガー・エンタープライズ社の代表取締役社長兼CEOのデビッド・ケアリー氏は、「このカラカウア大通りに面した
一等地に建つホテルが、ワイキキにあるアウトリガーとオハナ・ホテルのファミリーに加わったことをとても誇りに思い
ます。 ワイキキ・ビーチコマーは我が社にとって最適な施設であると同時に、今回、新し いワイキキ・ビーチ・ウォーク
の開発のために失った多くの部屋数を補う重要な施設になります」と語った。
 
アウトリガーは、ホテルに残りたいほぼすべての現従業員に職を提供する予定。 ア ウトリガーは、また、オハナ・ワイ
キキ・ビーチコマーの大規模改装を予定している。  「オハナ・ワイキキ・ビーチコマーを旅行者がビーチに近い、素晴ら
しいホテルの第一候補にあげるようなホテルにすることです」と、アウトリガー・エンタープライズ社の不動産部門運営
最高責任者のメル・カネシゲ氏は語る。
 
現在ワイキキ・ビーチコマー・ホテルの所有者である、カハオネ・インベストメント ・コーポレーションの代表取締役社長
、松村直人氏は「ワイキキ・ビーチコマーは常に他の競争相手よりも優れていました。 そして私たちはプロ意識の高い
献身的な従業員達を大変誇りに思っています」と述べ、「長年に渡る、私たちの優れた運営の功績がアウトリガーに認
められ、それが素晴らしい売買につながりました。 ビーチコマーの持っている可能性をさらに強め、利用していくことが
アウトリガーには出来ると信 じています」と、同ホテルが更なる躍進を続ける事を願った。
 
現在、アウトリガーが行っているワイキキ・ビーチ・ウォーク再開発は、総額約四億 六千万ドルを費やし、ホテル、タイ
ムシェア、レストラン、ショッピングとエンター テイメント施設などを、ワイキキのルーワーズ、カリア、ビーチ・ウォーク周
辺で行い、旅行者と地元住民が一同に介することのできる地域にするプロジェクトである。 この開発で、同社は老朽化
したホテルを取り壊したため、千六百のホテル客室を失っ たが、今回のワイキキ・ビーチコマーの買収で五百客室を取
り戻すことが出来る。
 
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● 観光客の人気スポットを訪ねて
    ・ 地元の人も十分楽しめる クアロア牧場
    ・ 熱帯魚と戯れるシー・ウォーカー
・ 地元の人も十分楽しめる クアロア牧場
まずは、カネオヘにあるクアロア牧場。 あの映画ジェラシック・パークの撮影場所だ。 国道八十三号線を北へ上ってい
くと、左手に広いパーキング場と、茶色いカントリー 調のビジターセンターが見えてくる。 センター内は、左手が土産物
売り場、右手にはカフェテリアがあり、観光客が旅の記念にお土産を選んでいる。
 
入場券はどこで買うのだろうかと探したところ、この牧場の運営を行っているクアロ ア・ランチ・アンド・アクティビティ・ク
ラブ・インクのセールス・マーケティング担当の遠藤亮(あきら)さんが、クアロア牧場のシステムを教えてくれた。
 
「入場料はありませんので、ビジターセンターは勿論、園内も自由に散策してくださ い。 アクティビティに参加されるお
客様だけが、そのチケットを購入するというシス テムなのです。 観光客の方が多くいらっしゃる場所なので、料金が高
いのではと思われているローカルの方もいらっしゃいますが、この牧場はどなたでも気軽に来ていただける場所です。 
小さいですが、豚や牛、小動物のいるミニ動物園もあります。 実は 地元の幼稚園のお子さんがよくフィールドトリップ
にいらっしゃっています。 他にも キャンプやバーベキュー・パーティーなどで、是非ご利用いただきたいと思います。」
 
それなら島内をドライブ中に、一休みするのにもってこいの場所だ。 ビジターセンタ ーを抜け、のどかな動物園を横目
に園内を散策する。 高台まで登っていくと、眼下に壮大なパノラマが広がっていた。 ここは古代ハワイの人たちにと
って、聖なる場所でもある。
 
総面積四千エーカー(東京ドームの四百五十倍)を所有するクアロア牧場は、古代ハワ イアンの時代には「秘境」とされ
、若い「アリイ(領主)」の修行の場として立ち入り が禁止されていた。 一八〇〇年代にボストンからやってきたジャッド
博士(現在の経営者の先祖)は、キング・カメハメハ三世の下で牧師として仕え、後にこのクアロアの土地を購入。 一
八六三年にはオアフで最初のシュガーミルを建て、サトウキビ畑を営んだ。
 
一八七一年にサトウキビ畑を閉鎖して、一八七〇年代後半から牧場として始動し、現在では食用牛の生産及び農業・
水産業を営む多角経営農場となった。 その後乗馬・射撃・四輪バギー、ジェットスキー、スキューバ、ヘリコプターなど
のアクティビティで観光客及び地元の人たちにも親しまれ、ハリウッド映画やテレビの撮影場所として、 アメリカでも広
く知られている。
 
クアロア牧場は、古い歴史と現代のアクティビティのミックスしたユニークな場所である。 また観光地のイメージが強
いが、現在でも牛六百頭、馬百頭(内四十頭が乗馬用)を有し、ランの栽培など牧場としての機能も持ち合わせてい
る。 このクアロア牧場内で、ウェディングパーティーを開くこともできるとか。
 
遠藤さんから、楽しい話を聞いた。 ウェディングパーティーは地元の人たちやアメリ カ人に人気だが、日本人には敬遠
されているという。 なぜなら屋外なので、パーティーの最中にどうしても虫が集まってきてしまうからだ。 しかし実際
に見るパーティー会場は、クアロア山脈という雄大な眺めを目の前にした素晴らしい景観である。 こ んな美しい景色
を前に結婚式をあげられたら、日本人カップルにとっても、一味違った「一生の思い出」になりそうである。
 
「牧場に訪れる人の半数以上は、観光客の方です。 日本の方はツアーバスで、アメリ カの方はレンタカーでいらっし
ゃる方も多いですね。 スタッフは百二十名。 その内日 本人は五人しかいませんが、お客様は日本の方が多いので
、多くのスタッフが日本語を話します。 また乗馬や四輪バギーといったアクティビティだけでなく、クアロアには、シーク
レットアイランドというプライベートビーチもあります。 カヤック・カヌ ー・スノーケルなどを楽しんでいただくこともできます
。 日本の高校の修学旅行の方がいらして、この島を貸切にしてビーチオリンピックや運動会などすることもあります。」
 
記者も映画村ツアー〈アドベンチャーバス〉に参加してみた。 スクールバスを改造したような大型バスに乗り込んで、ジ
ェラシック・パークやゴジラのロケ地であるカアアヴァ谷へ向かう一時間のツアーだ。 ガラスの入っていない窓から吹
き込んでくるフレッシュな風をまともに受けながら、でこぼこ道を登っていく。 ドライバーのノリノリの英語と片言の面白
日本語を聞き、カネオヘの美しい景色を堪能。 まずは映画ロ ケ地を写真紹介するミュージアムへ。
 
その後撮影地で写真撮影、途中もぎたてのグアバの実をドライバーが振舞ったり、野生のいのししを見たりと、いつも
とは違ったハワイを堪能できる。 これでカマアイナ料金十三ドルなら、一度は試す価値があるだろう。 今後、この牧
場ではエコツア ーや教育プログラムにも力を入れていく予定だという。 クアロア牧場は、アトラクションが並ぶアドベン
チャーランドではない。 でもだからこそ地元の人たちにも楽しめる場所である。
 
 ■ 住所:49-560 Kamehameha Highway, Kaaawa, HI 96730
 ■ 電話:808-237-8515  予約:808-237-7321 / 808-923-8515(日本語)
 ■ 開園時間:午前八時から午後三時
 ■ カマアイナ料金 :
  ・ 一時間乗馬&四輪バギー 四十ドル
  ・ 二時間乗馬&四輪バギー 七十四ドル
  ・ 射撃 四十ドル
  ・ ジープツアー 十七ドル
  ・ 映画村バスツアー 十三ドル
 ■ ホームページ: www.kualoa.com
 
・ 熱帯魚と戯れるシー・ウォーカー
もう一つはよく観光客向けの雑誌に紹介されている「シー・ウォーカー」。 空気の 流れてくる丸いヘルメットをかぶりな
がら海中を散歩している写真は、記憶にある人も多いのではないだろうか。
 
シー・ウォーカーという商標を唯一使うことができ、多くの観光客のニーズに応えているトロピカル・オーシャン・スポーツ
を訪ねた。  こちらも場所はカネオヘ湾だ。
 
副社長の有川ヒロさんは、「マリンスポーツで一番大切なことは安全性です。どんなに愉しいアクティビティでも、危険
が伴うわけにはいきません。 ご存知の通りこのカネオヘ湾は波が全くなく、水面が鏡のようになだらかです。 シー・ウ
ォーカーは泳げない人・水が怖い人でも水の中の美しさを体験できることが売り物ですから、 この穏やかな海が適して
いるのです。 このアクティビティを始めて六年。 一度も事 故はおきていません。それでも心臓病の方や高血圧の方、
肺に問題のある方はご遠慮いただいています」という。
 
まずはヘエイア・ケア・ボート・ハーバーからオノマナ号に乗ってさんご礁の前のパッチリーフへ。 そこに浮かぶシーウ
ォーカーバージへ移り、そこでウエットスー ツを着込む。 目の前にはホーリーランドと呼ばれる美しい景色。 エメラルド
グリーンの海を眺めているだけで、なぜか神聖な気持ちになってくる (ただ緊張しているだけなのかもしれないが)。
 
潜る前に「座る」、「立つ」、「了解」などのサイン、「潜るときはゆっくりと耳 抜きをしながら」という指導を受けた。 毎回
六人ずつ、正味二十分程度のアクティ ビティだが、上がってきた人たちは、「五分ぐらいに感じた」、「面白かった」、 「も
っと潜っていたい」と顔を輝かせている。
 
さて記者の番だ。 スタッフの指導どおり、船の後ろについている梯子をゆっくりゆ っくりと降りていく。 リラックスが大切
なのだが、ヘルメットを被された途端に、より緊張する。 水が口近くまで上がってくるが、それ以上入いることはないと
いう指導員の言葉を信じて、リラックスと自分に声をかけた。
 
五メートルほど潜ると海底へ到着。 六人で一つの棒を持ち、水中遊泳というより、水中を散歩するという感覚だ。 その
後魚のスポットで水中餌付け。 これが無数の熱帯魚が、目の前にうようよと泳ぎ、時には足や手にぶつかったりする。 
ヒナレア、マモ、 マニニなど、あまりに近いので一匹一匹のえさの食べっぷり、性格までわかるほどだ。
 
ハワイに住んでいると水槽などで魚を見る機会は多いが、ガラスを隔てた所で魚を見ているのではなく、魚の群れの中
に自分が入ってしまった感覚で、これはサブマリンやスキューバでも味わえない感覚である。
 
あまりの魚の多さに、最初は身体をちぢこませてしまったが、スタッフが緊張を和らげるように、生きている魚を優しく捕
まえて、体験者たちに触らせてくれたり、海底の様子を知らせてくれたり。 その内に恐怖心も和らいでくるから不思議
である。
 
船にあがってみると、確かに二十分経ったはずなのだが、他の人たちと同様、数分にしか感じられなかった。 魚と同じ
目線で周りを見ることの楽しさを実感したアクティ ビティだった。
 
このシー・ウォーカーは九十五ドルと安いものではないが、一度体験したら、満足して「マリンスポーツはこれだけでいい
」と、リピーターになる人も多いという。 お金では計ることのできない経験をした満足感が残る。 話の種にも、一度は経
験したいものである。
 
 ■ 連絡先: トロピカル・オーシャン・スポーツ
 ■ 電話:808-235-7531 (予約係)
 ■ ホームページ: www.tropicaloceansports.com
 
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